砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2023年ジャパンカップ予想 下書き

三冠馬が3頭揃った20年を超えるメンツとは言わないにしましても、それに匹敵すると言っていいでしょう。それにフルゲートでアベレージも高い。

歴史的な名馬が・・・まぁ4頭ですかね。それに当代の名脇役というべきディープボンド、最強馬(候補)を3歳の大本番で負かしたドウデュース、昨年の覇者ヴェラアズール、ドウデュースとイクイノックスのダービー3着で今もトップクラスで十全に戦えているダノンベルーガ。これに昨年の二冠牝馬スターズオンアースが加わるのだからとんでもないですね。

この充実具合はG1昇格前年の大阪杯を思い出します。このレベルを保てるならジャパンカップの賞金は1着に10億あっていいんじゃないでしょうか。

 

木村厩舎はSpecialを軸とした馬作りを思わせまして、イクイノックスがその究極系というべきかもしれません。私はイクイノックスはあくまでもLyphardだと思っていたんですが、よくよく考えますと「4分の3Lyphard・4分の1Nureyev」なわけですから。私の論調からすれば彼はNureyevというかSpecialです。

更に言えばSomethingroyalとBusted、AllegedでF2-sをよく引いていますからショウナンマイティ的な部分もあるでしょう。この観点からは前受けは果たしてどうかという考え方はありますが、主軸はSpecialです。Storm Catで前受けは厳しいかもしれませんね。

 

Specialに対して馬券で抗おうという話になりますと、まぁ、位置取りでしょうね。メインがSpecialでサブがF2-sという乱暴な考え方をしますと、居場所は前か後ろしかありません。半端な位置取りは命取りでしょう。

まー、Wild Risk由来のストライドと気性で走りますし、Lyphard的なサンドイッチ嫌いもあります。位置取りは0か1ですよね。

それを踏まえると今回はなかなか嫌な枠をもらっています。東京2400mのフルゲート1枠2番。これで外に人気薄が勢ぞろいと来たもんです。パンサラッサについていけばワンチャン・・・?と思う馬は多いでしょう。

馬場の内でまごつけば落ちてきた壁を捌くのが大変ですし、それは致命的です。イクイノックス(とリバティアイランド)は前に位置を取るなら外枠の人気薄を蹴散らさなくてはなりません。かといって2頭ともPrincely Giftの影響をいくらか受けている馬なので、東京2400mの最内枠から抵抗するのは大きな労力を要するでしょうね。

今回のジャパンカップはベストパフォーマンスを争う世界ではなくて、もっと泥臭い、勝利をもぎ取る握力の争いと言えます。しかも2枠3番にタイトルホルダー。握力で最強馬の格を保持するタイプですね。

 

この最内2頭はいわゆる「好位」に収められないタイプで、その意味では自在性というものがありません。ジェンティルドンナみたいに馬群に収まってからビュッと抜け出す脚があるかと言えば、一切合切を以て「ノー」です。

「もう少し前のポジションが欲しかった」とかのコメントが鞍上から出ることはないでしょう。そんな悠長なことを言える様なタイプの馬じゃないでしょうね。マイペースで動けることが絶対条件なのですから、鞍上のプランで位置取りを1~3馬身単位で変えるという話はないでしょう。前か後ろの二択。

このメンツのジャパンカップを勝ち切るって話ですから、リバティアイランドもイクイノックスも後方という選択はないでしょう。前一択。

この2頭だけの話であったなら「ルメール騎手には6~8番手の外に出す選択肢がある」という説を提唱出来ましたが、タイトルホルダーがすぐ外の2枠3番にいるので無理です。パンサラッサに追従して前受けした外枠勢が、タイトルホルダーの近くに陣取るためですね。イクイノックスがそこそこに出して外に出ていくならば、10番手以降です。そしてそこでさえゴチャつきますから、外の進路を求めるなら後方一択かと。

 

そういうことで、リバティアイランドとイクイノックスは前受け一択。それも、マイペースのギリギリを攻めるガチンコオブガチンコの先行争いです。そんでもって、マイペースの外に出ると脆くなるのがSpecialの弱点でもありますね。無理を通せるタイプじゃないっす。

無理を通すならLyphardのドウデュースが強いんですが、これはもう、基本的なスペックで差があるので同じ競馬をしたらイクイノックス>ドウデュースとならざるを得ません。日本ダービーは馬作りの指向性に差があったために逆転したという。ライバル関係と見ればドウデュースは不甲斐ないかもしれませんが、ダービーで見せたパフォーマンスはイクイノックスを破るのに遜色ないものでしたし・・・。

東京で力関係の逆転はほぼほぼないと思いますが、今回のジャパンカップは枠が鬼なので、ちょっと期待したくなってしまいますね。

 

まだ前の話を続けますと、パンサラッサがバーンっと逃げを確定しても、ペースが上がらなかった場合はタイトルホルダーが苦しくなります。2角からペースを落とされたらすごくつらいでしょうね。タイトルホルダーが辛いということは、前受けしたリバティアイランドとイクイノックスはもっと辛いです。

タイトルホルダーはスタミナ勝負に持っていきたいので、マイペースで展開したい。けれどそれはパンサラッサに近づきすぎない程度にやりたいわけで、それを交わすとかのパターンがあるとラップが乱れてしまいます。

やるならスパートがかかった状態。3角前に交わすとかでもまぁ悪くはありません。2角~向こう正面半ばでは厳しい。パンサラッサには2角でマージンを作るくらいの気持ちで逃げてほしいでしょう。

実際にパンサラッサは向こう正面の半ば前くらいでスッとペースを落ち着かせると思います。スパートは・・・2400m戦ですからL3Fでも不思議はありませんが、2番手3番手4番手がチャンピオンホースなのでL4Fから仕掛けないと4角前に捕まりますね。

 

おおよそアーモンドアイがレコードを記録したときに近い展開だと思います。イクイノックスはマイペースにしっかりと構え、満を持しての追い出しでバビューンと、確信歩き的な、静かな大迫力で勝利を掴みに来るわけですよね。

リバティアイランドはイクイノックスよりよっぽどPrincely Giftで、3歳牝馬ですから緩いですよね。