砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

桜花賞はジュエラー

メジャーエンブレムにとって怖かったのは外枠から先行馬がどっと押し寄せてくることで、その壁で物理的に動くことができなくなり、外も被されてしまったらマイルではどうしようもない。

しかしメジャーエンブレムの前を行くということは3歳牝馬の限界を超えるということでもある。そんなレース度外視の行動を起こす馬鹿は3人もいないだろう、そう思っていた時期が僕にもありました。

思いの外たくさんいたよねぇ。馬鹿が。

騎手がするべきことは勝つことなのか人気より上の着順を得ることなのか、これは色々あろうことだが。流石に勝ちを度外視した騎乗で人気馬を潰しに行くというのは競争原理としてどうなのだろう。

言っちゃ悪いが「中堅騎手が人気を潰してトップジョッキーが漁夫の利ゲット」というだけの話だぜ?あれはただジュエラーとシンハライトを勝たせるための騎乗だわ。みっともない。こういうことをするから藤田元騎手の脅し逃げみたいなことが正当化されるんだわ。馬の限界を超えた逃げ争いなんて馬鹿のすることよ。

今年の桜花賞メジャーエンブレムのレースレコード更新だけが見どころだったはずだ。まさかG1レースでこんなことが起こるとは情けないもんだ。1.5倍のオッズが示すことは「まともにやれば絶対に負けない」ってこと。そしてG1レースでの1倍台は「まともなレースになる」という信頼も込みだ。少なくとも変な若手がレースを壊したりはしないだろうってね。

目一杯壊したよなぁ。NZTのエダテルもかなりのもんだが桜花賞で逃げ先行に絡んだ騎手もなかなかのもんだぜ。勝ちに執着したエダテルの行動の方がまだマシってもんだわ。競馬って優れた馬を見つけるためのものであるし、競馬ファンは優れた馬の走りを見て感動するのだわ。その機会を損なったクソジョッキーはファンサービスをなんだと思ってるの。

[追記]

このことから察するにかの5人のジョッキーは中距離志向に過ぎるのだろう。速いペースで逃げても脚の回復を待つだけの距離はマイル戦にはないのだが、それをよく理解していない様に見える。和田竜はホウライアキコマイルCSを馬鹿逃げした実績があるし、フルキチも決して逃げが達者な騎手ではない。

だが松岡と秋山はそんなキャラではないと思っていた。特に秋山はカレンブラックヒルのイメージが強く、かなりクレバーな逃げ達者だと認識していただけに裏切られた気分。秋天で見せた外枠からのひっそりとした流れ込みは実に見事だったのに。

もしかして秋山って牝馬の扱いが下手糞なのかな?ダイワメジャー産駒の様に動かす感じの馬が合うのかもしれない。またカトルラポールテン乗りであるし元来は逃げ馬ではないし、マイルは明らかに長い馬だ。結果が出てみれば不具合の出て当然のコンビだったか。

ルメールとしては、蛯名が好発からスルスルと下がっていた様に、ペースアップの限界を感じていたと思う。クイーンCのラップはあくまでも東京マイルに落とし込んだものであり、阪神マイルの様なラップの落ち着きの悪い条件で23.5秒の壁を破りに行くことはためらわれたはず。

モチジュン先生の言葉を借りて「フレンチの鉄人」、であるルメールが描いた桜花賞は12.5-11.0-11.3-11.4-11.5-11.5-11.3-12.0の1分32秒5だったのではないかと思う。武豊が思い描く逃げと似たようなもので、最序盤の貯金を道中のハイペースで吐き出す様なものだったはず。

だから不動の本命だと信じた。1枚や2枚の壁なら残り4Fで先行押し切りへ動き出せたし、多分ハイペースを感じた瞬間に・・・あるいはそうなることを想定して臨んだはずなんだよねぇ。メジャーエンブレムを信じた競馬ファンと同様、ルメールの頭にも「前付けしてくる騎手も勝ちを意識した騎乗をしてくる」という大前提があったんだわ。

G1の大舞台でこんな重賞級のお粗末なラップを刻まれるとは夢にも思わない。これは酒井学の刻んだ昨年のスプリンターズSと同レベルの逃げだ。差し届く馬場の阪神外マイルでこんなラップを刻むとか関東騎手にしか許されんぞ。

チューリップ賞のウチパクさんが刻んだラップの方が東京らしくて格好良いわ。実際にこのラップでヴィルシーナなんかを勝たせたんだしさ。秋山は今回刻んだラップでどんな馬を勝たせてきたのか知りたいわ。(キョウエイマーチを勝たせたりしている。規格外の桜花賞馬様が挙がったなぁ。)

けれど武豊と並べた様にルメールメジャーエンブレムを逃げ馬とは考えてないんだよね。武豊エイシンヒカリと同じで、あくまで先行する感覚で出していって結果的に逃げとなっている。だから逃げに固執することはほとんどなく、1完歩抜けだした時点で周りが引かないことには逃げという形にならない。

コパノリッキー武豊が憤った例もある。彼らはきちんと線を引いて逃げるからそれ以上に競りかけられることを嫌うのだろう。何度も同じことを言うけれども、G1勝ちの逃げ先行馬へ不必要に絡むことは勝負を捨てているのと同じなのだわ。その辺りの引き際を見誤る騎手ってのは競馬ファンを裏切っているのと何も違わない。直線を待たずして馬券を紙くずにする騎手なんて存在価値がないよ。

過小評価であったとは言え13番人気だったアドマイヤリードを5着まで持ってきた藤岡康太くんを見習ったらどうかな?それと菱田裕二蛯名正義の仲良し内突きコンビを巻き添えにするんじゃないよ。前付け勢の後退で進路がないまま沈んでしまったではないか。どれだけ競馬ファンの楽しみを奪えば気が済むの?ファン逆サービスデイかい?

フルキチもこういう時は外に回すアンパイ的な騎手だと思っていたんだがな。ラブイズブーシェとかはそのパターンで勝たせたべや。

[fin]