砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

モンドインテロについて 札幌日経OP予想

ディープインパクトブライアンズタイムの配合馬にしてPacfic Princess直牝系馬。父✕母父に関してはディーマジェスティを、ディープ✕Pacfic Princessはラストインパクトキズナを髣髴とさせる。

Roberto✕Mr. ProspectorであるからNashuaクロスが発生している。これらの血統はサンデーサイレンスに対してプラスにしか働かないものだから、多くあるに越したことはない。だが、単純なクロスよりもNashua≒Nantallahのニアリークロスを入れる方が格好良い。

ディープインパクト✕Robertoという観点においてはニックスとは言えない。なぜならRobertoの作用はサンデーサイレンスへ流れこむものであり、サンデー直仔の種牡馬を相手取ればこの作用は必ず働く。ただし、Robertoの悪い癖が作用するしないの差はある。大抵の場合において、Haloに対してRobertoはいたずらをする。

このRobertoがブライアンズタイムを経由することによって小さな意味を持つ。ブライアンズタイムの二代母Golden Trailについてだが、これはRoman直系の名牝である。そしてRibot直系のGraustark=His Majestyを相手取ってKelley's DayとOutward Sunshineを産み、それがブライアンズタイムとサンシャインフォーエヴァーの母となった。8分の7同血の親族にはDyna Formerがある。

ここで重要だと考えるのは、Ribotに対してニックスをとったRoman直系繁殖であるということだ。それはつまり、Tom RolfeというRibot系最大派閥の種牡馬を排出した名牝Pocahontasと表現するものは似ているのではないか。

よってディープインパクトブライアンズタイムは、Ribotを活かした名繁殖クロスのPocahontas✕Golden Trail5*4を持つことが大きい。それがディープインパクトの持つHalo≒Sir Ivor2*4に対する方策として大きく作用する。

上にHaloはRobertoにいたずらをすると書いた。いたずらをされるとG1級の芝馬とはなりづらいので、そういう時はHaloをニアリークロスするわけだね。例えばスクリーンヒーローの母ランニングヒロインはHalo≒Red God2*4だ。ディープの場合は上のクロスがあるのでオッケー。

だからディープ✕Robertoは逆ニックスではない。ただし、ディープインパクトの良さであるHalo≒Sir Ivorを邪魔する仕組みとも言えるのだからマイナス要素ではある。だがディープらしからぬディープ産駒を作るための第一歩として有用であり、それをどう処理するかによって全ては変わる。ディーマジェスティという皐月賞馬を輩出することも出来た。

ディープ嵐猫もEight Thirtyに対するニアリークロスがなければG1馬には出なかった。そういった仕組みがディープインパクト✕Robertoにも必要であり、ブライアンズタイムを経由することってのはその仕組みにおける最初の一歩だろう。

この配合形の肝は「Hail to Reason✕La France✕ハイインロー✕Roman✕Tracery」な仕組みのブライアンズタイムディープインパクトに照らし合わせることにある。

これはどういったことが期待できるかは上に書いたが、説明しきれていない。箇条書きにする。

Princequilloがナスキロの手から離れる。

Sir Ivorの靭やかさが薄れてスタミナ化が見込める。

Hail to Reasonのスタミナが表現されやすい。

Seattle Slew(検証材料なし)やSadler's Wells(ディーマジェスティ)の許容が可能。

3 La France血統の回転力を表現するハコが出来る。

→Specialを取り込んでアルゼンチン血統やナスペリオンとの組み合わせを実現。(未検証)

4 Eight Thirtyという嵐猫ニックスで実証済みの血統を取り込みやすい。

→その父PliteはCosmic Bombと同牝系。Pharamondとの兼ね合いが良化。(ディーマジェスティ

2番に関しては未検証なところが大きい。エピファネイアの中長距離的スタミナはRoberto✕Seattle Slew✕Sadler's Wells✕サンデーを繋ぐHail to Reasonの影響が大きいはずで、それを考えれば菊花賞ディープインパクト産駒が勝つには、このHtRの繋ぎを利用するしかないのではないか・・・そんな仮定を考えた。それが2番目の話。

それに関連して1番の話だが、これもまぁSeattle SlewとかSecretariatなんかの変態血統が関わらなきゃ大事にはならない。エルコンドルパサーがインスタントな大事パターンであるが、これはマリアライトやアンビシャスといった例があるので困りはしない。

またA.P. Indyなんかは小事の代表例と言えて、これを処理した上で重賞級の馬を輩出するのは難儀である。普通にナスキロやボルキロが関わっても普通の配合形であるし、これもやはり小事。

3番4番はディープ嵐猫配合と同じこと。Secretariat+Menow+Eight Thirty(ニアリー)クロスでHaloの靭やかさを表現し、Flaresによってサンデーサイレンスの良質な俊敏さを補完する。外回り向きのストレッチランナーを輩出する配合形である。ただ3番の矢印より先のことは謎のまま。

Robertoという面倒な血統が入っている割には・・・ほとんどディープの黄金配合とやることが変わらない。そしてディーマジェスティの配合は基本理論としても理にかなっている。だから否定する材料がない。

モンドインテロには否定すべき材料がある。母が非NDであることだ。ブライアンズタイムもPacfic PrincessもNorthern Dancerを欲する血統である。そうでなきゃ繁栄することもないだろう。ごく自然な話である。

そしてディープインパクトNorthern Dancerが好きである。母が非NDのG1勝ち産駒なんていないでしょ。みんなNorthern Dancerをクロスして勝ち負けしている。

Pacific Princess牝系としても、母父ブライアンズタイムとしても、ディープインパクト産駒としても、あるいはサンデーサイレンスの直孫としても、こんなの認められないよな。画竜点睛を欠くってやつだ。

これが例えばMr. ProspectorSeattle Slewを基幹とした配合であるなら非NDであることは責めづらい。ダコールの例もあるからな。それでもTapitの様にNDを取り込む可能性は高いだろうな。

シルクユニバーサルとしてはそこまで悪い配合ではないのだが、サンデーサイレンスの血を迎えるには準備不足かと思う。不足するからこそキングカメハメハがすっぽりハマるわけだが、牡馬では話になりやしない。またキンカメ✕ディープが成功するかはまだ分からない。逆さまならデニムアンドルビーがあるのだが・・・

ディープ✕BT、ディープ✕Fappiano、ディープ✕Pacfic Princess。と個別に見る限りでは重賞級に出ても良さそうである。ディープ✕BT✕Pacific Princessでも重賞級に出そうなものである。しかし実際にはひと味たりなさそうなのが面白い。

Fappianoが・・・例えばジェイドロバリーなら話が違ったかな。それなら2000m重賞で勝ち負けになる馬に出たかも。あともう一代経てUnbridledでも面白いかな。どうもRobertoとMr. Prospectorの関係が近すぎるし、その仲介役が不在なのも格好悪い。

最も簡単なのは、父をかえることだろう。15年のスマートファルコン種なんてのは嫌いじゃない。ダートのサンデー直系馬としてやれることをやりまくった配合だし、ちょっと緩和気味になるのは悪くないんじゃないか。

スマファル産駒はほぼ間違いなくダートの逃げ馬、あるいは追い込み馬になるからな。母方から先行力か持続力を引き出さないことには勝負にならないだろう。Nashuaクロスを基礎として短距離を走る配合だから・・・多分スピードの補完には成功すると思う。

もしそのスピードがモンドインテロに表現されているなら札幌2600mには不適切と断言できるのだけれども。全くその様子もなく長距離に向きそうな体つきをしているものなぁ。

おそらく母ちゃん自体は軽やかに鋭く走る短距離馬だったのだろう。それがディープで靭やかになってしまったものだからね、綺麗に裏返って中長距離馬に出てしまったわけだな。実に札幌をを走るにふさわしい軽やかな動きをする。

だがブライアンズタイムとPacfic Princessなら・・・もっとゴリゴリ動かなきゃならんね。もっとしぶとくパワフルに動いてなんぼであるし、若さを感じる今の走りは本領ではなさそう。外回りで勝負になっている内はまだまださ。

内回りをゴリゴリっとまくった時にこそ重賞へ挑戦する資格がある。だが札幌の軽いスピードや緩やかなコーナーを考えると・・・妙に合いそうな感じもするんだよな。

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