砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

印象を殴り散らす2 セントライト記念

前回の続き(ジェネラーレウーノ)をオープニングとして。

前傾ペースがベストパターンであるが中山2200mを前傾で踏破するならば大逃げの形。田辺のやり口としても違うし、基本がTom Foolスクリーンヒーロー)なので番手の方がパフォーマンスは上がる。

セントライト記念の習いと思えば後傾ペースを含むスローペース。本馬が番手に控えるならばドスローの可能性を除外すべきだろうが、逆を言えば本馬が出遅れたらドスローの可能性が濃くなるのである。

ゼーゲン

ディープ×Monsunで母系にはSadler's WellsとMill ReefHyperionを軸としたステイヤーに出るのは火を見るより明らか。これは競走成績を見なくとも分かるレベル。

好形の配合を取った白老ファームのディープで堀厩舎。札幌2600mなんて条件はもう大得意で、前走は楽勝必至の条件だった。調教みたいなもの。

いずれ函館記念やら目黒記念やらAR共やらを走る類で、中山ならば確かに2200mで間違いなし。とりあえず後方からまくって同年代とどの程度の差があるか。

本格化するのは2年後くらい。馬券の世話になるとすれば明け6歳の日経新春杯かな。タマを取らなきゃならないくらいにSasuelaからFair Trialがにじみ出るならば、そうね、7歳の春天で印を打てるかも。

タニノフランケル

もはやネタの域にあるウオッカの仔。Frankelとの配合はNorthern Dancerの取り込みにおいて素晴らしさを感じる。

ショウナンカンプダイナカールに見られる様な「Big Game&Hyperion」の機動力なので前受けの機動力は多め。エイシンフラッシュメイショウサムソンにも見られるたぐいのもの。

気性がRoberto的であるから控える競馬だと本領発揮とは。El Prado系であれば「Fairy Bridge≒Roberto」として、スノーフェアリーファウンドの様に好位捌きの牝馬が出そうではある。

小倉はスパート力を示すにちょうどよい舞台で、前走は馬場読みや適性の差による圧勝を見せた。あるいは能力差でもあろうが、両親が両親なので1000万下くらいを圧勝しても驚けない。Northern Dancerの絡みからしても、このくらいは出る配合だ。

今回は中山であるからスパート力に加えて登坂能力も試される。それもまた配合からは特筆すべき部分であるから、わざわざ関東へ遠征したのも頷ける良いレース選び。配合から抜き出せる全ての要素をぶつけられる。

毎年の風物詩とも言うべきウオッカ産駒の失敗であるが、今回は少し見せ所がありそうである。

ダブルフラット

母アガルタはプロレタリアトやマイネルオフィールを輩出したブロードアピールの娘で、先日の震災によって亡くなってしまったミスアンコールの全妹。ノーザンファームから無事を知らせるニュースも競馬ファンへ届いていたが・・・。

本馬は青葉賞を大惨敗。立て直して燕特別を完勝するも、次走の阿賀野川特別は2着。これはユーキャンスマイルが完全に上手だった。

Lawy Society≒ブロードアピールという不思議なニアリークロスの分だけスタミナに秀逸があって、母父キンカメの分だけスパートの弱さがある。2000mベストで、配合のイメージそのままに大阪杯ベスト。ただ、菊花賞という不思議の舞台ばかりはこなすかもしれない。

今回はやや競馬がし辛いが、外枠から好走する器があるならば本番が怖い。もしかすると「母母ブロードアピール」による二冠もあるか。菊花賞馬の器ならばドスローはまず勝ち切り。スパート戦ならば差し切れずの3着が欲しい。

だがツムツムでは掲示板がせいぜいだろう。

トラストケンシン

8戦して2勝。二つの勝ち星は共に東京2400mで、青葉賞は2番手から5着。

ハーツクライにエルコンとテスコボーイBlushing Groomを供給すれば、この様なストレッチランナーが出るだろう。ただ好形の配合ではなく、Mr. Prospector的な軽さが弱みとして表現されている。

前走で同世代での格が示されていて、青葉賞が駄目ならセントライト記念でも駄目だろう。ドスローの番手ならばミュゼエイリアンの様に残るかもしれないが、それでもスロー戦の達者は他にもいる。馬券となる可能性は考えられない。

ブレステイキング

まくりのディープインパクトとしては80点。構成が立派なだけあって成績も立派であり、勝ちっぷりも立派。総募集金額1億2千万は伊達じゃない。

このHaloが捉えられなかったコズミックフォースが強かったというべきだし、プリンシパルSのレベルも高いものである。それでもコズミックのダービー好走は意外というべきで、やはりあのレースは前残りだったのだなぁと。

本馬はやはり千八適性が高そうであり、まくり気性の分だけ腰を据えて構えられない弱点がある。これが好位に構えられるならばコズミックフォースをプリンシパルSで破っている。

中山1800mで見てみたい馬で、ゆったりと構えてガーッと行く2200mの競馬は忙しいかもしれない。小回り1800mって機動力のあるDynamoが構えられる展開になりやすいので。

オープンクラスの配合だとは思うが、こういった前哨戦で必勝パターンを持つ馬でもないだろう。とにかく外枠を得ることが肝要である。

メイショウロセツ

緊張と緩和の観点から優れた配合であるが、個人的にノヴェリスト産駒は母が非Northern Dancerの方が格好良いと思うのでね・・・。

しかしMonsunNative DancerではなくてAlmahmoud過多をぶつけたのは面白い。ドイツ×Danehillを見ての通り、ドイツ血統とNative Dancerはとにかくとにかくズブいので。

ノヴェリスト自身がMonsunNorthern DancerとFlambetteで動かす様なものなので、この配合はかなり正しい。4分の1Monsunとしてシンプルに褒められる配合だろう。

リーチザクラウンのドイツ仕込みって感じのイメージで、前受けからじわじわ頑張るのが良い。中山はイマイチ合わないし、見せ場も作れやしないと思うが、今後もローカルで花を咲かせるのではないか。

レイエスプランドル

ハービンジャー産駒にしては先行達者で粘り強いが、母ちゃんの要素が分かりやすく表現されたBusanda的な、ハーツクライ的な、馬だ。

ダブルフラットの出世を妨げた山吹賞勝ちは素質込みの展開勝ち。レースレベルの低いスロー戦ではあったが、東京ベターの配合であるから、ハマった勝ち方でもない。前受けしてなんぼなので京都新聞杯は度外視。

前走も馬場が渋った福島で図った先行推し切り策が愚策だった。1番人気が沈む様な総崩れの展開であるから、3歳馬にしてはよく粘った。稍重福島2000mの前傾ペースはHyperion古馬のまくりワールドだ。

極端に配合の悪い馬ではないし、山吹賞もフロックではないし、ここで大きく見直すべき。勝ちきっても驚けない。

レイエンダ

前走の内容が破格。函館2000mをこれだけきっちりと勝てる3歳馬は少ない。マイネルミラノの勝った函館記念を2着3着するくらいのパフォーマンスはあるだろう。(本格化したA級配合ステゴを捉えるだけのものは、さすがにない。)

Seattle Slewのスタミナがよく表現された馬で、Buckpasserお化けの兄貴にはあまり似ていない。Roberto的な機動力もオンになっていて、ダートチャンピオンの芝バージョンみたいな表現に出ている。これだけパワーでまくってしまう芝のキンカメ産駒も珍しい。(基本的にキンカメはサンデーでHaloである)

馬群を捌く性質ではないからまくり一辺倒。素質が上なので位置に困ることはないだろうが、1枠1番を引いたときにルメールがどう動くかは見ものである。これだけ抜けた馬ならばJRAも意地悪せずにピンクやオレンジを提供するだろうし、楽しめなさそうかなぁ。

怖いのは早仕掛けから被せられるパターンであるが、トップ素質に乗るルメールに被せるのは至難の業。キタサンブラック武豊を突っつくようなもの。

人気通りの評価で間違いない。これを差す様な馬も見当たらないので。

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