砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

桜の夢は留まらず JC回顧

最も手応えを楽に先手を取ったキタサンブラックが淀みなくも楽なペースに落として展開を作った。

3角前では不自然な形でリードが広がった。武豊の仕掛けなのか追走側のミスなのか、ラップが出なければ分からないがあれが全てであったと思う。上がりは速くなかったがあそこで少し時計を速める展開はマイルCS2016や金鯱賞2014、ジャパンカップ2014と同じ類の運びだろう。後続はキタサンブラックを追いかけるために4F~5Fのスパートをかける羽目になったのでは・・・という推測。

勝ち馬はここから有馬記念へ進むのだろうし、そこでも本命視されることだろう。そしてまたそれだけの実力があるし、馬券になることにも間違いがない。年度代表馬の座は確実だ。おめでとうキタサンブラック。お前を愛するがためにお前で儲けたことがない。

キタサンブラックの「ブラックタイドディープインパクト)×サクラユタカオーLyphardクロス」は俺が初めて夢想に努めた配合で、「Solario祭りとLyphardクロスは噛み合うのではないか」という観点から始まった。夢であるために配合に対して真摯な態度を取れず、心から信じることもなく、ただただ続く好走の旅をライバル馬の馬券を握りしめて追いかけた俺の2年間は、実に充実していた。

有馬記念でもキタサンブラックを超える馬を求めて予想に励むことだろう。これがライフワークだから。夢とはもろく崩れるものだから・・・。夢の存在が現実にあってはならないのだから。

ただレースレベルは低かった。ヒットザターゲットを本命にするレベルだ。

サウンズオブアースは残り1Fでグイグイ伸びてきたが・・・これはちょっと謎の現象。昨年と同じくらいしか走っていないはずであり、それだけナスキロ柔く持続的に脚を使える馬がいなかったのだろう。

ゴールドアクターは外回りの切れが薄いのに仕掛けが早すぎる。G1で本命クラスに乗った経験が少ないから仕方がないのだけれども、吉田隼人ジャパンカップでの乗り役としては役者不足だったな。だけどいかなトップジョッキーとてこういった経験の中で育っていくのだ。

シュヴァルグランは・・・あんな位置から差す脚があるのだねぇ。ハーツクライであり、またHaloクロスの権化であるから前で受けた方が味がある。それでもあんだけ差してくるのだから枠が良かったらこれが勝ち馬だったかもしれないな。いや、これの枠がよかったら勝ち馬がああいった逃げを打つこともなかったか。

今回のレースレベルの低さは東京タイプの競合馬が外に入ってしまったことに端を発している。内枠には小回りタイプが入っていて、これがポンッと出てスッと控えられたらよっぽどの達者が鞍上でなければ外から先行するのは難しい。

ライアン・ムーアばかりがそれをやったわけだが、リアルスティールは小回りタイプ。シュヴァルグランもやろうと思えばやれたと思うが、ハーツクライでそれをやるとガチャガチャしがちであり、スムーズにそれをやる技術があるなら福永は世界的な先行巧者と言わざるをえないな。スミヨンでも出来るかどうか。

それだけ武豊の逃げ方は神がかっていたし、この内容を見てしまうと乗り替わりは大正解だと言わざるをえない。北村宏司の騎乗にはなんのミスもなかったし、酷な判断だったと思うがねぇ。

東西でなかなか世代交代が進まない時代ではあるが、その中でも川田や浜中、戸崎といったジョッキーが現れているのも事実である。しかし医療や筋肉トレーニングの発展によって人間側も強化されていて、また馬も馴致や調教の発展によって急な故障や極端な気性難、おかしな癖も減っている。競馬も昔よりは危険が減っていて、また人間も怪我をしづらく、したとしても復帰しやすい環境になっているということだ。若手が育ちづらくはあるが経験豊富なジョッキーの「マジック」を見ることも増えているはず。これはこれで良いことだ。

もしこのまま上昇カーブを描いていけば武豊や横ノリ、エビショーが総白髪でG1を勝つ世界が待っているわけである。現在の水準で頭打ちの感もあるが・・・もしかしたら全身サイボーグのメカ武豊が誕生する世界もあるのではないかと。

まぁ、脳死するまで乗り続けるサイボーグジョッキーなんて見たくないけどね。こっちが先に死ぬわ。

来週は金鯱賞とチャンピオンズC。ダートは手を出さないのでなし、金鯱賞デニムアンドルビーリアファル、プロモントーリオと判断の難しい長期休養馬が多いため予想はなし。1週間まるまる空くので有馬記念に使えそうなネタを考えることにする。

ブログの更新は止まるかなぁ・・・と。

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