砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2024-2025年POGドラフトリスト

今年もPOGリストを作成しています。

  1. POG本でフォトを見る
  2. 気に入った馬をリストアップ
  3. 血統表を吟味して感想文を書く

 

リストに関しての注意事項は昨年のコピペ。

  1. 敬称を略させてもらっています
  2. 一部略称を含みます
  3. リストの順番は母の馬名で五十音順に並び替えています
  4. 青色の馬名は牡馬、赤色の馬名は牝馬です
  5. 欄の空白は登録待ちです
  6. 感想文は根拠のないタイプの感想文です
  7. 社台グループと非社台グループで枠を別としています

 

昨年の忙しさが0だとすれば、今年の忙しさは400です。本当に血統表を掘ってる暇なんてなかった・・・。サートゥルナーリアとルヴァンスレーヴから指名したかったんですが。

とりあえず急いでコメントいれときます。現状、ほとんど入ってないので。コメント書き終わったら総括しておきます。ドラフトは終わってるのになぁ。

 

 

社台枠

 

ヴェロニカペルシカ

性別 メス

父  ダイワメジャー

母  アラッザ

生産 社台ファーム

馬主 社台レースホース

厩舎 田島俊明

https://db.netkeiba.com/horse/2022105218/

ドイツのBold Ruler。血統構成そのものは北米的でも、きちんとドイツ血統が組み込まれて結果を出してきた母なので評価しても。ダイワメジャー×ドイツの印象ほどはイタリア血統が希薄でもないことから、割合、字面通りの表現か。柔くて切れっぽいので、早いダイワメジャーとしての旨味は少ない。

 

グランジョルノ

性別 牡

父  ゴールドドリーム

母  ヴィータアレグリア

生産 ノーザンファーム

馬主 キャロットファーム

厩舎 高柳瑞樹

https://db.netkeiba.com/horse/2022104673/

種牡馬ゴールドドリームを考えるとき、個人的には一にサドラー、二にCrepello、三にKingmamboという塩梅。本馬はCrepelloをKrisが持ち込み、更にKris×Gone Westの組み合わせも良し。更にDeputy Minister×Mr. Leaderの組み合わせも素晴らしく、これはプリンセスオリビアに絡む配合によく見られるもの。クラブ馬として高く評価するべきであり、POGとしての狙いは微妙であると思う。

 

ラヴァブル

性別 メス

父  ジャスタウェイ

母  エピックラヴ

生産 ノーザンファーム

馬主 サンデーレーシング

厩舎 松下武士

https://db.netkeiba.com/horse/2022104687/

ダノンザキッドの全妹。ジャスタウェイの牝馬というとルージュエヴァイユやアウィルアウェイがあり、北米パワーを用いて瞬発力を見せるタイプが多い。このHail to Reason的な差しは基本として晩成。父の特徴通りに早めデビューからゆっくり成長するタイプだろう。

 

アークシャルダーム

性別 メス

父  ブリックスアンドモルタル

母  カルティカ

生産 社台ファーム

馬主 社台レースホース

厩舎 友道康夫

https://db.netkeiba.com/horse/2022105286/

アスクビクターモアの半妹。インブリードが格段に濃くなった一方で、カルティカの異系的役割は強くなっている。クロノジェネシスくらいの馬が出ても一切驚けないし、クロノジェネシスほど晩成はしないだろう。「4分の1Prince John4×4のStorm Cat直系配合馬」としては理想的ですらある。

 

アズーロエマローネ

性別 牡

父  ハービンジャー

母  ガルデルスリール

生産 ノーザンファーム

馬主 シルクレーシング

厩舎 池江泰寿

https://db.netkeiba.com/horse/2022104728/

紫苑S勝ち馬モリアーナの半弟。ハービンジャー産駒は基本として母の要素で戦う傾向があり、父母間で強いつながりがあると脆い。繁殖としてはそれが王道であるから、正直、牝馬に出てほしかった配合だろう。Danzig4×5が配合の引き締めにあまり寄与しておらず、印象が固まりづらい。それでも稼げるのがハービンジャーだが、POGで指名するのも違う。

 

トロピカルレイン

性別 メス

父  サートゥルナーリア

母  シュガーショック

生産 ノーザンファーム

馬主 エムズレーシング

厩舎 斉藤崇史

https://db.netkeiba.com/horse/2022104816/

ラーゴムやエコロブルームの半妹。兄たち同様に父のイメージ通りの表現を得られそうで、整然とした配合にふさわしい馬になると思う。父と母が伝えたい柔らかさはおおよそ同じであるから、失敗するイメージがわかないくらいだ。しかし阪神2000mベストで完成しそうな牝馬がPOG期間にどこで稼ぐかは思いつかない。

 

ステアハート

性別 メス

父  Gun Runner

母  スピーチ

生産 社台ファーム

馬主 社台レースホース

厩舎 新谷功一

https://db.netkeiba.com/horse/2022105385/

愉快な全兄弟クロスが魅力の一頭。異系的役割を持つ4分の1を持たないことが一つのポイントであるが、それに関しては父Gun Runnnerも大した差がない。良いものを踏襲して良いものが伝わっていればよい、という乱暴な理屈において本馬の配合は成立しているのだろう。スピード能力はかなり高く、1800mというよりかは1400m的かもしれない。新馬戦で一発回答があってもいいが、ベストコースは読みづらい。血統的には東京芝1400mでじっくり構えられるかもしれない。

 

エンダードラゴン

性別 牡

父  リアルスティール

母  ダストアンドダイヤモンズ

生産 ノーザンファーム

馬主 インゼルレーシング

厩舎 友道康夫

https://db.netkeiba.com/horse/2022104890/

父リアルスティールの配合におけるポイントは未だ見えないが、F2-sとF13-aを導入してキズナ色を強め、北米へより一層染め上げていく形で基本形として間違いはないだろう。一方でSadler's Wellを代表とする欧州系の血統を迎えるのも一つかもしれず、そのニュアンスもダストアンドダイヤモンズは持つ。フォーエヴァーヤングという大物が登場した以上はリアルスティールの理解を進める必要がある。よい教科書となる配合だろう。

 

カラマティアノス

性別 牡

父  レイデオロ

母  ダンサール

生産 ノーザンファーム

馬主 サンデーレーシング

厩舎 奥村武

https://db.netkeiba.com/horse/2022104896/

種牡馬レイデオロの持つMr. Prospector3×4は非常に強い独自色を持つインブリードであるから、ミナデオロのように見て見ぬふりをこいたほうがPOG期間に走る距離では信頼性が高い。母ダンサールはサトノフラッグ=サトノレイナスの4分の3姉にあたるハーツクライの肌。母母バラダセールはSwapsの独特な切れ味を伝えやすいので、この傾向を継続するレイデオロは塩梅が良い。本番は菊花賞だと思うが、叔父や叔母くらいの出来があればダービーに間に合っても。

 

レッドベルダンス

性別 牡

父  レイデオロ

母  ダンシングラグズ

生産 ノーザンファーム

馬主 東京ホースレーシング

厩舎 手塚貴久

https://db.netkeiba.com/horse/2022104897/

ダンスインザダーク文法によりレイデオロの攻略を図るタイプの配合。母のStorm Catがどれほどの吸引力を持つかは分からないが、おおよそ芝中距離でまとまるのではないかと思う。しかしレイデオロのMr. Prospector的柔さを解決することがないから、非根幹距離の競馬がベターだと思う。嵐猫巡行の中長距離~長距離に出たなら稼ぎどころは多いだろうが、POG向きではない。

 

ノイエムジーク

性別 牡

父  ジャスタウェイ

母  ターフェルムジーク

生産 追分ファーム

馬主 G1レーシング

厩舎 須貝尚介

https://db.netkeiba.com/horse/2022105707/

オーシャンブルーの近親。中距離・中長距離累代で母系も中距離表現。母ターフェルムジークは「4分の4Relic」で父ジャスタウェイはRelicの始末に定評がある。トニービンとWild Againを利した非Man o' Warの脈絡を無視する形とはなるが、サンデーサイレンス3×4の劇薬と相対する力は必要。マイラーに出るならG1も意識できるが、高望みだろう。

 

アルレッキーノ

性別 牡

父  ブリックスアンドモルタル

母  チェッキーノ

生産 ノーザンファーム

馬主 サンデーレーシング

厩舎 国枝栄

https://db.netkeiba.com/horse/2022104898/

母チェッキーノはモーリスでもハービンジャーでもBee Mac的かつLady Be Good的な要素を伝えて成功している。おおよそイクイノックス的な要素で成功していると言えるから、B&モルタルを父とする本馬はLyphardを構成要素に含まないという点において兄や姉に劣る。LyphardをLyphardとして表現できる非Lyphardの血統としてチェッキーノは優れていると考える。

 

カーラデマドレ

性別 メス

父  ドレフォン

母  ディアデラマドレ

生産 ノーザンファーム

馬主 キャロットファーム

厩舎 宮田敬介

https://db.netkeiba.com/horse/2022104912/

王道オブ王道の「母中距離のドレカメサンデー」。母アロマティコが成功したのだから母ディアデラマドレでも、というのは血統的にも破綻のない話だろう。しかし牝馬であることが大きなキズとなるのがロードカナロアとドレフォンの差。ドレフォンは勝利数が1:5でダート優勢の種牡馬であり、重賞で勝負となっているのも牡馬が多い。ロードカナロアもドレフォンも大変素晴らしい靭やかさを伝えるが、ロードカナロアが「速くて柔い」ならば、ドレフォンは「力強くて柔い」だ。ドレフォン牝馬をPOGで狙うパターンはどちらかと言えば中距離よりも短距離だろう。

 

ヴァリオーサ

性別 メス

父  エピファネイア

母  ディヴァナプレシオーサ

生産 追分ファーム

馬主 G1レーシング

厩舎 武幸四郎

https://db.netkeiba.com/horse/2022105711/

F2-s牝系の流れとして素晴らしいし、その上で「エピファネイア×A. P. Indy+4分の1非Princequillo」の構成がなされているのも素晴らしい。牡馬なら中距離~中長距離だと思うが、こうした配合の牝馬は短距離Hyperionの影響が強く出てスプリンターに出ることもある。とはいえ、仮にそうであったとしてもPOG期間はマイル適応だろう。

 

リラエンブレム

性別 牡

父  キズナ

母  デルフィニアⅡ

生産 ノーザンファーム

馬主 

厩舎 

https://db.netkeiba.com/horse/2022104922/

母はMontjeuの近親でGalileo×Danehillの配合形。2代母Againが愛1000ギニー勝ちのマイラーと言ってよいだろうから、「4分の1マイラー」でPOGにおいても指名しやすい。しかし母にPrince Cavalierを引く産駒が活躍するイメージもない。詳細な数字は分からないが、キングカメハメハやトニービンなどとの組み合わせはキズナ全体のイメージに比べると劣るようにも思える。逆ニックスという話でもないが。

 

ヘンリエッタ

性別 メス

父  ドゥラメンテ

母  ドナブリーニ

生産 ノーザンファーム

馬主 TNレーシング

厩舎 武幸四郎

https://db.netkeiba.com/horse/2022104934/

三冠牝馬の母にドゥラメンテがつけられ、血統表の上では当たり障りのない好バランス。そして高額で取引されたと思えば指名理由は足りる。しかし配合におけるパンチの弱さは感じられて、それだけにドナウブルー=ジェンティルドンナ≒ロジャーバローズの正しさを思わせられる。Lyphard4×4の価値を伴わないドナブリーニの仔をどこまで評価すべきだろうか。

 

ビリングス

性別 牡

父  フィエールマン

母  トレジャーステイト

生産 ノーザンファーム

馬主 シルクレーシング

厩舎 手塚貴久

https://db.netkeiba.com/horse/2022104930/

Sadler's Wells型のRoman突進ディープ。東京よりロンシャンが似合いそうな切れ味を配合から感じられる。父フィエールマンはディープ×Nijinskyとして軽快さがよく表現された競走馬だったから、本馬のように欧州系の重厚さを迎え入れる形は合うだろう。母トレジャーステイトはGreen Desert≒Hope≒Sadler's Wells2・2×2で大変な主張を持つが、これを「緊張と緩和のリズム」でいなすように父フィエールマンが働く。良型と言って差し支えない。

 

グローサートラウム

性別 牡

父  ダイワメジャー

母  ナッシングバットドリームズ

生産 社台ファーム

馬主 社台レースホース

厩舎 武幸四郎

https://db.netkeiba.com/horse/2022105430/

ルージュエヴァイユの半弟。ジャスタウェイとダイワメジャーで繁殖の好みは似通うのではないか、と遠い昔に書いた覚えもあるので大丈夫だろう。欧州のクラシックディスタンスど真ん中な血統を日本競馬へ落とし込み続けた種牡馬がダイワメジャーだ。本馬においても欧州の最強中距離馬と凱旋門賞勝ち牝馬が控えているが、それを以てダイワメジャー黄金配合を構築する以上は大きな問題とならない。老齢のダイワメジャーが未だにそれだけの活力を保てているかどうかは気になる。

 

シルバーレイン

性別 牡

父  エピファネイア

母  ノームコア

生産 ノーザンファーム

馬主 池谷誠一

厩舎 萩原清

https://db.netkeiba.com/horse/2022104942/

エピファネイア×ハービンジャー×クロフネ×サンデーサイレンスの累代は天下を獲っても不思議のないものであるものの、ラスティックベルによる「16分の1Raise a Native2×3」は大きな意味をなさない。クロノジェネシスの例からしてもMr. Prospectorをインブリードして情報を整理してしまうべきではなかったか。ここの外連味を始末することに関して、この累代はどこまで機能するのだろうか。初仔であるから、繁殖牝馬ノームコアは今少し様子見でもいいかもしれない。

 

アロンディ

性別 牡

父  ハービンジャー

母  パドゥヴァルス

生産 白老ファーム

馬主 キャロットファーム

厩舎 武英智

https://db.netkeiba.com/horse/2022105827/

サンデー4×3かつSadler's Wells4×4の母パドゥヴァルスに緩和材料としてのハービンジャーが配されたのが本馬。緩和と緊張はセットとしてあるべきで、ハービンジャーはその役割を果たしている。好配合と一口に表して良いと思う。クラブ馬らしくしっかりじっくり賞金を稼げる馬だろう。

 

アメリカンビキニ

性別 メス

父  American Paroah

母  パリスビキニ

生産 ノーザンファーム

馬主 シルクレーシング

厩舎 斉藤崇史

https://db.netkeiba.com/horse/2022104957/

「4分の1非Prince Rose」を構成したAmerican Pharoah×Bernardiniの配合。非Prince Roseを構成したのが母母Lacadenaで、キングカメハメハやエルコンドルパサーに近しい組み合わせではあるが、Blushing Groomの影響が出やすい血統と言える。Nijinskyが絡まず異系的スタミナも不在となれば、順当にHyperion型のパワースプリンターだろう。「4分の1Nureyev≒Sadler's Wells2×2」で満貫まで見える配合だが、父American Paroahとの組み合わせは評価しづらい。

 

サンディエゴ

性別 牡

父  キズナ

母  ファイネストシティ

生産 ノーザンファーム

馬主 前田幸大

厩舎 清水久詞

https://db.netkeiba.com/horse/2022104982/

昨年に指名したダノンウィルヘルムの半弟。種牡馬キズナと好相性を見せる「Princequillo×Count Fleet」やSeattle Slewを引く。Wild Risk由来のパワフルストライドで走るだろうし、内回り外回りどちらでも差しきれない場面が出てくると思う。ディーマジェスティとディープボンドを足して割った様な表現となるだろうから、素質があっても勝ちきれないし、機会があればものに出来る。

 

ファンダム

性別 牡

父  サートゥルナーリア

母  ファナティック

生産 白老ファーム

馬主 キャロットファーム

厩舎 辻哲英

https://db.netkeiba.com/horse/2022105836/

ジャスタウェイ×Relicの組み合わせを私は愛している。であるから本馬の母ファナティックを良い配合と考える。だが本馬はどうか。グレイトフィーヴァーにトニービンとシーザリオ、キングカメハメハが構成されるだけで満貫と言っていいし、「8分の1Kaldoun・8分の7非Relic」と謳うのもいい。しかしいずれの旨味のおいてもサンデーサイレンス4×4がプラスに働く様子がない。サートゥルナーリア×ルーラーシップ+グレイトフィーヴァーでキンカメ3×3の方が評価はしやすかったか。

 

リンゲルブルーメ

性別 メス

父  ドレフォン

母  ブルーメンブラット

生産 ノーザンファーム

馬主 キャロットファーム

厩舎 池添学

https://db.netkeiba.com/horse/2022105011/

母ブルーメンブラットはダービー馬を父に持つマイルCS勝ち馬であるから、繁殖牝馬としての価値は非常に高いと言える。シュトラウスが待望の大物と思われているが、現状では気性の難しさが影響して停滞。Sir GaylordとFair Trialの表現が噛み合わない難しさが明確となった。本馬はその難しさを先送りにすることを大きな目的としており、すでにデビューしてしまったが、想定通りに気性難に苦しんでいるようだ。これはこれで正しい表現であるから、次世代で勝負すればよいだろう。

 

ダンスデュヴァン

性別 牡

父  ルヴァンスレーヴ

母  フーラブライド

生産 白老ファーム

馬主 G1レーシング

厩舎 武英智

https://db.netkeiba.com/horse/2022105841/

母フーラブライドはゴールドアリュール産駒ながらも芝を走った重賞馬で、Reluctant Guest≒マルゼンスキー3×3が強い表現。教科書的に考えるとゴールドアリュールの肌はNorthern Dancerが濃くなりがちであるので、「4分の1非Northern Dancer」を構成できるルヴァンスレーヴやエピファネイアとの配合は褒めやすい。しかし「8分の1メジロマックイーン」という個性においてはオルフェーヴル産駒の方が上等であり、オルフェーヴル産駒を指名しない以上は、フーラブライドの仔を指名する理由もない、というのが実情だ。

 

ロールザボーンズ

性別 メス

父  ゴールドシップ

母  ボーンスキルフル

生産 社台ファーム

馬主 社台レースホース

厩舎 牧浦充徳

https://db.netkeiba.com/horse/2022105513/

母ボーンスキルフルは4勝したスプリンターで、全兄にナリタスターワン、半姉にプロヴィナージュ、その仔にサンライズジークというファミリー。北米の皮を被った英国血統というのが3代母ボーンフェイマスであり、ファミリーのレースぶりからもそれはなんとなく感じとれるとは思う。母の父ショウナンカンプもまた意外と英国的であり、アサマユリのインブリードも伊達ではないようだ。これはじっくりと成長して稼ぐ馬だろう。

 

ノクターン

性別 メス

父  キタサンブラック

母  ラッドルチェンド

生産 ノーザンファーム

馬主 シルクレーシング

厩舎 木村哲也

https://db.netkeiba.com/horse/2022105118/

キタサンブラックの牝馬というだけで減点を一つ入れるが、内回り志向のキタサンブラックという点でも一つ減点。内回りのパワーは基本的にBlue Larkspurが起点となるため、キタサンブラックの軽快さを損ないやすい。HyperionとFair Trialを増幅させた結果として内回り向きとなるならば別だが、Danehill≒Miesqueではやはり北米パワーが基本だろう。半姉テルツェットの表現を目指すならば半妹のコントレイルが褒めやすい。

 

カルタジローネ

性別 メス

父  リアルスティール

母  ラファダリ

生産 ノーザンファーム

馬主 G1レーシング

厩舎 池上昌和

https://db.netkeiba.com/horse/2022105121/

ドレフォンの近親。母はダーレー出身のシングスピール肌であるが、7頭の仔から勝ち上がったのはドゥラメンテ産駒のラファドゥラのみ。ドレフォンの他にも活躍馬が出るファミリーであるものの、シシリーⅡのラインはかなり苦しい状態にある。意図のある積み重ねを行なう段階であるとして、リアルスティールがそれに適う選択であるとして、なお、一手が足りない。次代にブラックタイド=ディープインパクトを軸とした相似配合を狙うのであれば、それで足りるか。

 

クラリネットソナタ

性別 メス

父  ナダル

母  レニーズゴットジップ

生産 社台ファーム

馬主 社台レースホース

厩舎 田中博康

https://db.netkeiba.com/horse/2022105585/

Pretty Pollyに頼る部分が少ない北米配合で、Ladas的な脈絡が果てしなく強い。フォーティナイナーを表現するのに十二分の道のりを歩んできたと思うが、NijinskyとPocahontasのニュアンスも強いかもしれない。そうなると気性的な部分とアンマッチが生じて競馬が難しくなるのではないか。

 

エリキング

性別 牡

父  キズナ

母  ヤングスター

生産 ノーザンファーム

馬主 藤田普

厩舎 中内田充

https://db.netkeiba.com/horse/2022105099/

「軸足がぶれてなければ問題ない」という本宮ひろ志タイプの漢が種牡馬キズナであるため、本馬の母くらいに一貫した取り組みを続けた繁殖牝馬との方が長打力が高い。本馬の場合はFlambetteの経由を絞っているのも大きなポイントとして挙げられ、中距離の大舞台を狙うキズナ産駒にも欠かせない要素だ。基本的に褒めるところしかない配合であるが、継続ベターと言えるSomethingroyalを母が引かないことが傷として大きいかもしれない。この構成だとHis Majestyの主張が通る可能性があり、そうなるとダービーに間に合うかが怪しい。シャフリヤールの前例もあるが。

 

 

非社台枠

ウインベアトリス

性別 メス

父  エピファネイア

母  ウインシャトレーヌ

生産 コスモヴューファーム

馬主 ウイン

厩舎 深山雅史

https://db.netkeiba.com/horse/2022106214/

シンプルに褒められない配合。褒められるのは取り組みに一貫性があること、そしてその取り組みがBurghclereという名繁殖の理屈に適うことだ。配合の輪郭はブローザホーンに似ており、ノーザンテーストの主張をしっかり受け止められる配合といえる。相当に奥手かもしれないが、ウインクリューガーの親族と思えば春に間に合う可能性へ賭けてもいいだろう。

 

コパノヴィンセント

性別 牡

父  コパノリッキー

母  ヴェアリアスローズ

生産 村上牧場

馬主 小林祥晃

厩舎 上原博之

https://db.netkeiba.com/horse/2022107047/

父コパノリッキーはHyperionが凝縮された配合と表現しても良いが、Dark Ronald的凝縮が強いと言ったほうが適切かもしれない。Mr. Prospectorの粘り強さと言い換えると血統論における表現として難しさは出るが、これを増幅したMr. Prospectorの系譜がFappiano~Unbridled's Songと言えるから、それで納得はしてもらえるだろう。この部分を増幅しながらも、その対極に位置するサンデーサイレンスを3×4でインブリードした本馬は配合としては好形と言うべき。しかしスピードを担保する血統として母父スターリングローズは弱いので、高目は芝の中距離~中長距離だろう。

 

レイヤードレッド

性別 牡

父  フィエールマン

母  エキナシア

生産 ミルファーム

馬主 ミルファーム

厩舎 手塚貴久

https://db.netkeiba.com/horse/2022103310/

8月10日時点ですでに2戦。オーキッドロマンスの4分の3弟で、父がダービー馬から春天連覇へ変わって中距離を走っている。「緊張と緩和のリズム」をなぞってきた母系なだけに血統表の字面通りに表現を持ってきているし、どちらかと言えば、それを継承しながら「4分の3Danzig・4分の1ディープインパクト」を構成した兄の方が配合は褒めやすいか。フォーティナイナーの前受けで食っている母親にクラシックディスタンスの怪物たちをつけるのは理屈として圧倒的に正しいが、POGでは少し厳しい。エポカドーロくらいの配合的妙味が必要かと思う。

 

Olive Groveの2022

性別 牡

父  Earthlight

母  Olive Grove

生産 Godolphin

馬主 

厩舎 

https://db.netkeiba.com/horse/2022110027/

父Earthlightはクラシックディスタンス累代の短距離馬であるから、グランアレグリアなどに似た形。本馬もその傾向を、強いインブリード混じりに継承した配合であるから、再び短距離に出ても不思議はない。Storm Cat≒El Gran Senor≒Green Desert4・5×4の主張が強い配合であることも含めると、短距離に出ないほうが不思議というべきか。インブリードの対象となった血統がいずれもクセの強いものであることから、POGでは指名しづらい。

 

クァンタムウェーブ

性別 牡

父  ナダル

母  クァンタムミス

生産 田端牧場

馬主 キャロットファーム

厩舎 松永幹夫

https://db.netkeiba.com/horse/2022106395/

種牡馬ナダルにおける「共通言語」はHail to Reasonであると言えるので、どちらかと言えば産駒は4分の4Hail to Reasonを構成した方が褒めやすい。難しいのはAlmahmoudの存在で、本馬のように4分の1非Almahmoudを構成した方が褒められるのは分からない。割合として、国内を走るダートチャンピオンは圧倒的に「4分の1非Northern Dancer(or Almahmoud)」が多いことから、ダートで大物を出すであろう種牡馬ナダルにおいても同様の構成を狙うべきだとは思う。そしてHail to Reasonを用いて語るにたるサンデーの系譜は数が少ないとも思うから、好形・好配合の輸入繁殖との配合を狙いたい。母クァンタムミスはStorm Cat持ち種牡馬との組み合わせで評価を上げてきた繁殖牝馬だが、明確な根拠となる組み合わせを持たない。ナダルを相手にオープン級を出してほしい。

 

イガッチ

性別 牡

父  リアルスティール

母  クリーミーボイス

生産 下屋敷牧場

馬主 猪俣晶介

厩舎 笹田和秀

https://db.netkeiba.com/horse/2022100699/

8月12日時点で2戦1勝。アルーリングアクトの枝は「早くて速い」を身上とすることから、打率は良くても長打率が伴わない。特に一族の牡馬には重賞クラスの壁が厚いようだ。種牡馬ディープインパクトの理屈から言えば本馬のMonevassia=Kingmambo3×3は底力≒スタミナという観点で褒められるし、母系の速さを支えるだけのものはあるだろう。薔薇一族の例を思えば、このあたりで牡馬が壁を破るかもしれない。

 

シンヒダカゴールド

性別 メス

父  リオンディーズ

母  ゴールドヴァレー

生産 飛野牧場

馬主 

厩舎 

https://db.netkeiba.com/horse/2022104198/

2代母プレイガールはフサイチコンコルドの同血のいとこにあたる。バレークイーンの一族にも見られるスピードの不足がプレイガールの一族にも見られるし、本馬は配合からしても重厚。「如何にしてスピードを取り込むか」の段階にあり、リオンディーズという選択はその点で大いに褒められると思う。Flower Bowlの表現が強い晩成に出るだろうから、POGでは割引だろう。

 

レイデラティエラ

性別 牡

父  スワーヴリチャード

母  シウダニーニャ

生産 富菜牧場

馬主 

厩舎 

https://db.netkeiba.com/horse/2022103070/

ドンフランキーの従兄弟。母母Startinthemeadowが非Hyperionで、母父Leroidesanimauxは「16分の1Roberto(Blue Larkspur4×4)・16分の15非Blue Larkspur」(この後継アニマルキングダムは「32分の1Roberto・32分の31非Blue Larkspur」)。HyperionとBlue Larkspurの影響が分離した状態にあるのが母シウダニーニャの特徴であり、ハーツクライ直系牡馬として非常に褒めがたい配合をしている。あくまでも私の価値観における話だが、POGで狙うならば父キタサンブラックの半弟だろう。

 

センツブラッド

性別 牡

父  ルーラーシップ

母  サマーセント

生産 ダーレー・ジャパン・ファーム

馬主 

厩舎 斉藤崇史

https://db.netkeiba.com/horse/2022101648/

キセキを超えてくるルーラーシップ産駒はなかなかないと思うが、本馬の配合はキセキ超えを期待できるレベルにある。近親にドゥレッツァやSalsabil≒Marju≒Second Empireがあるファミリーで、母はオープン級で活躍したとは言いづらいがマーメイドS勝ち馬だ。順調ならばダービーに間に合わせてもいいと思うが、本格化のタイミングが読み切れない。ステイゴールド的に4歳5歳まで待つ可能性もあるが、エアグルーヴの孫として秀逸である分、3歳春の中長距離ならばトップクラスと勝負が出来るかもしれない。ダーレーの生産ならば古馬完成で安定するとの読みでスルー。ノーザンなら指名したと思う。

 

スニーカースキル

性別 メス

父  キズナ

母  ストリートバンド

生産 レイクヴィラファーム

馬主 藤田晋

厩舎 杉山晴紀

https://db.netkeiba.com/horse/2022105964/

エリキングと似たイメージで褒めていい配合だと思うが、Tom FoolとSun Againの絡みがいささかに強いのが気にかかる。母が好配合形の父母相似配合であるから、この影響は伝わりやすいだろう。その母が伝えるものがTom FoolとSun Again的なものを含み、そうしたキズナ産駒は短距離に寄ることが多い。これはHyperionとRomanを天秤にかけてHyperionを引くことで中距離の格を得る仕組みが理由。アドマイヤラヴィやスカイグルーヴに近い構成、表現ではないか。

 

ニシノエンデヴァー

性別 牡

父  ミスターメロディ

母  スピンク

生産 棚川祐志

馬主 西山茂行

厩舎 宮本博 

https://db.netkeiba.com/horse/2022104070/

近親にサンデーウィザードとヒーズインラブ、叔父にワープスピードがある。4台母Dancingoniceが「4分の3Court Martial・4分の1非Court Martial」を構成しており、それは本馬の代まで続いている。伝統的な取り組みを続けてきた以上は一族のイメージから外れた表現は出ないはずだ。それなら父が新種牡馬でも好形の配合と褒めやすい。ゴリゴリの短距離馬というよりかは、1400mをじわっと追い込むイメージ。気性が厳しくなければ1800mでも。

 

スマイルスターの2022

性別 牡

父  ブリックスアンドモルタル

母  スマイルスター

生産 千代田牧場

馬主 

厩舎 

https://db.netkeiba.com/horse/2022104134/

近親にクリールカイザー。2代母スマイルプライズはその4分の3姉とも言えるが、オークス馬スマイルトゥモローから見て4分の3同血の姪とも言える。母は分かりやすくダンシングブレーヴ縁の気難しさを受け継いでいるから、イクイノックスやドウデュースに近い難しさを本馬にも伝えるだろう。父がブリックスアンドモルタルということもあって逃げ先行で完成するかもしれないが、この一族は末脚でオークスを制している。これは血統的に脈絡によって伝わっている要素であるから、外差しの手がないわけでもない。POGで狙うならば外差し完成の一手だろう。Lyphardの逃げ先行は3歳春には、なかなか間に合わない。

 

エスペシャリー

性別 メス

父  スワーヴリチャード

母  セイリングホーム

生産 木村秀則

馬主 広尾レース

厩舎 四位洋文

https://db.netkeiba.com/horse/2022103707/

基本形としてHail to Reason的な表現に狙いを定めたハーツクライ後継種牡馬の起用と思うが、配合としてはピンとくるものがない。8分の1Monsunとしてやるべきことをやっているとも言えるが、100点を目指すならばミスプロ系のスピードを母父に配したスターズオンアースを手本とすべきだろう。Monsunほどのアウトブリード血統を取り込んだ場合は、インブリードの活用が肝となる。本馬の血統表はそこに何も見えない。

 

モジャーリオ

性別 牡

父  リオンディーズ

母  テルメディカラカラ

生産 錦岡牧場

馬主 MOJA

厩舎 斎藤誠

https://db.netkeiba.com/horse/2022106603/

8月24日時点で2戦1勝。サートゥルナーリア×ハービンジャー(トゥルビンジャー)を狙おうと思ったところ、「これは別にリオンディーズ×ハービンジャー(オデンジャー)でも構わないな」という考えに至り、本馬に注目していた。フォトを見ても意外とイメージ通りであり、結構、悩みに悩んで指名漏れとなった。基本は父母相似配合と言ってよく、その上で当然の「4分の1非Hail to Reason by キンカメ」を構成している。ほとんどやっていることはレガレイラやステレンボッシュに近いが、そうなると母系に引くNasrullah1本が傷となる。あれらの馬に近い構成を狙うならば、まずランズエッジを配合しなくてはならない。

 

トレンドハンターの2022

性別 メス

父  ロードカナロア

母  トレンドハンター

生産 千代田牧場

馬主 

厩舎 

https://db.netkeiba.com/horse/2022104145/

母はフラワーC勝ちながら桜花賞3着を最後に引退した未完の大器。オークスに出ていればきっと・・・と噂される逸材なだけに、ロードカナロアを相手に怪物を出す素質はあるだろう。母トレンドハンターがHail to Reason4×4で父ロードカナロアが非Hail to Reason、こうした仕組みはまず働くと考えて良いし、ロードカナロアに対するStorm Cat3×4も私は肯定的に捉える。母父マンハッタンカフェによる「4分の1非Northern Dancer」も良いものだろうし、「4分の4Ribot」「4分の3Flower Bowl・4分の1マンハッタンカフェ」も良い。問題はこれが牝馬の理屈であるかどうかだ。Equipoiseが大きく絡むこの表現は、どちらかと言えば牡馬が似合う。

 

ハミルトン

性別 牡

父  キズナ

母  ドリームオブジェニー

生産 谷川牧場

馬主 ターフ・スポート

厩舎 高野友和

https://db.netkeiba.com/horse/2022102896/

配合面でけなす理由は特にない。大きなポイントは母ドリームオブジェニーの表現。兄や姉たちは早い段階で中距離の大舞台を争ったが、晩成すると短距離へ寄った。あまりSomethingroyal的な部分で成長する様子がなく、Tom Fool・Bold Ruler・Romanなどによる表現が晩成的に強くなるようだ。Nureyev直系らしい表現とも言えるが、そうなるとキズナの牡馬で大きく推す材料は乏しい。ダート方向に振り切った方が配合として褒めやすいのかもしれない。本馬は姿形が良く見えるだけに、試金石となりそうだ。

 

ガーンディーヴァ

性別 メス

父  ゴールドシップ

母  ナーゲルリング

生産 ビッグレッドファーム

馬主 ビッグレッドファーム

厩舎 菊沢隆徳

https://db.netkeiba.com/horse/2022106787/

9月2日時点で1戦0勝。必殺のダイナサッシュ≒アドマイヤマカディが光る上に、母ナーゲルリングはテイエムスパーダの全姉。セールスポイントは相当に強いものを持つが、POG的には微妙だろう。Promised Landのインブリードを持つゴールドシップ産駒であるから、シンプルに考えれば晩成。牡馬ならPOG期間中に素質で走ったかもしれないが、牝馬の場合は完全に成長待ちとなりがち。特にLyphard表現が絡まないパターンはそもそも走らない事が多い。(ウインバリアシオン・コウエイオトメ・スマートレイアー・アカイトリノムスメなど)

 

ワイドクリーガー

性別 牡

父  サトノクラウン

母  ピュアアモーレ

生産 新井牧場

馬主 幅田京子

厩舎 奥村豊

https://db.netkeiba.com/horse/2022105611/

サトノクラウン×ストラヴィンスキーの組み合わせは短距離に出るべきだろうし、母父がマツリダゴッホならば古馬となって1400mベストという塩梅か。ダートなら1400mと1800mでしっかり稼げそうで、馬主に抱くイメージ通りの馬だろう。6歳くらいまで時間を使いながらオープンを目指すような表現に出るのが一番いいのではないか。母系の奥がやや早く感じられるので、実際は5歳春くらいまでの血統だと思うが・・・。とりあえずPOGで指名云々という配合でもない。

 

オリジナルファイン

性別 メス

父  パイロ

母  ヒラボクビジン

生産 谷川牧場

馬主 ターフ・スポート

厩舎 清水久詞

https://db.netkeiba.com/horse/2022102906/

父パイロは「Nasrullah過多のニュー北米な父と非Nasrullahのクラシカル北米な母」の組み合わせで成り立つ配合。そのためか、牝馬に出た産駒は軒並み短距離を走っている。本馬もそうした道を歩むと考えられるが、母からRibot系の表現を受け継げば別だ。Pocahontasに絡む表現ならば1800mを差すだろうし、POGでも十分に動ける。牝馬向きの表現だと思うが、Aloe牝系の絡みが強いことを考えると成長はじっくりか。

 

ジャスティントレノ

性別 牡

父  Into Mischief

母  ピンクサンズ

生産 EM. Planning LLC

馬主 三木正浩

厩舎 杉山晴紀

https://db.netkeiba.com/horse/2022110005/

母ピンクサンズが「4分の3Nijinsky・4分の1Hepburn」で、本馬は「4分の3Nijinsky・4分の1Harlan's Holiday」を構成。更に母自身は父母相似配合で、本馬の代ではStop the Music4×5を主要なインブリードとしている。Harlan's Holidayの立ち位置がそのまま表現と直結しやすい形と言えるから、被根幹距離的な粘りっけのある軟さで走るタイプだろう。Includeが絡む表現ならHyperionでじっくりと熟成すべきだと思う。

 

フラワーバレイの2022

性別 牡

父  ゴールドシップ

母  フラワーバレイ

生産 出口牧場

馬主 

厩舎 

https://db.netkeiba.com/horse/2022101783/

父ゴールドシップはHalo的な部分をオンにした産駒が成功している。これはキンカメサンデーに近い仕事と言えるから、Mr. Prospector的要素を持ち出すことは間違いと言いづらい。確率と直仔の成功を追うならば半兄の父サトノダイヤモンドを褒めるべきだが、ゴールドシップをメジロマックイーンの系譜と捉えるならば、本馬の配合も褒められる。この配合の牝馬が3勝もすれば次世代の配合はとても楽しみになる。

 

ロードスカイブルー

性別 牡

父  ウインブライト

母  ブーケドロゼブルー

生産 加野牧場

馬主 ロードホースクラブ

厩舎 和田勇介

https://db.netkeiba.com/horse/2022100557/

端的に、こうした構成を褒めることはない、という配合。叔父にコスモバルクがある血統だが、その活力を褒め、尊重するのであれば本馬の父にダイナサッシュ≒アドマイヤマカディ3×3といった要素は不要。Northern Dancer血脈の導入に関して、ウインブライトという選択は素晴らしく思う。しかし、POGで指名するレベルには2つ3つ足りない印象だ。良い選択肢が思いつかない難しい繁殖牝馬。

 

ニシノイッキサス

性別 牡

父  Sottsass

母  ボーントゥービーオネスト

生産 ヤナガワ牧場

馬主 

厩舎 

https://db.netkeiba.com/horse/2022102221/

シンエンペラーを見るに、Sottsass=シンエンペラーの配合は予想通りに重厚なのだが、予想外に素軽く動けるようだ。フィエールマンのイメージに近いことを考えると、Green Tuneという血統は想像よりずっと主張が強いのかもしれない。であれば本馬の配合にあるUrban Sea4×3はGreen Tuneから表現の主導権を奪いとる目的を持つ。ドイツとLady Jurorが主導権を握るならば中距離に出ると思うが、意外と短距離かもしれない。ヤナガワ牧場がダイワメジャーをつけている。

 

ダイヤモンド

性別 牡

父  サトノダイヤモンド

母  マザーズデイ

生産 下河辺牧場

馬主 石川達絵

厩舎 清水久詞

https://db.netkeiba.com/horse/2022101456/

母はダッシャーゴーゴーの全妹。非Haloという役割をウインドインハーヘアからサクラバクシンオーへ移しており、この2血統はHaloを下支えするPretty Polly血脈としての意味合いが強い。サトノダイヤモンドは外回りの差し馬としてはA級止まりだったが、内回りを先行したときは間違いなくS級の競走馬だった。このS級のコンセプトを受け継いだ配合と言えるから、その通りに3歳春を苦しみ抜くだろう。むしろノーザンテーストが仕事をするほどに晩成となる。二度変わるほどにノーザンテーストが表現に関わってくれれば、配合も本望に違いない。馬主からしてもPOGはのぞみ薄か。

 

プルミエソルティ

性別 牡

父  レイデオロ

母  マドモアゼル

生産 三嶋牧場

馬主 モンレーヴ

厩舎 斎藤誠

https://db.netkeiba.com/horse/2022103243/

父レイデオロはHail to Reasonをあまり作用させないところがあるので、母が独自でそれを作用させる仕組み、例えばHaloのインブリードやニアリークロスを持った方がよいだろう。レイデオロ自身に強く訴える部分がない、存在が希薄なコルトサイアーであるから、母が完璧に主導権を握れる方が良い。本馬のような配合を褒めてきたし、昨年はイモータルバードを指名したが、間違いだったようだ。

 

ゴーゴータカシ

性別 牡

父  モーリス

母  ビップベリンダ

生産 モリナガファーム

馬主 井山登

厩舎 武井亮

https://db.netkeiba.com/horse/2022102135/

母ビップベリンダはウインバリアシオンの全妹。モーリス産駒の典型的に走るパターンであるし、9月8日時点で新馬戦勝ち+コスモス賞2着。指名しなかった理由は大器晩成が過ぎる配合であるためで、とにもかくにもSun Againまみれな配合だ。配合の格好良さはジャックドールにも負けやしないのだから、これだけ走るのなら3歳春に東京優駿へ進むくらいの活躍を期待する。

 

ラーナローザ

性別 メス

父  ドレフォン

母  ラーナアズーラ

生産 グランデファーム

馬主 ターフ・スポート

厩舎 畠山吉宏

https://db.netkeiba.com/horse/2022102785/

ドレフォン×パイロ×フジキセキで格好良いが、続くエルコンドルパサーが惑星。Tale of the Cat≒Pulpit≒エルコンドルパサーが成立するかどうかだろう。この累代でサンデーサイレンスが浮いてもおらず、配合の方向性はおおよそ同じ方向性を向けているのだろう。Wild Againといった血統を活かすには北米一辺倒では厳しいところがあり、傷といえばここが傷となるだろう。パイロが高く跳ねるならば、英愛系のHyperionを如何に引くかが焦点となる。

 

キングスコール

性別 牡

父  ドゥラメンテ

母  レインオンザデューン

生産 飛野牧場

馬主 DMMドリームクラブ

厩舎 矢作芳人

https://db.netkeiba.com/horse/2022104207/

9月8日時点で1戦1勝。ドゥラメンテ×Frankelでスピードが不足しがちな上に母系は中距離ダート系。3代母Ten Centss a Turnは非Hyperionの「Cozzene×Mr. Prospector×Damascus×Buckpasser」という構成。そこにHyperion4×5のDeputed Testamonyが配されて「4分の3Count Fleet・4分の1Proof Requested」となったのが2代母Hurry Home Hillary。本馬自身はCount Fleetの継続に絡む「4分の3Mr. Prospector・4分の1アドマイヤグルーヴ」で、ドゥラメンテ×Frankelの累代だ。Hyperionを順当に充当していった形であるから良形と言える。王道のドゥラ産駒と言いづらいのが4分の1非Northern Dancerを構成する点で、これはドゥラメンテ自身の保つ「4分の1サンデーサイレンス」としての強さを尊重する形だ。そしてそれをHurry Home Hillaryで行なうということは、サンデーサイレンスの精神性を受け継ぐということに相違ない。

 

レジュールダムールの2022

性別 牡

父  レッドベルジュール

母  レジュールダムール

生産 石川牧場

馬主 

厩舎 

https://db.netkeiba.com/horse/2022103449/

スーパームーンの甥。父レッドベルジュールは全姉レッドベルローズや全弟レッドベルオーブ、半弟レッドベルアームなどが競争馬として成功し、自身はデイリー2歳S勝ち馬。本馬の配合はHalo軸として正しいだろうし、父も低額ながら種牡馬として躍動するかもしれない。この父母でPOG指名するだけの勇気もないし、根拠も見えないというのが本音。

 

オフザチェイン

性別 メス

父  ロードカナロア

母  ワンダーガドット

生産 ケイアイファーム

馬主 ロードホースクラブ

厩舎 友道康夫

https://db.netkeiba.com/horse/2022100662/

母がSadler's Wells≒Strawberry Road≒Touch of Greatnessで、これを下支えするWar Relic≒Eight Thirtyの輪が強力に作用。3代続けて同じようなことをしている血統とも言える。ロードカナロアも基本骨子は同じであるが、Hail to Reasonという大きな要素を持たない。友道師がしっかり作り込む中距離配合だと思うが、ダートかもしれない。ロードカナロア産駒は靭やさの上に諸々の要素を積み重ねるから、ダートを戦うパワーを身につけるなら時間を要する。

 

 

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