砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ダービーほどには面白く無い安田記念の展望

だってねぇ。モーリス一強ムードに変わりはないわけでしょ。コンテントメントって馬の血統に関しては色々と探りを入れようと思っているが、楽しみはそのくらいだろう。

ただ・・・エリモピクシー産駒2頭が揃っているのが不安よな。マイルでは少し距離が短いくせにマイルで逃げたがる。いや、だからこそスローに落として逃げたがるのかな。小牧と川須の二人が安田記念をジャックする可能性は否めない。

そうなると切れ味で差せるレースになるわけで、マイル戦でモーリスを凌ごうというのであればこの選択がベストだろう。その上で追い出しを20mも遅らせるだけで2着も危うくなるが、先行策も取れるタイプであるから包まれる心配はない。

ただ・・・安田記念をドスローに落とすのは不可能に等しい。スプリンターズをドスローに落としこむよりも難易度は高いはずだ。

理由は東京のえげつない3角以降を主戦場とすること。

緩やか下り310m→急坂90m→淀みない下り250m→緩やかな登り200m→平坦180m→急坂140m→平坦260m

ロイヤルアスコットやエプソムダウンズほど過酷とは言わないけれども。それでも日本の競馬では想像しづらいアップダウンを1600mの短い距離で2度も乗り越えなければならない。(と言っても東京は日本一オーソドックスな競馬場)

そして日本の競馬とはアメリカンスピードを軽い芝でより素早く動かすことを肝としている。世界一速い競馬を展開していると言っても過言ではなく、そういった血統で登り下りを繰り返すのは十分過酷であろう。

また日本のゲートはそこそこ速い。一番速いのはアメリカではないかと思うが、アメリカ競馬に詳しいわけではないので多くは語らないでおく。速いゲートからじっくりと下って行き、グンッと登るわけだな。そこでペースを落とせるならばよいが、すぐに淀みなく高低差2mの下りを進む羽目となる。逃げ先行馬はここまでの区間で緩めることが出来ず、「ドスロー」を目指すのであればゲート自体を遅くする必要がある。12.6-11.3-11.3くらいのペースで進めば十分ドスローと言えよう。

だが良馬場で前半3F35秒2を刻むためには・・・談合じみた逃げが必要となるだろう。ていうかこれだけ遅かったらモーリスが逃げるわ。追い込み馬が大体このくらいのペースで進んでるはずだから。

つまり前半ドスローは不可能に等しい。モーリスを逃げさせるのも一つの戦略であろうし、それはそれで面白いのだが・・・いや、そうなったら伝説の安田記念になるだろうな。賞金1億超えの国際G1レースが最強馬の単走調教と化すっていうんだから。

鞍上が下手糞ならありだと思う。ベリーか・・・偽ベリーか・・・。そうか、偽ベリーが乗るんだねぇ。

ちょいとこれはトミー君の乗り方を見なおす必要がありそうね。困るんだよねぇ、強い馬によく分からん騎手を乗せられると。文句なんて言うつもりはないけれど川田でも誰でもいるだろうに。偽ベリーをバイパスにしてオーストラリアのホースマンと繋がりを持ちたいとか、そういう目論見もあるのかもしれないね。もちろん未来の名騎手であるTベリー自身にもコネは欲しいし。この若さで日本へやってくるのはすごいことだ。

ただ身元引受人が島川オーナーであるからねぇ。社台グループの影が見え隠れしているのも事実であり、何度か日本へ短期で呼び出して将来的にはJRAジョッキーへ・・・というシナリオもないわけではないのかも。

アジアを拠点にしてあっちこっち走るのもいいだろうが、安定して稼ごうと考えるなら日本ほど魅力的な国もないだろう。武豊の後継者がいない状況だもの。

武豊が乗れ過ぎて素質馬が全部集まってしまった。そして大舞台で外国人ジョッキーを起用する風習が整ってしまい、「G1で素質馬を勝たせる」って技術を身に付ける機会がジョッキーから失われたしまった現状があるのだね。

武豊からは色んな名馬の臭いがするからねぇ・・・。この名手の引き出しはシャレにならないくらい多い。そしてそれを適切に大舞台で表現してしまうのだから手を付けられない。今のジョッキーはみんな武豊の作る展開に乗せられて勝つことばっかりやっている。

自ら展開を作って勝ってしまうジョッキーってのはいないね。特定の条件ではトサKや吉田豊、ウチパクさん、横ノリなどがやってくれるけれど・・・武豊はG1ならほとんどの条件で展開を古い経験から引き出してくるから厄介なのだわ。

地方騎手の特徴は「武豊に毒されていないこと」にあったんだが・・・今の人達みんな武豊党になってるよね。トサKとウチパクさんの関東勢は汚染を逃れているけれど。

その特徴は外国人ジョッキーも同じだわな。こっちは元々が世界のトップクラスで争っていた人たちであるだけに、訪日当初から武豊と同じレベルで物を見られた。だからその間隙を突くことも当然出来たし、武豊を自分のペースに巻き込むことも出来た。これって武豊にとっても幸せなことだよなぁ。

それをトミー君は持っているのか。これが大きな問題だろう。

日本にいい意味で馴染まずに、綺麗な流れにモーリスを導き、あるべきように勝たせられる手腕を彼は持つのだろうか。安田記念の展開を武豊が作るということは考えづらいがね。今のところディサイファに騎乗予定でしょ?マイルで何か出来る馬でもない。

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