砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

メジロフォーナの捉え方

基本中の基本であるが、本馬の配合はサッカーボーイ(=ゴールデンサッシュ)をディクタスクロス・ノーザンテースト≒Shiskey Road・Princely Giftクロス・Charlottesville≒Sashu of Honourにより増幅した形である。これにもう少し加えるとノーザンテーストAureoleで弄ってもいるが、兎にも角にも重要と見るはディクタス3×4の影響力であろう。

ディクタスとは

ディクタスの主たる構成要素はイメージ通りの仏血統(Tourbillon、Teddy、Wild Risk)であるが、背景の英血統(Artist's Proof、Blenheim、Pretty Polly)が実に強い。英国→仏国の順をたどる血統は大抵にしてスタミナ的であり、次代にて米血統を求めるのが常。この場合はMahmoudやNoor Jahan(=Sir Gallahad=Bull Dog)あたりが間違いのないところであり、ステイゴールドの成功やノーザンテーストとの好相性もここが切り口であろう。 また「4分の3Blenheim」という特性から英のWoodbine血脈の補完をさほど要さない。ここからの派生が重要だろう。

ナリタトップロードにおけるディクタス

Affirmedの「4分の1Won't Tell You」とは実に面白いところで、他にもPilateの名繁殖Good ExampleやPennantの存在が大きい。PilateはArtist's Proofと脈絡し、PennantはCherokee Roseの全弟である。特にEquipoiseの場合はWoodbineの英米結合となるのでPennantの経由としては有力なところだ。またNative DancerNorthern Dancerに対して共通させており、同時にFighting Fox=Gallant FoxがVictoria Parkと共通。ナリタトップロード全体では米血統を主軸とした「4分の3Mahmoud」という形を作り上げており、Affirmedノーザンテーストの関わりが強い配合と言うべきだろう。この場合のディクタスは直系父祖らしく配合の基幹として「ただ在る」に近い。表現に携わるところが少ないが、淡いクロスによってその主要血統は弄られている状態だ。

メジロナターシャにおけるディクタス

対してメジロナターシャのMahmoudとはWhiskey Roadの5×5とディクタスからの1本に留まる。しかし決して見逃してはならないのがメジロサンマンの母母父King Salmonで、これはBlenheimの2分の1弟で、父がThe Tetrach×St. Frusquin(Gainsboroughの母父)であるからMahmoudに近い配合である。この淡い脈絡がメジロナターシャの5代目にあることは実に有意義なことであり、パラデイシアによる影響は見逃せない。

インブリードと異系

このような配合を形作るディクタス3×4。俺は3×4インブリードというものを、数字の上だけではなく、インブリードの特徴としても3×3と4×4のハイブリッドと見ている。

3×3インブリード

3×3はまず継続することはなく、自然と次世代及び次次世代へ伝わる濃度である。「2分の1In Reality3×3」や「4分の1In Reality3×3」というのは非常に優れた形であり、零細血統による異系の構成に大きな役割を果たす。逆に流行血統による3×3は扱いに困るところが大で、フサイチコンコルドの難しさはここにあっただろう。ただしこのダービー馬を見ての通りに濃いインブリードを許容するだけの偉大な異系を持つことが多い。零細血統3×3の場合は流行がこれを担当するわけだが、フサイチコンコルドの様な流行血統3×3の場合は零細血統がこれを担当する。この異系の働きを促進することで、3×3への継続も可能ではある。大物輩出は適わないが。

4×4インブリード

4×4の場合は継続しても構わない。Northern Dancer4×5*5などは現代日本において当たり前のように行われている。それでも超一流を求めるならばアウトとすべきであろうし、それと別にあるニアリークロス血統の片割れをクロスするといった小技が見たい。理想像はHalo-サンデーサイレンスの流れであり、超小技としてMahmoud≒Khaled≒Sun Princessという薄味ニアリーによる異系への脈絡があればなお良い。「緊張と緩和」「ニアリークロス」を求めやすい濃度と言えるだろう。(更に補足するならば超激小技ニアリーとしてのSun Again≒Kahledも逃せないところ。Bay Ronald×St. Frusquin×Sundridge×Dubia≒Our Lassie。)

3×4インブリード

3×4というのはクロスも許容するがアウトでも十分な影響力を残す。何をしても構わない融通の利きが持ち味・・・と言えば4×4と同じなのだが、これと違うのは被クロス血統の弄りにて成功するところである。その上で3×3の様に異系を持ち合わせるあたりが実に面白く、今回の大喜利を盛り上がらせる大きな要因だ。

異系としてのメジロチェイサー

フレイズの段階においてはナリタトップロードと大差ないのだが、ディクタスが1代遠のいた分だけ配合が一歩先へ進んでいる。進んだ分のメジロチェイサーは4分の1異系に等しく、それはCharlottesville≒Sash of HonourやVieux Manoirクロス、Prince Bioクロス、Djeddah≒Panなどによって一際輝く異系としてある。むしろ「異系」とするには輝きすぎるし、もうちょっと違う表現をすべきかもしれない。それはまた別の話。


長くなったので結局3記事に分けることに。内容からすれば更に小分けしてゴリゴリ書き込みたいのだが、とりあえず最低限の内容に留める。

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