砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2022年桜花賞回顧

石橋脩騎手で前受け、乗り替わって差し切り一閃。よくある出来事ですが川田騎手への乗り替わりでもそうなるのか・・・。

スターズオンアースですか。ドゥラメンテとサザンスターズ、相容れない累代の中でMr. Prospector4×3の共通項が煌めく配合。

この切れ味の理由は、まずスローだったことがありますか。それと、細かいところの脈絡。

難しいんですね。はい。

 

ルーラーシップとドゥラメンテは、エイシンフラッシュ的な、爆発的な末脚でG1を勝つ馬を出せる種牡馬だと思っています。それはガーサント×バロクサイドのシャダイフェザーから脈々と重ねられている部分が理由で、エイシンフラッシュ×トニービンのニックス予想の根幹であるわけです。

脈絡してんのはわかるんですが、それを成立させる形というか、全体像が見えないのが難点です。だからスターズオンアースの勝利はとても嬉しいのです。妄想の域を出なかったエアグルーヴ×Monsunが成功しただなんて。

 

トニービン×Monsun自体が大いなる試みでありましょう。Monsunの血がレアリティ高いので、試行回数が少なくて当然。初となる配合馬はおそらくレッドベリンダで、これが社台ファームの生産馬でした。

初の成功例がノーザンファームによるヴェロックス。金子オーナーはこの年に2頭のジャスタウェイ×Monsunを所有しておりまして、1頭がヴェロックス、もう1頭が社台ファーム生産のプルクラでした。残念ながらプルクラは現時点でも1勝止まり。(市場取引価格9720万円で、5184万円のヴェロックスより高額)

 

社台ファームは11頭のノヴェリスト×トニービンを5年の間に送り出していますが、ノヴェリスト×エアグルーヴに関してはノーザンファームの専売特許です。

この配合馬は2頭しか存在しておらず、いずれもノーザンファーム生産。そして彼女らは4分の4同血の従姉妹です。父ノヴェリストで母サトノユリア=カノーロ、母父ディープインパクト、母母ソニックグルーヴ。

ノヴェリスト×エアグルーヴと言うよりかは、ノヴェリスト×ディープインパクト×ソニックグルーヴの狙い撃ちです。比較対象として正しいかは微妙。なお、2頭とも中央未勝利に終わりました。

 

今年の3歳牝馬戦線においてノーザンファームは不調・・・という話は誰もがしていることですね。

しかしこの桜花賞において、上位7頭の父はすべてノーザンファームで生産されています。8着以下の馬についてはフォラブリューテとラズベリームースを除く9頭が非ノーザンファーム生産の父を持つというのに。(ハービンジャー含む)

間接的にはノーザンファームの圧勝というべきでしょう。レースには負けましたが、勝負には勝ちました。贔屓目をなくせば、面目を保ったという内容ですか。

 

しかし勝ったのが社台ファームってのが嬉しいところで、その配合がやっぱり魅力的で。もうこれはガーサントが勝ったようなレース。やはりガーサントが最強だった。

バロクサイドからドゥラメンテまでの配合は実に掘り甲斐のあるものです。時が経って掘り返せば、また新たな発見がある。鉱山のようなものですね。この鉱脈にスターズオンアースを加えておきましょう。アリーヴォやタイトルホルダーより楽しそうです。

今年のPOGはノーザンファームに下駄はかせないようにしましょう。スターズオンアースが勝ったからとか、ディーンズリスターとアドマイヤラヴィがこけたからとかじゃなくて・・・好きな配合を追った方が後悔がありません。

 

 

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