砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

マイルCS回顧 まさかの稍重

こっちはもう回復した良馬場でマルターズアポジーが噴射するもんかと思っていたのに、まさかの出遅れ・・・。必死に挽回してハナを切ったがペースはすぐに落ち着いてしまった。

これは馬場以前に仕上がりが悪かったとしか言いようがないし、ピークが過ぎたのかレース間隔のせいなのか判断はつかないが、とにかく強いマルターズアポジーではなかった。やる気満々だったらあんな簡単に落ち着かない。ブッシーの折り合いであんなにすんなりペースダウン出来る馬じゃない。

結局スローになって京都馬場で猛威を振るうハービンジャーが勝ち切り。これは馬場が完全にハービンジャーだぞ!という風な強すぎる内容。


うーん、ハービンジャーがそういうものを伝えるというよりも、「4分の4ND」の種牡馬がこういう力っぽさを伝えるというべきかと思う。Northern Dancerってこういうのが好きだと思うのよ。ナリタブライアンとかビワハヤヒデとかタップダンスシチーのイメージ?(ナリタブライアン菊花賞稍重ビワハヤヒデ京都記念稍重タップダンスシチーは伝説のジャパンカップ。これらは1秒以上の差をつけた快勝である。)

展開は完璧にエアスピネルのものだったし、この馬もこういった馬場が得意。武豊だったら勝っていた・・・というつもりは全く無いのだが、こういう馬場なら主戦の方が後味は悪くなかったかなぁと。

この乗り替わりはRobertoの英ダービーの逸話を思い出すな。主戦がちょっと体調を崩したら乗り替わりになってトップジョッキーを背にダービー勝ちってやつ。結果論だが、こういう馬場になったら武豊のほうが上手かったかもしれない。

でもこんなに外有利の馬場になるとは思わないし、イン有利のままだったらムーアの方が断然上。陣営の読みが大きくズレたといえばそう。


ペルシアンナイトが馬群を割れるのは血統論の上では結構面白い話で、例えばディープ×Aureoleの牡馬なんて馬群になんて落ち着かけないよな。これはニアリークロスによってAureoleあるいはBurghclereがオンになるからで、それそのものが強調されるわけだ。

だがハービンジャー×Aureoleの牡馬は馬群を割れる。つまりAureoleそのものをクロスしたことによって、その周辺がオンになっているのだと考えられる。Aureoleを消す仕組みがオンになっているわけよね。

こういう強調の効いた血統というのは、その仕組みと違ったものを取り入れなければ成功しない。ハービンジャーオリエントチャームゴールドアリュールもそれは間違いのないことであり、それがNijinskyやNureyevであった・・・ということかもしれない。

牝馬だとちょいと話が違うんだわな。父母を自然と受け継ぐから。またハービンジャー×ゴールドアリュールの配合でも結果は違うだろう。なかなかディープな話が出来そうじゃないかね。


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