砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

すばらしいレース 皐月賞回顧

これで共同通信杯からの直行馬はゴールドシップイスラボニータドゥラメンテディーマジェスティで合計4勝。ディーマジェスティの場合は渋った馬場だったこともあって微妙かと思ったのだが・・・。

今年はやはり粒ぞろいということなんだろうかね。エアスピネルも笹田調教師が心臓心臓とうるさかったけれどその通りであった。雨の降った中山できざまれたハイペースをあれだけジワッと動けるんだから立派過ぎるわ。

サトノダイヤモンドはちょいと馬場に適応出来なかったかな。ここ数年の皐月賞上位陣では一番「軽い」馬だから非凡な結果ではある。けれどイスラボニータほどにはパワーの背景を持たないし、やはり速い馬場でこそ光るところはあると思う。

奇しくもAlmahmoudを除いたHaloの4分の3を弄るディーマジェスティが勝ったのだからね。ディープインパクトの粘着質なところだけを弄ったこの馬が勝ったのは非常に面白い。フリオーソがディープ肌を相手にこういった馬を出すならば、ドリジャニ=オルフェらの産駒と熱い勝負を中山で繰り広げることになるだろう。

Mahmoudさんが追い風を味方につける外差しについて何度かコメントをしていた。だから着差ほどにディーマジェスティを評価することはない。風の不利益だけを被ったリオンディーズが一番強い競馬をしただろう。ヨレたのはおそらくバテたことが原因だと思うが、横一線のグダグダ勝負で最後まで踏ん張った粘りを評価したい。これぞNijinskyクロスだ。

こういう展開になったらマカヒキが勝たなきゃならない。しかしエアシャカールより小回りに徹していないからサッとは動けないんだよね。その点ディーマジェスティはディープを尻に敷いた母ちゃんだからHalo≒Sir Ivorをあまり表現していない。

この靭やかさを上手に殺すならLyphardを弄るのが一番理にかなっていて、ディーマジェスティはCourt MartialクロスでSadler's Wells持ちだ。加えてRomanクロスにSir Gallahad=Bull DogかつCrafty Admiral。Eight Thirtyクロス。Nashua≒Nantallahニアリー。ゴリゴリしすぎっ!

このRoberto✕Fairy Bridgeが凶悪な組み合わせなんだわ。三強という目眩ましがなかったら血統論者と血統論愛好者の半分はこの馬を本命にしていたと思う。俺は「稍重共同通信杯勝ち馬とか(笑)」と歯牙にもかけていなかったけれども。

だがこの速い時計に対応できるってのが素晴らしいね。Halo≒Sir Ivorのスピード能力とウインドインハーヘアの粘着力をきっちり受け継いでいるからこそだろう。靭やかさだけは受け継がせなかったこの母ちゃんはすごいことをしたな。ご都合主義にもほどがある。

ジェンティルドンナスピルバーグトーセンラー兄弟の様に32秒台でズボッと駆け抜けることは出来ないだろうが、34秒上がりの小回り戦ではこの様に強豪を退けて見せたわなぁ。

皐月賞の常道を行った勝ち馬だと思う。ロゴタイプとかヴィクトリーとかそういった感じ。本格化したときの上積みにはちょいと期待できないけれど、今回は実に素晴らしい競馬だったと思う。馬券買ってなくてよかったなぁ。

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