砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

凱旋門賞出走予定馬の血統を見る Postponed編

PostponedDubawi黄金配合ガン無視のRibotスタミナ馬 [netkeiba]  昨年夏のKGⅥ&QESからドゥラメンテ破りのDSCを含め6連勝中。その間にG1を4つ制してまさに順風満帆の5歳馬。父Dubawiは僅かな世代を残して早世したDubai Millenniumの産駒で、その母ZomaradahはIn the Wingsなどを出すSurbitternの牝系。Shirley Heightsを組み込んだのは好形といえて、またDeployの母がコマンダーインチーフの母でもあるため、ダンシングブレーヴを組み込むのはハマりやすい形。コマンダーインチーフ✕ハイホーク(In the Wingsの母)という配合と限りなく近い。  Dubawiの急所はBold ReasonNever Bend。またMr. Prospector✕RobertoだからSpecialを噛ませるのも常道であり、つまりはSadler's Wellsを組み込んでなんぼという配合形。Sweet Alliance≒DroneでSir GaylordTom Foolを累進していて、更にミスプロバックパサ直系馬であるから靭やか俊敏の上等すぎる血統である。  ただ母父Dubai Destinaitionの作用が意味不明である。Kingmamboの配合において母父にAllegedをおいておくなんてことはありえない話で、この配合の主導は明らかにRibotクロスが握っている。Kingmambo直仔というよりRibotクロスの重厚血統とみなすべきで、これが母父に入ることは「流行血統に対するスイッチを備えた4分の1異系」があると同義である。  「4分の1非Nashua≒Nantallah」を作るか「4分の1非ND」を作るか、全体の配合を思えばそのあたりが妥当である。Postponedの良いところは母Ever RiggがRibotの配合に徹しているところで、Prince Johnをこの段階でクロスをしているのは面白い。もうちょっとソロっとね、6代以降でやるべきことをやってしまう。これによって「4分の3Sequence≒Not Afraid、4分の1非Sequence≒Not Afraid」かつ「4分の3Princequillo、4分の1非Princequillo」という配合となる。  この4分の1と4分の3が入り乱れているのが欧州の一流馬に共通することで、パズルの様に華麗に組み込まれてこそG1を複数勝ちするに相応しい。書くのが面倒になるくらいにね。うん。ナスフリートもそうでしょ、ナスキロもそうでしょ、Nashua≒Nantallahもそうでしょ、Northern Dancerもそうでしょ、Swaps・ハイハット・Flowerbowl(ハイインロー)でしょ、War Admiralもそうでしょ、Turn-toもそうだね、Djebelもそうだね・・・よくもまぁクロスをミスプロ4✕4とND5✕5だけに留めてみせたな。俺の大好きSolarioが働く土壌もある。  KGⅥ&QESを2番手から押し切ったのは実に素晴らしいこと。Ribotの様なゆったりとした体形をしていて、当然の様に前駆の可動域が狭い。けれど身体が俊敏に動くのがDubawiなところで、一旦は差されてしまっても同じフォームでてんてこてんてこと走るRibot的ハイインローが表現されている。タップダンスシチーの上位互換みたいな馬なのでスローにでもならない限り崩れはしないはず。ここは当然の様に勝ち負けだろう。 [fin]