砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

凱旋門賞出走予定馬の血統を見る Highland Reel編

Highland Reel~大技なしの名配合馬 [netkeiba]

 GalileoDanehillのベッタベタな配合。サドラーの孫というだけでも十全なスタミナを得るし、またAllegrettaという強烈なドイツスタミナも通るので実に重い。しかしDanehillも負けじと世界的種牡馬としてスピードを補完するし、そりゃFrankelというおかしな馬も出てこようものだ。

 全弟にはIdahoがあって、これはつい先日にイギリスセントレジャーで落馬の失格という憂き目にあった本命馬。つまり配合のバックボーンはかなりしっかりしたものであり、母Hvegerが名繁殖である可能性が大きい。こんなアメリカにまみれた配合でドイツ8分の1が花開く仕組みもなかろうに、不思議と中長距離で安定した兄弟が産まれている。

 2代母がNasrullah≒Pherozshahしか引かない異系のオーストラリアンで、4分の1オーストラリア、4分の1アメリカ、4分の1フランス、4分の1ニュージー、という例によって厄介なオーストラリアン。これだからオーストラリアンは。しかもフランス血統のZamazaanも4分の3英愛だしなっ!そりゃTulyar引いてりゃそうなるよ。当然の様にオーストラリアもニュージーも英愛なので、つまりは「4分の3英愛、4分の1米」の典型的な配合。

 4分の1米を担当するHeart of Marketは「あの・・・ご親戚にDancing Braveって人(馬)いませんか?」と聞きたくなるBeau Max持ち。俺初めてBeau MaxとBetter Selfが兄弟だと知ったよ。父To Marketはアパパネマツリダゴッホの血統表でお馴染みのLa France血統。

 4分の3英愛はBlandford直系とかHyperion直系とか「一体どこで育ったんだ」と思わんばかりの化石が揃う。その経由がまた実に素晴らしいものだから困るんだよね。よくもまぁTulyarという名血統を持ってきたものだ。

 Star KingdomはAlibhaiとニアリーの関係にあるし、Bee MacクロスはWar Admiral込みだからBuckpasserとも脈絡する。デインヒルを迎え入れるには良好な状態と言えるし、そのデインヒルとニックスのGalileoが入る分には過不足なし。ニックスの邪魔をしない格好良い4分の1異系である。

 ただパンチの利いた配合とは言えない・・・なんてことを今年のKGⅥ&QES勝ち馬に言っていいものかは。2代母Circles of GoldがG1馬であり、またコーフィールドCを2着した名牝である。また兄弟に立派なG1級の馬があるのだし、これで説得力がないとか寝ぼけたことは言えやしない。

 GalileoDanehillは「Mr. ProspectorDanzig+Buckpasserのスピード」と「Sadler's Wells✕Allegretta✕His Majestyのスタミナ」が高度に融合する化け物配合。つまりお互いの良い所が出るわけだから純粋なる欧州配合。登るの大好き、ゴリゴリ大好き、あんまり瞬発したくない。

 ただ2代母が中距離馬(おそらく千八)で母父Danehillマイラーだから「父のスタミナを母(母父)のスピードで」の中距離馬だろう。もともと人気通りに走るタイプで多くの人により理解されている馬だと思われる。大技ではなくて小技の利いたタイプと言えて、ムーアが絶妙のタイミングでリードを取ったことによって勝ち切ったKGⅥ&QESだったのではないか。また振るわない成績なのに1番人気に押されてるしねぇ・・・。相手関係が。

 なぜマカヒキよりオッズを下につけられているのか分からないな。これを交わせるだけのものをあいつは持ってるのかな?

[追記]

J-BISに血統表がないので父と母を組み合わせた架空血統表をリンクした。なんで母ちゃんも父ちゃんもいるのにHighland Reelはいないんだろう。日本に関係のない血統があるだけでも御の字なんだけれどもね。

[fin]