「最もサンデーらしいサンデー後継種牡馬」とモチジュン先生は仰るのがアグネスタキオン。
その「らしさ」をメイショウヤタロウは引き出しているのか・・・?というと微妙。
母系はセントサイモンを弄って遊んでいる.そのあふれたセントサイモンの着地点はKazanという馬だ。
父はSicambre。「シカンブル」とカタカナ読みにすると分かりやすい。メジロマックイーンの血統表で見た顔。
日本ではシーバードとかクリスタルパレスとかムーティエとかダイアトムとか、この血を父や母父で持つ馬がたくさんいました。
それらの代表産駒の名に列さない程度の馬がこのKazan。wikipediaにひっかからないorz
しかし配合はちょいと決まっている様にも見える。
HyperionもNearcoもコンセプトは同じで、「セントサイモンに逃げるのではなく、セントサイモンを主役にする」ってことです。
KazanはDjebelを主役に持ってきて、セントサイモンを脇役に追いやった形ですね。
ところがこのDjebelはアグネスタキオンの母父、ロイヤルスキーへ脈絡する程度でありますorz
ここからMill Reafとかね、Sadler's Wellsとか入れれば違うと思うのに・・・。(✕Mill Reaf ✕Mill Leaf ◯Mill Reef)
だけど次に配されたのがSearch TraditiionというNashua直仔で。
この馬の母がTHE純米!で日本競馬ではあまり触れたくない血統になっていて、
その次にStorm Catという超大型種牡馬(馬体が大きいわけではない)が入ります。
Storm Cat肌はディープ産駒でもおなじみで、やることやればめちゃくちゃ柔らかくなるんですね。
しかし本馬はダート馬であるし、代表産駒らもジャイアンツコーズウェイなどを代表に力っぽい持続型なのです。
それでも日本馬場に母父として一大ブームを巻き起こしたのはSecretariatに寄る部分が多く、
これをニアリーすることで非常に柔らかい馬体を得ることが出来るのだ、と。
しかしディープ嵐猫の代表格であるキズナは柔らかく俊敏に切れる馬ではありません。
強さを感じさせる動きで柔らかく動く・・・一瞬だけビュッと切れる馬ではなくて、
むしろ最後まで脚を衰えさせない持続型の差し追い込み馬なのですね。
Storm Catの日本的な進化系がコレだとすれば、米血統による補完が重要となります。
それを担うのが上記のTHE純米でありまして、かなりの頑強さが補完されているのが分かります。
メイショウヤタロウ自身は一応はNasrullahの継続クロスですし、Bold Rulerの継続クロスです。
だから調和は取れているだろう、と。
しかし。
兄貴のメイショウボーラーってのは父がタイキシャトルで短距離馬に出ました。
この配合に比べるとヤタロウは付け焼き刃の外回り巧者というイメージが拭えないのですねぇ・・・。
スプリンターというのは総じて内回り巧者であります。
だからタイキシャトルの持つThatchというSpecialの全きょうだいが猛威を振るうわけで、
これが唯一のHyperion血脈にしてアルゼンチン血統である5代母Zombieと脈絡するのです。
4*5のニアリーですからこれ一本で十分でしょう。ここから粘り強さは補強されます。
メイショウヤタロウもそこら辺はアグネスレディーの方から補完されてはいるんですが・・・
ニアリーをかまさないので物量に出るしかなくて、その物量も母系には二本だけなので話にならない。
キズナなどの持続力はStorm Catや母系から由来しているのだからヤタロウも同じ形です。
しかしアグネスタキオンという種牡馬は古き良きHyperionを欲するというのが矛盾点。
ディープインパクトは北米パワーで補完するのも得意な種牡馬ですからStorm Catは合いました。
アグネスタキオン~ハイインロー&Bold Ruler
Storm Cat~北米パワー&Secretariat(Bold Ruler)
Search Tradition~北米パワー&Nasrullah
Storm Cat×Search Traditionで調和は取れているんです。
しかしハイインローを欲するアグネスタキオンでは硬さ≒粘りの根っこが違ってしまうのでしょう。
これがアグネスタキオンのA級産駒らとの違いです。
そんなメイショウヤタロウが果たして重賞を勝つことが出来るのか。
今回が最初で最後のチャンスだと思うのだが。
モチジュン先生の本命は「それは私情が入り過ぎじゃねぇの」と思うことが多いんですが、
その血統から最良と言える様な馬が出て、その馬にとって最高の舞台が整ったならば買うしかないのでしょう。
メイショウヤタロウはここでしか買う機会がないだろう。
そう考えてしまえば本命にしたくなる。そして馬券を買えなくなってしまう。
[fin]