2014年ver
展開
長い直線を活かした先行策がしばしば起こる。
特に大外枠から一気に行くパターンが多いため注意が必要。
・スローペース
基本的にロンスパ戦であり、長い直線もあることで縦長展開となる。
4角までに馬群が圧縮するのだが馬場がフラットなので外を走る馬は確実に飛ぶ。
内溜めが基本なのだが前の馬が残るので本命級が内差しを選択することはなかなかないだろう。
本命はやはり先団に取り付く外枠の馬。雨渋りゼロの良馬場ならど真ん中を一気に差せる馬か。
まくりは決まらない。馬場が特殊であるから能力差で届かせられなくもないか?
・ハイペース
縦長展開となるために全体が一気に流れることはない。自然大逃げに。
事実上のペースメーカーとなる馬が出るので、大逃げ馬との関係をしっかり洗っておきたい。場合によっては押し切りも。
大抵は二番手が平均ペースで引っ張って前を捉えることになる。やはり追い込みは届きづらい。
逃げ先行馬
穴を狙うならここ。近年はディープ産駒が台頭する結果となっているが意味はないだろう。
Bコースへ変わって2週目の開催となるので馬場はフラット。フラット故に内
馬場有利。
少数立てであれば逃げ先行馬の有利が大きくなり、2013年に
シルポートが穴人気するなどのアホなことが起こる。
差し先行馬
スローが予想される場合に注意すべきは差し馬で、鞍上次第では一気に先行策を狙ってくる。
長い直線を活かせば大抵の無茶が通ることから追い込み馬の先行も目立つ。
必要に迫られなければ無理な先行は行わないのだがここ数年の結果を受けて来年は果たしてどうなるか。
差し追い込み馬
オルフェーヴルという前例があるものの、勝ち負けに絡むことは考えなくて良い。
全く雨の影響がなくとも
ブエナビスタや
ショウナンマイティ級の脚が必要とされて
有馬記念を直線だけで追い込むようなおかしな脚を要求されるので1倍台の人気馬でも信頼しきれない。
武豊や
横山典弘などの実績がありつつ戦術眼に優れた騎手が乗ってこそだ。あるいは乗れている騎手。
直線だけで追い込むなら最内を差すしかないが、前が残るのでそれは望めない。どうしても距離ロスは生じるだろう。
人気に関して
人気しすぎる馬は自在性が失われる。上記の様にユタカやノリが乗れば少し違うだろうが
今まで結果を出してきた戦法を陣営は捨てきれない様子で尽く人気馬を飛ばすことになる。
その辺りの問題もあって穴が台頭しやすい。
季節に関して
春の東京、京都を得意とする切れのある馬が散りやすい馬場である。
狙い所は年末年始の実績馬であり、上がりのかかる競馬で勝ち負けしてきた奴らだ。
ジャパンカップで内馬場を突っ切ってきた
ヴィルシーナが好走したりしたので、そこら辺も注意。
中山との違い
中山ではまくりが決まるのだが
宝塚記念ではまくりが決まらない。
有馬記念との適性差が実は大きく、
ドリームジャーニーなどは追い込みが届かなかった。
共通するのは逃げ先行適性と直線一気適性だけで、中山まくりの馬は差し引き対象にあたる。
距離適性
やはり2200m以上の実績が欲しい。その上で2000m以下で実績があるなら一層よい。
きっちり渋りきった
皐月賞を勝ったり、あるいは
春天をそこそこ走れるスタミナがあったり。
ジャパンカップや
有馬記念の実績なども良い。これらはスロー展開からのロングスパートになりがちで、
それらのペースは
宝塚記念とほとんどかぶるのである。
あと中山2200m巧者は先行してなんぼ。
種牡馬に関して
ハーツクライや
ステイゴールドが狙い目だが得意馬場をきっちり捉えておくように。
二年連続でディープ産駒が好走しているがイレギュラーなタイプなので参考外としておく。
ただ今年の
ヒットザターゲットの競馬を見ればディープ好走の土壌は確かにありまして、
最内で溜めて一気に弾ける競馬をさせてみればなかなか侮れないとも考えられる。
馬場状態
開催3回の8日目。Bコースになってから4日目。
フラットではあるが3角からスパートに入るために外まくり→外差しは不利が大きい。
総じて時計がかかる傾向。速い馬場で上がりを使う馬は買わない方が良いだろう。
上がりについて
35秒台で1番上がりを使うタイプなどが特に良い。
番手に関わらず上がりをそこそこ使うタイプなんかが大穴筆頭で、こういう馬は先行策で台頭する。
ゴールドシップはまさにそのタイプで先行しようが追い込もうが34秒~35秒で上がる馬。
ヴィルシーナなども例にしやすい。
極端に上がりのかかる馬場でもこういう馬は脚が大きく崩れたりしない。
他に
デニムアンドルビーなんかは
牝馬限定戦とは言え重馬場でも上がりを使えている。
モチジュン先生は前での粘りこみを推奨していて、
宝塚記念ではそれを半ば実践した形。
通過6-6-4-4で6番上がりの35.9秒。雨渋りがあっては牡馬にパワーでかなわない。
ショウナンマイティなどは32秒台~35秒台までを1番上がりで記録していて、
どんな馬場でも上がりを使える脅威の馬である。このくらいじゃないと直線一気の追い込みは厳しい。
馬場に関係なく上がりを使える馬が勝ちきれる展開にはならないだろうが
番手に関係なく上がりを使える馬が勝ち負け出来る展開にはなる。
前者はいつでも強い競馬を見せてくるが勝ち切れない。
後者は外枠の不利などで先行策に踏み切れない馬であることが多い上にほとんどの展開で勝ち切れない。
しかし展開が向けば予想以上に強い競馬で前残りをしてくるのだ。
例に出せば・・・
オーシャンブルーや
ダイワファルコン、
ゴールドシップ。
※補足説明~ディープ好走について
ダノンバラードと
ヴィルシーナは同牝系だったりする。
名繁殖バラッドとHaloの仔は
グロリアスソング、
デヴィルズバッグ、エンジェリックソングが出ている。
デヴィルズバッグは未だ色褪せない名スプリンター、
タイキシャトルの父であります。
グロリアスソングは
Rahy(父
Blushing Groom)、
グランドオペラ(父
Nijinsky)、
Singspiel(父
in the wings)などを輩出。
グランドオペラは
メイセイオペラの親父で、
シングスピールは
ジャパンカップの勝ち馬。
種牡馬としては・・・
最近ではレディオブオペラ、
ローエングリン、あるいはアドマイヤタイシなど。母父としても
コスモネモシンや
ローブティサージュを。
Rahyも日本じゃさほど目立った成績はないが英国だかでリーディングとっているはず。
この
Rahyの全妹にMorn of Songがあって、コレにヌレイエフが入ってハルーワソング。
このハルーワソングに
マキャベリアンがつけられてハルーワソングスウィート。これが
ヴィルシーナの母。
ハルーワソングそのものは
マーティンボロの母であります。
つまりマーティンとヴィルシは4分の3が同血で、
「
マーティンボロが宝塚とはいい目の付け所だ!楽しみだぜ!」からの空振りを食らった俺の悲しみを理解してもらいたい。
ヴィルシーナが3着まで来たのだからさぁ。牡馬のマーティンならもっと上が・・・。
そんで、エンジェリックソング。これは上の通り
グロリアスソング、
デヴィルズバッグの全妹。
それに
Unbridledがつけられて産まれたのが
レディバラード。コレが
ダノンバラードの母です。
母父が
ミスプロ系、父が
ディープインパクト、同牝系。
ギリギリバカに出来ない程度の共通点が
ヴィルシーナと
ダノンバラードにはあります。
おおよそ16分の11くらいは同血なのでね。
全体的にスピードに秀でた産駒が出ていないわけです。
日本競馬の結晶である
ディープインパクトをつけてもスピード競馬に対応できない。
持ち味はパワーと持続力。
マーティンボロの中京まくりや
ヴィルシーナの東京持続、
ダノンバラードの渋馬場粘りに見られる特性です。
つまり
ディープインパクトの特性云々ではないのですよね。
ディープによって日本気味にカスタマイズされた、という風が似合うと思う。
「バラッドの血族がやらかした」と考えたほうがこのディープ好走劇は納得がしやすく、
決してディープらしさが好結果をもたらした、ということではない。
[fin]