いよいよ秋のG1が始まるわけだが・・・まぁ、なんとも面白くないメンツがそろったものだ。G1なのかな?これは。
世代交代の渦が巻き起こり、その中で争われるのが古馬G1だ。ラブカンプー以外はみんな5歳以上であり、これはいくらなんでもどうなのかなぁ。
狙い所は「5歳に、6歳になったからこそ」という晩成型のスプリンターだろう。アレスバローズなんかは母父らしい晩成によって重賞2連勝中の6歳馬で、なかなか侮れないところ。
ただ中山1200mでしっかりと負荷が掛かったら・・・5歳にして「Hyperion・Son-in-Law・Aloe・Pretty Polly」的に本格化したセイウンコウセイも強い。雨で渋れば好走するだろう。
昨今のスプリンターズSの傾向を言えば、東京千四タイプだろう。ジリっぽくも鋭い足を使って京王杯SCなんかを差し切った馬を、ここで評価したいよね。
今回で言えばムーンクエイク・・・。この配合は好きなのだけれども、Kris=Diesisって「Nasrullah×Hyperion」の血とも言えるのよね。「4分の4Nasrullah×Hyperion」という配合で、そのために・・・こうHail to Reason×Nijinsky×Mr. Prospector的な硬さがある。ダート的というかスタミナ的というか。芝砂の両面で活躍できそうなところがあるのだわ。
実際にダートを走るならBold Rulerだとかの血が必要で、例えば母父がPulpitだったらフェブラリーSがベストだったかも知れない。
好きな配合ではあっても、「大変良く出来ました」という好きで、しびれるほどの素晴らしさを覚えるわけじゃない。
難しいよねぇ。ファインニードルは馬群嫌いがあるもんで、圧倒しなきゃ勝負にならない。セントウルSは本当に素晴らしい内容だったけれども、中山1200mって格が違うだけじゃ圧倒しきれない舞台だ。桁の違うメンツでもないのでね。
良馬場でみんなドタバタするようなハイペースになったら間違いなくファインニードルが勝つ。けれど今のスプリンターズSは駆け引きと適性の舞台なのだよねぇ。
ビッグアーサーやロケットマンは押し込まれたら伸びきれなかったけれど、レッドファルクスやストレイトガールは押し込まれた位置から捌くことが出来た。前者はむしろ・・・1200mの馬として完成されすぎていたわけだ。余力をどれだけあっても、サンデーの千四馬ほどの切れ味を持たない。
そういうことになるとファインニードルは惨敗してしまう。包まれたMill Reef×Vaguely Nobleなんて二束三文よ。
川田将雅は基本的に「包まれない男」だが、枠と展開がそれを許すかどうかが、まず一つの見どころだ。どちらかと言えば「包みたがる男」なわけでね。
川田以上の男は池添謙一だ。ロケットマンを前から包んだ戦術は有名であるが、トーセンアルニカでヴィルシーナを包んだりもした。春天のカレンミロティックなども蓋をするような騎乗をしている。
セイウンコウセイを上手にエスコートすれば・・・そりゃ蓋をすることになるわけで。そうなったらファインニードルが前を捉えることはない。外からの強襲か、前の意外な粘りか、の二択となる。
ラブカンプーについて最後、少し、触れる。
これは・・・ヤバイ馬かもしれない。函館SSに出ていたら3馬身くらい突き抜けて勝っていたのではないかな。もしそうであれば、セントウルSでの2着は大きな意味を持つ。
函館SSというのはHyperion的な素質で勝つもんで、そういった風に晩成したセイウンコウセイが勝ち切ったのは頷ける内容。
それを上回るほどの3歳牝馬がいることは、特別不思議なことじゃない。フィリーズレビュー→桜花賞→函館SSのローテを踏んだ馬が2連覇しているくらいに適性がぴったしなのだ。けれど、このたぐいの馬がど平坦できっちり結果を出すことはなかった。
ゲートで後手を踏んでキーンランドCを4着したソルヴェイグがそれっぽくあるが、これがスプリンターズSを3着している。だがこれは・・・後方を牽制しながら上手に捌いた田辺裕信の手腕に依るところもある。
では、古馬同士が牽制しあい、ほとんどノーマークでマイペースの逃げを打てたならば?ソルヴェイグ以上の結果が出ても全く驚けない。
[fin]