今年もPOGが始まります。真っ白な戦績の馬を見るのは楽しいのですが、知ったかトーク出来ないの辛いです。すごく、すごく、慎重に言葉を選んで書いたつもり・・・。
POGを通して色々な経験が出来ていて、競馬ファンも血統ファンも虜になるこの魅力にはすごく納得。毎日・・・とは言えませんが、毎週毎週が勉強。その積み重ねの集大成は予想じゃなくてPOGだなぁと。
フォトパドックを見て血統と擦り合わせる日々はこれからも続きます。
- コンドコマンドの2019
- シーヴの2019
- トゥリフォーの2019
- ユキチャンの2019
- オールドタイムワルツの2019
- イルーシヴキャットの2019
- サウンタの2019
- アドマイヤミヤビの2019
- Sweeter Stillの2019
- バディーラの2019
- キトゥンズクイーンの2019
- ラヴズオンリーミーの2019
- スイープトウショウの2019
- ベルカントの2019
- フレンチリヴィエラの2019
- ドラフト結果
コンドコマンドの2019
ノーザンファーム・牡馬・ディープ・国枝栄
コマンドライン | 競走馬データ - netkeiba.com
文句なしの超王道。全兄アルジャンナより胴が伸びて後躯もややほっそり。おおよそ中距離に寄っているとも言えて、無駄のない体つきはTom Fool感あります。
母コンドコマンドは水の浮いたダートを大勝した馬で、ちょっと掻き込み傾向あり。アルジャンナもそういうとこありました。Bold RulerとTom Foolにまみれた配合ですから、Halo的に前脚がヒュッと伸びるイメージはつきづらい。
しかし靭やかなので外回りベターで間違いなく、それは母系由来の欠点でもあり、長所でもあるのかと。阪神内や札幌がベストっぽくて、ディサイファみたいなタイプだと思っています。
シーヴの2019
ノーザンファーム・牡馬・ディープ・高野友和
ショウナンアデイブ | 競走馬データ - netkeiba.com
半姉にケンタッキーオークス馬がある血統で、超ウルトラスーパー高額馬。赤本ではコマンドラインと1ページ目を張っていますが、「同じディープですかい?」と思わせられるデカさにビビります。ムネもケツもデカイ!
そりゃ母父Mineshaftで成功してるんだからワガママボディも当然で、国本オーナーの所有というのも納得。ショウナンカンプやショウナンマイティの系譜というべきでしょう。
母シーヴがNorthern Dancerを引かないという変態っぷりはもちろんのこと、MahmoudすらFappianoからのみしか引きません。皐月賞向きというべきで、アルアイン的なところはありそう。
東スポや共同通信杯を差し切るならば本物と言えそうですが、2000mのオープンや1勝を使う形だと期待はずれかも。スタミナ志向のA.P. Indyというとカレンミロティックとかで、ガチの晩成なんですよね~。
トゥリフォーの2019
ノーザンファーム・牡馬・ドゥラメンテ・堀宣行
レヴァンジル | 競走馬データ - netkeiba.com
母トゥリフォーは仏G3勝ち馬でFrankel直仔。G3勝利時は後ろからの差し切りでDarshaan的。Wild Risk多めなのも関係して壁を作った方がコントロールがしやすいのかもしれません。
他にBuisson Ardent=ヴェンチアも持つあたり、なんとも血統マニア向けな配合です。更にトゥリフォー自身はサドラー×カーリアン+Prince Chavalierなのでフサイチコンコルド的とも言えます。
近親にはZoffanyがあり、彼はFrankelへ猛追をかけ4分の3馬身差まで迫った馬です。内容は後方からの追い込みですから、母系からしてもそういう内容が向いていそう。
好位の名牝エアグルーヴの血が加わってどこまでポジションを上げられるかがポイント。後方で壁を作る内容だと差しきれないレースはありそうですが、そのくらいの表現である方が大物感はあると思います。
ユキチャンの2019
ノーザンファーム・牝馬・ドレフォン・萩原清
ハイアムズビーチ | 競走馬データ - netkeiba.com
新種牡馬ドレフォンで冒険するならこれだと。
母ユキチャンはソダシの4分の3伯母で、ダート中距離で重賞3勝。真っ白なクロフネ産駒で、父親ばりの押し切りで関東オークスを勝っています。
あの投げやりな前脚の伸ばし方は直孫のメイケイエールにも受け継がれており、ユキチャン自身も気性が怪しい馬でした。実直な伸び脚を見せるソダシとはかなり違う表現でして、芝で前受けするならソダシの表現が正しいでしょう。
マシュマロやブチコと異なり、ユキチャンの仔は金子オーナーが所有していません。金銭的な問題なのか、それより先に契約的な問題があるのか、それは分かりません。しかし考えてみると金子オーナーが好む様な表現ではないかも。
かといってシルク好みかと思えばそうでもなかったという話で、靭やかに動くにしても長い距離へシフトすることはなかったんですよね。その結果短距離馬がつけられる流れになって、19年の産駒はドレフォン。
これはこれでなかなか渋いインクロスが奥に入るんですが、目に見えて結果が出そうなものもありません。しかしクロフネの主要血統をほぼインクロスしているのが特徴的で、キンカメサンデー繁殖よりイメージ通りに出るかも。
とりあえずシラユキヒメからもソダシとメイケイエールも出ましたんで、狙ってみても面白いかなぁと思います。
オールドタイムワルツの2019
ノーザンファーム・牡馬・Caravaggio・安田隆行
おもしろニアリーの大作配合。4代母イブニングエアーは3頭のG1ウィナーを孫に持つ好繁殖で、3代母Shadow Songは2頭のG1ウィナーを子に持ちます。その内の1頭が2代母Togetherってんですから、すげぇラインの馬です。(いずれのG1も権威あるやつ)
2代母TogetherはGalileo産駒のくせに英1000ギニーも愛1000ギニーも勝てなくて、キーンランドのクイーンエリザベス2世チャレンジCSでようやっとG1を勝ちました。Galileoらしい重苦しさはなさそうで、流石の北米牝系ですね。
これにMyth≒Rubiano4×4&Relaunch=Moon Glitterが入るCaravaggio×War Frontの配合ですから、配合的な期待は非常に大きい。これらの組み合わせにTogetherがほとんど関わらないのが残念ではありますが・・・。
短距離血統ばっかりの配合で仕上がりは早そう。Galileoの血がどれだけ騒ぐかが焦点で、前受け完成はマスト。
イルーシヴキャットの2019
白老ファーム・牡馬・シルバーステート・萩原清
スカイコップス | 競走馬データ - netkeiba.com
シルバーステートの候補も一応考えまして、父母間Wild RiskインクロスでNiniski≒Miesqueの本馬をチョイス。伯父ステラロッサと半兄イルーシヴパンサーがハーツ産駒で走ったので、嵐猫よりキンカメのが影響が大きそうです。
というか嵐猫が邪魔までありまして、イルーシヴパンサーを指名しなかったのはそこですね。仏愛のインクロスが多いのでハーツではアンバランスです。シルバーステートなら相似配合気味になりますんで、これはこれで一つだと思います。
シルバーステートは逃げて結果を出しましたが、鞍上はこれについてスピード差による結果とコメントしております。逃げなきゃならない気性ではなかったようですね。
そうなるとAlzao≒Storm Catがどうでるのか面白いところで、イルーシヴキャットは自身も仔も先行ですが、レッドキャットの仔は差し傾向。シルバーステート×キンカメのキチッとした粘り強さと、レッドキャットの鋭さが噛み合えば中団から差せそうですね。
基本的にFair Trialがうるさい配合なので、スローの中団から差し込める表現は理想形。近親には仏ダービー勝ちのLope de Vegaもありますし、牝系の枝も悪くありません。
しかし社台枠でやるにはデカいギャンブルですし、シルバーステートの競馬ぶりからすると、もうちょっとスタミナ色の強い母親の方が合う気がします。距離的にはダイワメジャーとかジャスタウェイでしょう。それならスタミナ欲しいっすね。
サウンタの2019
杵臼牧場・牡馬・ドゥラメンテ・尾関知人
レッドアヴァンティ | 競走馬データ - netkeiba.com
シンハリーズの甥っ子で、シンハライトの従弟という血統。母の従弟には4分の3同血のMaysonがあり、これがジュライC勝ち馬です。
持ち込み馬の半兄トゥーパンクスは734万円で取引されて中央1勝。本馬は3400万で東京HRに募集されているので、ある程度の期待がかかるところ。
もっさりRelic感がある馬で、まだまだ発展途上ですね。胴が伸びてくれると良いんですが、この配合にそれを求めるのは難しそう。距離はマイル上限でしょうから、完成度の差が大きなポイントになってしまうでしょうね・・・。
ダービールールのPOGではちょっと稼ぎづらそうです。配合も表現も大好きなので、素質でカバーして欲しい。
アドマイヤミヤビの2019
ノーザンファーム・牝馬・ロードカナロア・友道康夫
アドマイヤラヴィ | 競走馬データ - netkeiba.com
母はオークス3着で、ロードカナロアも大好きな中距離牝馬。つい最近引退したはずなのに、もう娘がデビューするのね。時の流れ・・・!
ロードカナロア×ハーツクライは常識のニックスで、ロードカナロア×中距離牝馬も常識のニックス。これで牧場の評価も高いとか言うことが何にもありません。
ロードカナロア×ハーツクライ×ベルベットサッシュ(=ゴールデンサッシュ)にはケイデンスコールがありまして、おおよそこの3血統は同じ方向を向くことが出来るみたいです。
ディープ×フレンチデピュティ×ゴールデンサッシュでショウナンパンドラが出ているのですから、フレンチデピュティとウインドインハーヘアもロードカナロアと同じ方向を向けるはず。やはり最強・・・?
この配合で5代アウトですから今年の指名には相応しいものです。良き。
Sweeter Stillの2019
外国産・牝馬・Optimizer・藤岡健一
モズゴールドバレル | 競走馬データ - netkeiba.com
英2000ギニー勝ちのKamekoの半妹。
明確な北米種牡馬を配したことにより「北米ドーンッ!」感が演出され、その証拠と言わんばかりの「A.P. Indy直仔による4分の1非Northern Dancer」が格好良い。
格好いいには格好いいんですが、「BMSロック的にどうなの?」って話で、この観点からすると英愛的凝縮は魅力的でしょう。ミッキーアイルにしても父ディープなわけで、Galileoとかともやっぱり相性良いですよね。ミッキーアイル×ハービンジャーもそういう成功の仕方かと。(ロックの遺伝強すぎない?)
しかしKamekoは父がKitten's Joyで、北米血統と成功したわけですよ。こうなれば「柔けりゃオッケー」くらいの感覚で考えても悪くなさそうです。少なくともSweeter Stillに関しては。
その点でOptimizerはMr. Prospector3×3で母父A.P. Indy。北米芝の頂点を獲ったEnglish Channelとの相似配合なので母の素性が気になるところですが、母はかの名繁殖Bliteyの直孫という。(候補じゃなくてガチの名繁殖)
もちろん「こいつトレジャーアイランドだったわ・・・」ってパターンもあります。日本に聞こえてくる種牡馬成績はないわけですから、そっちの方が可能性は高いでしょう。
しかし近親に活躍馬がある繁殖牝馬につけた以上は何かしらの理由があるはずです。仕方なしにつけたにせよ、その候補に残る程度の期待はあるはずなのです。その可能性に賭けたい。
バディーラの2019
千代田牧場・牡馬・ディープ・藤原英昭
アスクヴィヴァユー | 競走馬データ - netkeiba.com
G1勝ちの全兄に比べると馬格がある様子。でっかいサンデー×Unbridled's Songも全然ありな表現で、私はこっちの方が好みです。
母系の累代はピラミマに似ていて、前受けから流れ込んだら止まらないタイプかと。近親のマツリダゴッホに似た表現と思えば、ちょっとPOG的には怪しいかとも思いますね。
関西の厩舎なので京都や阪神、小倉・中京に使いやすいのは好材料。本番には弱さが出ると思いますが、関西で走る分にはきちんと稼いでくれそうです。全兄のイメージで瞬発力勝負になると厳しい。
キトゥンズクイーンの2019
ノースヒルズ・牡馬・ディープ・池江泰寿
トゥデイイズザデイ | 競走馬データ - netkeiba.com
POG的に微妙とは分かっていても、やはり母が中距離のディープは好み。
馬体の分からない私でも「おっ」と思うくらいには格好良いのですが、肉の乏しさを見て二度びっくり。この馬体でPOG書籍にピックアップするのですから、かなり自信はあるんでしょう。
4分の3兄のヴィヴァンはシャフリヤールとクビ差を演じた馬。その後勝ち上がったものの骨折してしまいPOG期間は残念賞でしたが、素質は十分に見せられました。それだけに「3歳春にどんだけ上昇するのか」という大事な部分を見せてくれなかったのが残念。(見せてくれても「ハーツだから・・・」ってなる可能性が大)
しかしこれだけの期待値ともなるとディープとかオルフェとかのレベルになるわけで、彼らは「本格化も何のその」とスーパーな強さでクラシックを勝った馬たちですよね~。
今年も非社台ディープが豊作なようです。
ラヴズオンリーミーの2019
ノーザンファーム・牡馬・ディープ・矢作芳人
ディーンズリスター | 競走馬データ - netkeiba.com
普通に忘れていました僕らのラヴズオンリーミー。
ありきたりに過ぎてロマンが欠如している様な気もしますが、POGにおいて「語ることがない」っていう配合ほど期待出来るものもありませんね。
Northern Dancer5×4・5なんで、父母間アウトを軸に決める今年のPOGではちょいと指名しづらいところがあります。その点ではシーヴの方がいい。
全兄リアルスティールも全姉ラヴズオンリーミーも「4分の3Northern Dancer・4分の1サンデーサイレンス」の靭やかさでG1を勝った馬で、硬さのニュアンスを含みながらも根拠ある靭やかさが魅力の表現でした。
本馬もその類であることは伺えるし、昨年のヨーホーレイクばりの安牌と言えるでしょう。ノーザンのディープもやはり素晴らしい。
スイープトウショウの2019
ノーザンファーム・メス・キタサンブラック・清水久詞
ピエドラデルーナ | 競走馬データ - netkeiba.com
キタサンブラックはピンとこないんですが、こればかりはちょっと。
もしかしたらエンドスウィープ持ちがそういう傾向あるかもしれなくて、本馬は「4分の3Lyphard・4分の1エンドスウィープ」なんですが、Northern Dancer+Fair Trial≒Aroma+Instantanous≒Solarioで、LyphardとDance Spellは少し似た血統なんですね。
インブリードの濃度がちょいと濃い目で今年のコンセプトから外れていて、更に新種牡馬なので・・・。控えに入れる程度ですけれど、何だったら指名したいところ。中長距離×中距離の配合で主たるインクロスがLyphardやテスコボーイですから、まぁ、POG向きではないような。(大体は晩成の血統を連れてくる)
しかしテスコボーイという血もディープ(=ブラックタイド)と相性が良くて、牝系からして相性が良いのですよね。
ベルカントの2019
ノースヒルズ・メス・キズナ・和田正一郎
そういうことでキズナ×テスコボーイも選びたかったところでした。キズナとPrincely Giftは同牝系で、細かいところで実績もないんですがFiji≒テスコボーイみたいな感じあるんですよ。
注目しているので当たりを引いてみたいんですが、アマチュアの血統論は後追いが本領みたいなところがありますんで、前のめりにすぎるとロマンチックに過ぎてしまいますね。成功してから「だから言ったべやー」ってやりたい。
しかし馬自体は配合のイメージ通りに出た感じで、キズナ×短距離はベターな配合なだけに楽しめそうな気もします。
フレンチリヴィエラの2019
グランド牧場・牡馬・ジャスタウェイ・中竹和也
スズカコーズウェイやカデナの半弟でノースヒルズ所有のフレンチリヴィエラという点でも同じ。今年の私はノースヒルズが良く見えるようで、ここからの指名が多いです。(コントレイル効果?)
父がジャスタウェイに変わってパワフルな肉体。しかしコロンとした感じでもなく、そこはSeattle Slew。伸びやかに動くでもなし、スローからしっかり差し込めそうなイメージはジャスタウェイの側面と同じで、スーパーな表現でなくとも、これはこれで一つかと思います。
ドラフト結果
1位 ディーンズリスター
2位 アドマイヤラヴィ
3位 ハイアムズビーチ
4位 レヴァンジル
5位 モズゴールドバレル
6位 レッドアヴァンティ
7位 テンダンス
8位 アスクヴィヴァユー
非社台のディープはトゥデイイズザデイが残っていればそちらで、残っていなければアスクヴィヴァユーという判断。あとは社台の控えにピエドラデルーナ、非社台の控えにエヴェリンと。
それでも控えが必要になったらデヴィルズマーブルでした。
今年は完敗でしたので1位は私からの指名で、社台ディープに控えはなし。
今年は馬体から入った指名です。昨年はPOG書籍の写真を見て「おっ」と思った馬が走りましたので。血統に取りつかれて競馬を続けている私には屈辱的な結果ですが、粛々と受け止めて参ります。
こういうことが出来るのも馬に寄り添ってしっかり育成に挑むホースマンたちがいるおかげで、彼らがプロフェッショナルでなかったら素人目で馬の良し悪しは分からないはずです。
先駆者が間違いのないプロであるということを、後追いのアマチュアはもっと感謝すべきではないか・・・そんなことを思いました。
今年はアウトブリードを重視しています。サンデーの濃いインクロスなどは選んでいません。
なお、文中は敬称略。
[fin]