2014年ver
展開
ハイペースになる場合はローカル的な逃げ馬が必要となる。テンが速い馬だ。
しかし基本はスロー。例年の傾向として土曜雨日曜回復の馬場であるから拍車がかかる。
ヘヴンリーロマンスに代表されるドスロー展開は確たるドスロー逃げ馬によって展開されるわけで、
むしろ逃げ馬不在の方が内枠の貧乏くじ好発先行馬が平均で引っ張るので安心して見られる。
枠
外枠の不利は大きい。もちろん枠の構成に寄る部分もまた大きいが。
基本的に内枠に差し追い込み、内~外に差し先行、外以降には逃げ先行が入る。
外の先行馬は問答無用で消してよく、人気の差し馬が真ん中に入るなら狙いたくなる。
しかし外の逃げ馬を招くような展開だとスローになりがちで、外の先行馬が行きやすい。
春天を勝てる馬が大外に入ったら要注意だと思う。もちろん先行力の裏付けは必要であるが。
今年も含めて内枠の差し馬が好調だが外へ出すために四苦八苦する騎手が目につくので本命は真ん中。
フェノーメノの位置からスピルバーグが弾けられればレース運びはもっと楽だっただろう。
ステップレースとの共通点
中山2200mはまくりが決まりやすい上にテンから速い。
つまり持続戦になりやすくて粘り脚を要求されるレースである。
切れは驚くほど要求されないから結果と直結することは全くない。よってスルーが正解。
だが中山まくらーが東京で先行すると粘れてしまう、というのがVMの常でありまして
同じ手法をここで試してみるのもまた一つだと思う。
高速馬場の決め手勝負になりやすい。
だが京都2400mという条件はステップレースとしてよりも別の使い方をされることが多く、
毎年の様に展開がコロコロと変わってしまうのでレース展開をきちんと見極めておきたい。
一番速い上がりを使って掲示板まで届かせてきた差し馬・・・なんてのを狙うのがベターだろう。
下りのロンスパ戦は切れ=最高速も重要だがそのスピード維持に必要な粘り強さも重要で、
高速の京都2400mをロンスパで差し切れてしまう馬が出て来たら問答無用で買うしかないだろう。
・毎日王冠
舞台は同じ東京。距離が200mだけ違う。という類似レース。
しかし傾向はまるで違う。他のステップと比べても全く、全く違う。
毎日王冠は先行力と切れが要求されるレースで、基本的にスロー展開である。
それだけに違う内容で差してきた馬が出てきた時の対応が重要で、時おり化け物が誕生する。
先行力と切れ。これに対して切れと粘りで差し切りに動いた馬がジャスタウェイやスピルバーグで、
これらは非常に優れたロングスパートで前の馬を捉えにいったのだ。
特にジャスタウェイは秋天勝ち馬=持続力・切れ・粘りを備えたエイシンフラッシュに迫った。
結果論となるのだけどもすんごい結果をここで出していたと言えるのです。
逃げ馬が勝つならば違う見方も出来るだろう。しかしそれは何馬身突き放して勝ったかの領域である。
逃げてなおイスラボニータ級の2F瞬発を見せるならば面白いが。
血統
傾向がさっぱり違うし一口でトニービン言っても配合次第。血統屋に尋ねてください。金を払って。
いや、本当にね。血統を学べば学ぶほど難しいんです。
トニービンなんて配合次第じゃ影も形もなくなっちゃうんです。
ディープ×トニービンなんてよく分からない馬になっちゃう虚しいパターンです。
母母父なら違ってくる(ハープスターとか)らしいんだけど。一括りにしちゃいかんよ。です。
狙い所
・逃げ馬
秋天の逃げ切りは困難で毎日王冠を7馬身ほど離して入線しても楽観視は出来ない。
かのサイレンススズカは最強マル外エルコンドルパサーに2馬身と半馬身離して勝利し、
そのエルコンは3着に5馬身差である。3着のサンライズフラッグは本番でも3着だったりする。
「逃げて差す」と言われるサイレンススズカの逃げは秋天には・・・少なくとも現代のものには合わないだろう。
どっちかと言えば一定の高速ペースで押し切りに動くダイワスカーレットの方面を狙いたい。
今年の例で言えばサンレイレーザー。1馬身差をつけて押し切れたなら本番でも狙えた。
(先行馬として、だが。)
・先行馬
切れがあまり要求されない脚質で、中山2200mをまくって勝てる馬なら狙いたい。
(実はフェノーメノが該当したいたのだがあの位置では何も出来やしないのだ。事実2012年は先行して2着している。)
東京1800mで好走しているから東京巧者、という考えは捨てるべき。先行馬ならなおさら。
ダービーやジャパンカップなどの格式高い舞台での結果を受けて「東京巧者」とされる馬でなければならない。
ジェンティルドンナ(オークス1着、JC二連覇)、スクリーンヒーロー(JC1着)、メイショウサムソン(ダービー1着)、
ダンスインザムードは全姉ダンスパートナーがオークス馬で全兄ダンスインザダークがダービー2着。
超例外はダイワメジャーだがこいつの毎日王冠勝ちは終い1ハロンが12秒に突入する消耗戦だった。
しかも大外16番からの2番手追走だし。そして前崩れの安田記念を前残りして4着したり、あるいは皐月賞を先行して押し切ったり。
あとは春天勝ち馬も先行馬として狙いたい。メイショウサムソンなどの例もある。
・差し馬
4Fから5Fに及ぶロングスパートをこなしてなお、終い1Fを鈍らせない・・・
差しきり勝ちを狙うならこんなヘンテコで驚異的な能力を求められるのだからやるせない。
しかし毎年のようにこんな適性を持った馬がいるわけで・・・。
ウオッカ、カンパニー、ブエナビスタ、トーセンジョーダン、エイシンフラッシュ、ジャスタウェイ・・・。
そうそうたる顔ぶれであります。しかし秋の天皇賞を差し切るならばこのレベルが求められます。
トーセンジョーダンとブエナビスタ、ジャスタウェイはいまいちなんですが、
他の馬たちはみな超一流と言える驚異的な切れ味を誇ります。そしてスピルバーグも。
トージョーとブエナ、ジャスタはどっちかと言えば持続と粘りが驚異的で、
トージョーとジャスタはハイペースの持続戦の中でいつも通りの差し脚を見せるような馬。
ブエナは有馬や宝塚を差し切りに動けるパワーと持続力と粘り強さで台風一過の秋天を制しました。
また差し馬に関してだけは毎日王冠組が有力と言えますな。
昨年はエイシンフラッシュが福永のシンプル過ぎる好騎乗で見事に勝ち切りましたが
それを外追走から雑把に差し切りへ動いたヨシトミ先生のジャスタウェイが2着。
これだけの切れ味をもったハーツクライ産駒がいるんだなぁ、なんて思いでしたが
本番のハイペースではハーツらしい持続力で追走し、直線で華々しく切れて見せました。
今年は中団までが勝ち切りラインでしたが10番手から突っ込んできたのがスピルバーグ。
4角では勝ち馬のエアソミュールが8番手、スピルバーグが10番手で・・・
「なんだなんだ大して強い内容じゃねぇな」と侮ってしまったわけなのですが。
実際は2馬身くらい4角で差があったし、エアソが内からじんわりと動けたのに対して
外からぶん回し気味に激しく突っ込んできたのがスピルバーグでありました。
他とは違う内容で鋭く差し込んできた差し馬。毎日王冠の狙い目はここでしょう。
他のステップレースから抽出するのは難しいですね。京都大賞典が決め手勝負になったらいいな、というくらい。
・追い込み馬
スピルバーグはどっちかと言えばこっちにカテゴライズされるべきだったかな。
今年はペルーサやアスカクリチャンがいてデータ上の番手が少し狂っているんですね。
度外視の2頭がいるから実質的にはフラガラッハが最高方でしょうし、スピルバーグもかなり後方でした。
でも4角までスローですしほぼ一団の状態であるから今年に関しては追い込みと差しの境界が曖昧なのです。
直線に向いた時点で先頭のカレンブラックヒルとスピルバーグはおおよそ7馬身ほどの差でありまして
この程度で追い込みもクソもねぇだろう、と。しかし黒帽子でよく外へ出せたな。ヒロシ偉い。
本題に入りますと・・・後方から届かせるなら本当に卓越した脚が必要ですな。
デニムアンドルビーでは最高速が足りないし、ヒットザターゲットは登坂で少し鈍ってしまう。
(デニムアンドルビーは前の壁がさばけていれば3着まであったかもしれないが)
過去のレースでは03年にツルマルボーイがローエングリンのハイペース下で最後方から2着している。
そして08年にはカンパニーが4着。これもダイワスカーレットによるハイペース。
台風一過の10年ではペルーサが驚異的な末脚で2着。これは夢を見てしまう脚だね。
12年ではルーラーシップが化け物じみた脚色で突っ込んで3着である。
15番手以下ではハイペースや渋馬場などの要因が必要で、10番手そこそこまでが勝ち負けラインと言えるだろう。
[中断]
[fin]