キタサンブラックは8分の1Haloにおいて三冠馬クラスの好配合好表現馬であるが、ドンピシャにハマる舞台がなかなか見られないのが玉に瑕。春の天皇賞にそれを見るのもありだが、ベスト・オブ・ベストは京都大賞典ではないかと。
ブラックタイドより産まれた「サンデーサイレンス×ウインドインハーヘア」の正統後継とも言える名馬であるから生半可な配合馬で抗うことは出来ない。高能力でありつつ適性で圧倒的に上回る馬でなければ。
ゴールドアクターは昨年の有馬でキタサンブラックに先着を許したが一昨年の有馬では堂々と勝ちきっている。あの頃と馬の出来が違うと言えばそれまでだが、小回りでのスロー戦では見直すべきかと。
ただ高速馬場における適性はやや見劣りするタイプで、父スクリーンヒーローはスタミナも瞬発力も一流だが速い競馬は不得手である。馬場が渋って面白くなった馬だが持続戦では見劣りするだけに。
キタサンブラックは速い馬場ならスロー希望(相対的な)であるが、渋った馬場ならやや厳しい持続戦へ持ち込むはず。2200m(パンパン良)のハイペースを刻む脚はないが2200m(稍重~回復良)のハイペースを刻む脚は持っている。
なのでゴールドアクターがドンピシャでハマるイメージは持ちづらい。ベスト条件であるしキタサンブラックを打ち倒すならここだと思うが、やはりスローの2400m~2500mで本領発揮か。
ミッキークイーンは道悪も得意だが牝馬マイルをこなす速さも一つの特徴。オルフェーヴルを真っ向勝負で打ち倒したのはトレヴとジェンティルドンナだけで、日本競馬においてはジェンティルドンナ唯一頭。Blue Larkspur絡みの名血を伴って打倒し得た。
ディープインパクト牝馬はBurghclereを伝えられる傾向が強いが、これは娘が父に似て、父は母に似ているという人間にも当てはまる遺伝のせいか。その為にHyperion的な粘りが自然に伝わり、同時に小柄も遺伝する。それに抗うためにHalo的な大柄の理屈を増幅する必要があって、ディープ牝馬はとにかくBlue Larkspur祭り開催ナウ。
ただ靭やか系で成長力に富む馬は祭りを開催しない。スマートレイアーやショウナンパンドラがそれに該当していて、これらは爆発的に成長するThe Hyperionな馬である。
ミッキークイーンは分かりやすくBlue Larkspurであるが、他のディープと一線を画するIcecapadeの存在が大きい。これが更にProcidaによって増幅されているのも秀逸で、Blue Larkspurの力っぽさを緩和するBull Dog=Sir Gallahadが機能している。
この機能をディープ産駒において利用しているのはディーマジェスティくらいであり、牝馬である分だけ斬れるミッキークイーンなら阪神二千より阪神二千二の方がハマる。小柄であったのはBurchclereの影響というよりもミュージカルウェイの機能から受け継がれたものであり、その点ではヴィブロスと似たケース。
小さいためにまくれないのだが、小さくてストライドが伸びる上級馬であるからこそ四肢の筋肉がマッチョに優れている。今の阪神内回りで買って美味しいのはこういう牝馬だろう。
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