砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

最も過酷なG3スプリント

函館SSコパノリチャードロードカナロアストレイトガールなどを屠ってきた平坦スプリントである。函館の芝が重いのは事実。だがイメージほどに重くて、遅くて、しんどい馬場ではない。厳しいのは函館のコースレイアウトなのだ。

函館二千ほど非日本的なコースもなく、また函館千二ほどグラパゴスなスプリント戦もない。

函館二千は緩やかに正面を下っていき、緩やかに登り、残り400mを下りながらスパートをかける過酷な条件。高低差4m弱というのは日本で一番の数字であり、それに洋芝の重さが加わって函館という特性が生じている。持続戦なのに先行有利というアスコットの様なコースである。

これを差そうとするならば登坂混じりの小回りをまくる手しかなく、これはトニービンの領域でもあるし、ゴールドシップの領域でもある。疲弊しない持続脚をベストのタイミングで繰り出す必要があるわけで、騎手の比重も重いのにスペシャリストが少ないという難しい話。

スプリントの電撃戦においては決め打ちのまくりが決まりやすいレースであり、展開なりに~というやり方では詰まったり脚が止まったりでG1馬でさえ2着止まりや掲示板の外に追い込まれる。母父トニービンコパノリチャードがハイペースに巻き込まれて14着に散ったり、ストレイトガールがどん詰まりでまともに追われることなく入線したり。

また昨年は7秒台の決着となって3歳馬のワンツーで決まった。馬場が速くなると一転してパワーや持続脚の重要度が低くなる厄介さも持つ。

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