上位2頭の強さが際立った内容で、エアスピネルはこの上がり競馬ならもっと抵抗出来る血統なのだが案外だった。
早々にまくりきったリオンディーズは兄エピファネイアに似た華麗なる動き。キングカメハメハ産駒らしい筋肉質な馬体である分だけ兄より中山は向いているはずだが最後の最後に伸び悩んだ。
理由は二つ考えられる。
まずリオンディーズがNijinskyクロスであること。スピルバーグやブエナビスタと同じ弱点を中山で晒したのだろう。登坂後にピッチを即座に上げられないのだ。有馬記念の歴史においてヴィクトワールピサやジェンティルドンナ、グラスワンダーなどが再加速の鋭さで栄冠を得ている。
マカヒキはディープインパクト✕フレンチデピュティだからこの分野は大の得意。PocahontasクロスとRed God✕Nijinsky✕MitterandのHaloいじりは完璧で、靭やかさに対してを硬質さを補完している。Turn-toへのAmbiorixもよろしい。
AmbiorixやKlairon、My BabuをTurn-toに重ねるのはHalo(ニアリー)馬への大事な布石と言えて、先日のジュエラーも父母間のKlaironクロスであるし、当馬も母がAmbiorixクロス。この辺りの弄りに関してはジュエラーが完璧過ぎるのでそちらを参照願いたい。
ディープ産駒にしてはFair Trialをいじっていないタイプ。ジェンティルドンナというよりショウナンパンドラに近い配合だが方向性はやや異なる。
パンドラは父に似て優れた姿形はしていない。しかし短い足をぐるぐる回して全身運動的に弾けるから瞬発力はまさしく父譲り。しかしその発現はステイゴールド的だ。
対してマカヒキは腹回りがすっきりして脚も長め、走っていても頭が下がらない。しかしHalo的な靭やかさが秀逸で、あの長い手足を靭やかに素早く繰る動きは圧巻である。ディープインパクトというよりサンデーサイレンスに近い動きだ。
弥生賞の結果はリオンディーズの短所をマカヒキが自らの長所で目覚ましく交わしたという理屈だろう。ダービーではこれらの長短が反転することになるだろうが皐月賞の段階では明確な差だ。中山2000mではマカヒキはリオンディーズに負けることなど考えられない。
もちろんメジャーエンブレムの例もある。マッチレースではないからな。
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