砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

種牡馬レイデオロ展望

とりあえず、現状の不振は血統ファンの多くが想定内とするのではないかと思います。少なくとも想定外ではないでしょう。

「ディープみたいにはならんでしょう」

「どちらかと言えばブラックタイド的であるはず」

「原点はエルコンドルパサー。そこからどう揺れ動くかが問題」

「ヌレサドニアリーで俊敏に動けば儲けものですけれども」

「デビュー前の評判を聞く限り、そういうイメージもないかな?」

「でも、まぁ、繁殖牝馬の質が質だから。勝てるでしょう」

私が思考はこんな感じでしたね。

 

レイデオロ産駒の配合は、大きく分けて3つくらいのパターンですかね。

  1. ヌレサドニアリー
  2. Hail to Reasonアウト
  3. ウインドインハーヘア弄り

 

ヌレサドニアリーは王道オブ王道で、打率の高さを言えばこれが上でしょう。エピカメサンデー的な作りにしておけばハズレはないはず・・・という見込みもあります。

ただ、まぁ、エピカメサンデーも相当に秀逸な母母を持たないと大当たりにはなりません。逆を言えばアズサユミみたいな最高の母母を持つ産駒なら大きくは外しはしないだろう・・・というのがラケダイモーンでありまして。

 

Hail to Reasonアウトは・・・レイデオロの秀逸を紡ぐならこの一手でしょう、という過激な思想。「Haloによる8分の1Blue Larkspur4×4」で輩出されたキタサンブラックを踏襲するのであれば、「シンボリクリスエスによる8分の1Hail to Reason3×6」というレイデオロ産駒も許されるべきでは。

ミナデオロが走れば万事オーケーということでして、この馬は指名馬でないのですが、なかなかどうして悩ませてくれましたよ。ラケダイモーンと天秤にかけるくらいには。

紆余曲折を経てドラフト後にルール改正と相成りまして、ミナデオロの指名馬入りは可能であったわけですが・・・その席にはダノンウィルヘルムが座りました。

 

私も丸くなりまして、時間を度外視するようなアウトブリード原理主義者みたいなことはやめたのです。「時間が許す限り血統表を掘り続ければ、全ての血統は何かしらをアウトブリードしていることが分かるのだ」という一人ぼっちの聖戦はもう終わり。

ただ、まぁ、ダノンウィルヘルムのSeattle Slew6×5は美しいですよ。4分の4Mr. Prospectorとか、Kingmambo3×4とか、それらよりもSeattle Slew6×5です。なかなかどうして、これは美しい。

加えてレイデオロがミスプロ的な柔さを伝える可能性があって、その場合はファイネストシティが一番強いだろうと。ドレカメサンデーとかギベオンとか、ああいうイメージで走ってくれるんじゃないかと。

 

ミスプロ的柔さに対する方策はそれのみに限らず、ウインドインハーヘアへのインブリードも強力な手段に数えられます。

レディブロンドがサクラバクシンオー的にスタミナ化してしまったのが「ミスプロ的柔さ」の正体であります。ですからウインドインハーヘアを起点にサンデーを投入してしまえば「サンデーミスプロバックパサ」の範疇に収まるだろう、という。

イモータルバードの他にマテンロウゴールド(母ルールブリタニア)やマウリノ(母マウレア)といった候補もいましたが、ブラックタイド肌を選びたかったんですよね。ブラックタイドの晩成的気質に逆らった血統を母母に据えたいわけですよ。POG期間に2勝したアスカビレンは条件にピッタリ。

 

まとめとしましては・・・

ラケダイモーンがコケたのはショックですが、そんなものと言えばそんなものでしょう。予想よりもレイデオロ産駒全体がコケてしまいましたが、それ相応の仕事もあるのが競馬というものです。

一軍種牡馬としての風格を漂わせるものがあるのかどうか・・・不安が募りはしますけれども。勝負は始まったばかりで、おおよそは想定内。いずれかの配合パターンがハマるはずです。私のPOGにおいても、生産においても。

全部が全部走れば文句もありませんが、そんなうまい話もありません。しかし、今年のランスエッジは「うまい話」かもしれないという期待がありますね。

ずっと、指名馬のランズエッジ3騎が全て勝ち上がったときのつぶやく文章を考えています。とりあえずレガレイラが快勝したので幸先はよいですね。あとはステレンボッシュとボスコヴェローチェ。

ボスコヴェローチェなんて母母ウインドインハーヘアですからね。レイデオロ産駒は16分の1ウインドインハーヘアでインブリードの対象とすらなっていることを思えば、実に対照的です。

代の遠近に従ってウインドインハーヘアがどのように働くのか・・・血統論においてもなかなか見応えのある年かもしれませんね。

 

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