芝向きゴールドアリュール産駒と言えば他にトウカイパラダイスなど。
ゴールドアリュールの賞金上位産駒と言えばエスポワールシチーにスマートファルコン、コパノリッキー、シルクフォーチュン、オーロマイスター、クリソライト、そしてトウカイパラダイスにフーラブライド。G1級になるとダート馬が多いし、産駒全体の傾向としてもそう。そして晩成傾向で古馬となってから頭角を現すことが多い。
でもクリソライトを代表に3歳から活躍することも多いし、上の産駒らのほとんどが3歳時に重賞を勝ち負けしている。芝でもタケミカズチが皐月賞2着。2歳時にはデイリー杯2着だから一概に晩成とはいえないか。
ダート傾向なだけあってフーラブライドを除いて上位陣はみな牡馬だわな。そんで彼女もまたタフな展開を好み、混合戦のスローで馬券になっている。
でもゴールドアリュールの根っこは「ハイインロー前受けで後ろを届かせるな」であるからこういう産駒はちょいと違う。トウカイパラダイスもその類であるから芝向きに出たからとかそんな話でもない。
またVeguely Nobleをニアリーすることも多いので「Aureole魂」が表面化することも多く、大成する逃げ馬が多いのもその傾向からか。しかしフーラブライドにはその傾向は見えず、内から捌いて来たり外をまくってきたりと器用な馬である。
だがA級ゴルアリュ産駒・・・エスポワールシチー、スマートファルコン、コパノリッキーらは押し切りの馬だからAureole魂が表現された方が走るのかもしれんね。
なんかNureyevの牝馬ってスローから図太く切れる馬が多い気がするのよな、デニムアンドルビーといい。フーラブはNijinskyクロスの分だけナタ切れストライドになっているけれどスローで図太く差し込んでくるのは同じよ。
牝馬は切れるから溜める競馬でも結果は残せる。けれど牡馬だと切れが表現されづらい分、前受けベターとなるのかね。そこで役立つのが前向きなAureole魂ってやつで、スローを前受けしてロングスパートで突き放しにかかるとハマる・・・というのがゴールドアリュールなのかも。
牝馬の場合は切れるというか切れなきゃ勝負にならんのだわな。牝馬戦は切れてなんぼであるから前受けネバネバハイインロー！で大成するわけがねぇ。
だからスロー溜めからのロングスパートを基本戦術とするフーラブライドは正統派ゴールドアリュール「牝馬」だろう。そしてスローの女王となりつつあるディアデラマドレを相手に敗れる、というのはしかたのないこと。阪神2000mと中京2000mでスローになればロンスパで差すのも難しい・・・というかこれを差せるなら日経新春杯の連覇はもちろんエリ女でも勝ち負けに絡めただろう。「え、ゴールドアリュールからこんな切れ者が！？」と血統馬鹿騒然よ。
ゴールドアリュールの本質は「ヌレイエフ的溜めの効き＋Aureole突き放しロングスパート」で、つまるところサンデーリファールハイインローのダートバージョンなのだろう。これからディアデラマドレを差し切る牝馬が出るならばディープ級の種牡馬である証明ともなるわ。
そもそもVaguely Noble自体があんまり牝馬的ではないのよな。このゴツさがまたダート的というか牡馬的というか。
そんで今回のクイーンSにおいて問題となるのは距離と先行争いだわな。過去に芝小回り千八を走ったのは中山牝馬Sくらいで、先行することは出来ていない。おそらく今回も難しいだろうから開幕週をナタ切れストライドでぶちかましに行くしかない。外まくりしかやれることはないのだからあまりにも分が悪い。スパッと切れるわけじゃないから大まくりの3着が関の山か。
だが札幌ってコースは緩いコーナーかつ円形に近いレイアウトなので内々で捌いた方が有利。開幕週なら本当に本当に「なおさら」なのよ。アロマティコとか内からスッポーンって出てくるくらい。
あれを大外からまくろうというのは昨年の札幌記念を容易くまくってみせた上位二頭、あの格違いの二頭と同じパフォーマンスを発揮しなきゃならないわけなのだが・・・。レッドリヴェールやフーラブライドにそれを求めるのは間違いだと思うの。
開幕週で「格」の競馬をレッドリヴェールに要求するモチジュン先生・・・もうこれは馬券的には心中覚悟なのだろうな（買い目をどうするのかは分からないが）。だがHyperion血脈を重ねたこの馬が2歳G1を勝ってしまったわけだから仕方ない話よ・・・。4歳になって体重は大幅増なのだから本格化の目処はたっている。千四で速い競馬を経験し、千六で前受け4着。適距離でも前受けは可能となったし鞍上はルメールだし開幕週でもなんとかなるだろうって話にはなるよ、そりゃぁ。
秋古馬三冠へ今年は進んで欲しいものだが・・・ルメールを主戦に据えるならば難しいだろうな。三歳にはサトノクラウンもアンビシャスもいるし、古馬にはサトノアラジンもいる。特にサトノの二頭は間違いなく秋天へ進むし、馬主もルメールは確保したいはず（というかすでに内定）。
ルメールが空いているのは牝馬路線だけであるから・・・エリ女行きなのかな。勿体無い。かといって古馬三冠なら福永すら確保出来ない状態なのだろうし、騎手のランクを下げてまで挑むこともないわな。
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