砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

イモータル雑感

ドイツの馬ってとにかくバテない。けれど藤岡佑介騎手がコラムで仰っていたように動物学的な観点から馬がスパート出来る距離というのは決まっていて、無呼吸状態で走ることができるのは最長で3Fまで。この時は筋肉の酸素を使って走っている。

けれど強い馬はとにかく心肺能力に優れているものだ。本格的なスパートがかかる直前まで有酸素運動で馬は走っているわけで、藤岡佑介騎手が「ゴールドシップ以外はほとんど無理」という言葉は少し語弊があると思う。ゴールドシップとて無呼吸で何回もスパートをかけられるはずがなく、それが可能であれば彼の筋肉の酸素貯蔵能力は動物の域を超えてしまっているだろう。そもそもサラブレッドの筋肉は長い年月をかけた進化によってほぼ同一のものなのである。速筋遅筋の割合も距離適性に関わらずほとんど同じ。

それじゃなんでゴールドシップはロングスパートをかけられるのかと言えば、それは身体の動かし方が優れているからに他ならず、高い速度域においても有酸素運動で動ける機能を持つからだ。優れた血統というのは優れた姿、機能を伝えるのだ。あの白い獣は11秒8くらいのラップでも息を入れて走っているはず。

なので優れた相馬眼を持つ人は美しい馬を見る目があるとも言える。姿形が優れている馬は大抵強い。でもサンデーサイレンスみたいな奴もいるので一概には言えない。難しいところ。

というわけでドイツの馬もゴールドシップと同じように限りなく高い速度域で有酸素運動を介するだけの機能美を持つはずだ。そういった血統でなければドイツの馬産家の目には止まらないはずであるから、たとえ母母がアメリカ産馬であってもショアー母ちゃんはドイツ血統馬なのである。

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