スワーヴリチャードとレイデオロのどちらが勝つか、というのが今年の秋天における最大の肝かと思う。
前者については「Tiznow的な競馬」と書いてきた。ハーツクライ産駒全体に見られる傾向であって、Lyphardらしい好位競馬に本領があるだろう。
対して後者は「Roberto×Buckpasser」。スワーヴリチャードを打倒するには、歴史からしてRobertoの手助けが必要となる。逆にレイデオロを倒すにはLyphard×In Reality×Wild Riskの表現が不可欠。
これはジャイアンツコーズウェイVSティズナウの図式から考えることだ。外から来るRobertoを封じるにはロスのないLyphard競馬で抵抗し続けるしかない。
ダービーではRobertoが早仕掛けから突き抜けてしまい、それを外からLyphardが差し込むしかなかった。Robertoが全く揉まれずに内にいて、Lyphardが精一杯の脚で外から仕掛ける。これでは完敗もやむなし。
みんな大好きGiant's Causewayが敗れたBCクラシックby2000年。あのレースと同じ世界が今年の秋天で繰り広げられるのではないか・・・という期待がある。たくさん、たくさん、ある。
一方で。
「秋天って基本的にスローじゃん?」「淀むスローではないけれど、上がり勝負じゃん?」
そういう馬券的期待もある。スローだとスワーヴリチャードとレイデオロは素晴らしいパフォーマンスを発揮しない。
「4分の1以上の非Blue Larkspur」を持たない血統の弱さはそこだ。この二頭はBusandaに支配された特徴を持っていて、基本的には粘り気質なのだ。シュポーン!とHyperion的な鋭い速さで差し切るものを持たない。
レコードウィナーのトーセンジョーダン、その他の1分57秒台の時計を持つウオッカ・カンパニー・エイシンフラッシュ・ジャスタウェイなんかにしたって「4分の1非Blue Larkspur」だ。秋天という舞台はそういった適性で走るものだろう。
また、確たる逃げ馬が不在のレースだ。前受けマストのこの2頭はゲートの難しさに悩まされることだろう。スローでも包まれても嫌なものだし、かといって壁なしではマズい
どうせなら大外枠から壁を選んでね、二頭揃って4角先頭からマッチレースを展開するのが楽しい。それを許さない青帽子にデムルメはどう挑むのかな。
ディープインパクト4頭はそれを見ながら展開出来るし、ルーラーシップ2頭は無欲の前受けを敢行出来る。
ルーラーシップ産駒はウッキウキよ。こんな気軽に前受け出来るG1レースは滅多にない。しかも鞍上が東西の前受け巧者だからね。戸崎と川田が楽に先行しちゃうとか怖い。
・・・
エポカドーロはこっちに来ていたら良かったんでないかな?
[fin]