今年もエルコンさんとのタイマンPOGが始まります。今年は社台の良い血統が多くて、非社台枠に時間を作りきれなかったのが残念かな。
1位 ブラストウェーブ
性別 牡馬
父 ハービンジャー
母 ツルマルワンピース
生産 ノーザンファーム
馬主 シルクレーシング
厩舎 大竹正博
https://db.netkeiba.com/horse/2020103479/
評価の高い1頭。母ツルマルワンピースは大当たりの名繁殖候補である。
これだけ高い評価を得ていると指名したい気持ちしか沸かないが、ジリ脚というか、大型馬であるから好位から速い脚を使うことを期待できない。初戦の東京1800mがどういう結果に出るか。
この類の配合はAlmahmoudで走るため、大型に過ぎるのは不安材料。しかしハービンジャーはイギリスの皮をかぶった仏米配合である。仏米であるから大型の走りに不足は生じづらいと思われる。英国の血筋は大型に出ると日本じゃイマイチだ。
懸念点はそれくらいだろう。ハービンジャー産駒で英国を表現する馬は多くない。
2位 マラマ
性別 メス
父 Dubawi
母 Amour Briller(アムールブリエ)
生産 英国産
馬主 前田幸大
厩舎 松永幹夫
https://db.netkeiba.com/horse/2020110091/
桜花賞まで駒を進められたらどうとでもなるタイプ。祖母ヘヴンリーロマンスも母アムールブリエも晩成したが、異系とすら言えるDubawiが父ならば変化はありそう。
Winalot≒Ambassador=Brown Princeの流れがDubawiの格好良いところで、アムールブリエが相手だとMr. Prospector4×3。ファーストアクトの最も良いラインから産まれただけでも大きな加点材料だが、これだけの配合だとDubawiだろうとも芝の中距離馬として狙いたくなる。
速い脚を使う印象はないが祖母ヘヴンリーロマンスはスローの秋天を差し切った。母アムールブリエは地方ダートを主戦場としたが、Smart Strikeという血統は直仔こそ内回り小回りをパワーで走る馬を出したが、母父としては直線の長いコースを得意とする。長くストロングリターンがBMSの代表格としてあったが、スターズオンアースが牝馬二冠を達成して更新となった。
父DubawiはShareef Dancerとダンシングブレーヴが「Northern Dancer×Sir Gaylord」。Smart Strikeは母Classy'n SmartがTurn-to×PrincequilloでSir Gaylordに近いラインを持つ。ヘヴンリーロマンスも母ファーストアクトが「Northern Dancer×Nasrullah×Princequillo」の組み合わせ。外回りを走る素養があるとも言えるが、いずれの血統もHyperion×Son-in-Lawと結びついていて、やはり速い脚で行くイメージは浮かびづらい。
鈍重と言うべき配合形なのでスローは微妙。しかし距離は牝馬としては長めと思われるからスローは歓迎。スターズオンアースと同じ母父Smart StrikeのMr. Prospector4×3だが、望む展開も似ているのかもしれない。
3位 シリアルノヴェル
性別 牡馬
父 ノヴェリスト
母 ダイワレジェンド
生産 社台ファーム
馬主 社台レースホース
厩舎 伊藤圭三
https://db.netkeiba.com/horse/2020102935/
ノヴェリスト×スカーレットブーケは鉄板の配合。ノヴェリスト×ダイワメジャーはもちろん、ノヴェリスト×ダイワスカーレットも成功している。2例しかないがダイワメモリー=ダイワクンナナが3勝した。
この2頭はいずれも牝馬であるが、ダイワスカーレットの一族にしてはダートではなく芝中距離で成功した。ただ社台ファーム×伊藤圭師の組み合わせは「ダートに傾く可能性がある芝中距離馬」が多い。これは配合通りであるから問題なし。
伊藤圭師は砂と芝の判断に間違いが少ないので、迷走の可能性がグーンっと下がる。POGとして考えると「社台レースホースの低価格×伊藤圭師」に頷き難いが、ケチをつけられるのはそれくらいだろう。
初仔の姉は馬格がなかったが、本馬は問題なし。父の生殖能力が低下している様子がある、ノヴェリストをPOG指名する、という要素を除けばパーフェクトと言ってい。一口で大人気したのはリーズナブルな価格以外にも理由はあるだろう。
4位 ソールオリエンス
性別 牡馬
父 キタサンブラック
母 スキア
生産 社台ファーム
馬主 社台レースホース
厩舎 手塚貴久
https://db.netkeiba.com/horse/2020102899/
父キタサンブラックはアンビシャスに敗戦した歴史を持つ。ドゥラメンテもアンビシャスと接戦の勝利を持ち、彼の産駒はKris(アンビシャスの3代母父)との相性が認められた。キタサンブラック産駒も近い内容で、Tudor Minstrelの血脈と相性が良いのではないか。
母スキアはヴァンドギャルドを輩出した繁殖牝馬で、硬い実績を持つ。本馬もそこそこに走ってくるだろうし、京都外回りは鬼だと思っている。デビューは先だろうが、京都新聞杯に間に合えば面白い。これ以降は順調に行けばいいが。
5位 マテンロウウェイ
性別 メス
父 ジャスタウェイ
母 ギモーヴ
生産 ノーザンファーム
馬主 寺田千代乃
厩舎 中内田充正
https://db.netkeiba.com/horse/2020103334/
種牡馬ハービンジャーはトニービンと上手く行かなかったが、BMSハービンジャーはトニービンともBurghclereとも上手くやっている。そのあたりが肝なのだろう。
しっかしサンデー3×4。悪いとは思わないが刺激的である。スピードを担保する様な形になっていて、オークスはこなせるかもしれないが本領発揮とはならないか。桜花賞ならば前受けしたい。
母ギモーヴはいささかTudor Minstrelの影響が強いというか、Bold Rulerのニュアンスが強い走法。パワー系の走りといっていいだろう。それはきっと本馬にも受け継がれているだろうから、判断が難しくなる。
ジャスタウェイにハービンジャーに、というのはヒカルアマランサスのBold Rulerを活かすための累代と言える。これらの影響にはTudor Minstrelが含まれるので、気性面で難しさが出るかもしれない。
鞍上が横ノリならば最高だ。Tudor Minstrelは流れに乗せてなんぼ。スムーズに走ってなんぼ。ギモーヴはそういうレースを4つ勝った馬である。パワー系で流れに乗るということになると、ローカル1800mや阪神1400mがベター。東京をきれいに差すのは骨が折れる。
6位 ルクルス
性別 牡馬
父 ハーツクライ
母 チリエージェ
生産 白井牧場
馬主 インゼルレーシング
厩舎 松永幹夫
https://db.netkeiba.com/horse/2020101635/
名スプリンターであるハクサンムーンの弟。その通りにチリエージェの仔は短距離志向であるが、本馬はもう少し距離に融通が利きそう。ただし、同じ母父サクラバクシンオーのキタサンブラックが見せた距離適性はありえない。
ハーツクライ産駒らしい緩く走る時期はあるだろう。その時分においては2000mにも適応するかもしれない。だがA級のチリエージェならば気性難が視野に入る。ならば2000mへの挑戦は難しいというべきだろう。2歳時はマイル専念で。
どれだけ走っても朝日杯FS掲示板までだろうし、ハーツ産駒だから3歳春時の成長力は信用できず。よほど展開と相手関係に恵まれなくては賞金の加算は厳しいだろう。5着まで走る力はあると思うから、少しずつ稼いでほしい。
7位 サンライズブラスト
性別 牡馬
父 エピファネイア
母 ヘラルドスクエア
生産 フクオカファーム
馬主 ライフハウス
厩舎 石坂公一
https://db.netkeiba.com/horse/2020100945/
レッドジェノヴァの甥にあたり、本馬はその叔父と4分の2同血の間柄。レッドジェノヴァがシンボリクリスエス×コロンバスサークル。リオンディーズ×レッドジェノヴァが実現すれば、そのいとことは4分の4同血の間柄となる。
父エピファネイアは完全に芝の種牡馬であり、キングカメハメハとホワイトマズルは芝とダートが同程度。ささやかに芝が優勢か。本馬の3代母マンハッタンフィズがマンハッタンカフェの全妹で、BMSマンハッタンカフェはダート優勢。
マンハッタンカフェの一族はHyperion×Fair Trialの粘着力を重ねる傾向があり、それを緩和した時の一発が魅力的だ。本馬はホワイトマズルとキングカメハメハで粘着力を重ね、エピファネイアで緩和している。エピファネイアはSpecialからのみFair Trialを引く。
エピファネイア産駒はサークルオブライフを除けばおおよそHyperion×Fair Trial(×Pretty Polly)の粘着力を持つ肌から上級を出している。本馬はその系譜であり、サークルオブライフの母父アドマイヤジャパンと同じ一族。配合の面では心配がない。
それだけにダートを走った方が稼げる可能性もある。同じサンライズの冠名を持つサンライズソアがシンボリクリスエス×スペシャルウィーク×ホワイトマズルで、こちらに近い表現かもしれない。それはそれでよし、だ。
8位 アナンジュパスの20
性別 メス
父 ミッキーロケット
母 アナンジュパス
生産 岡田スタッド
馬主 LEX PRO
厩舎 石坂公一
https://db.netkeiba.com/horse/2020103864/
母アナンジュパスは3勝。母母エンゼルカロは函館2歳S勝ち馬。代々の配合に対する説得力が高く、傷らしい傷は見えない。
父ミッキーロケットは稍重の宝塚記念を制した先行馬。重馬場巧者の非サンデーでキンカメ後継種牡馬というとルーラーシップがある。このルーラーシップの代表産駒がキセキで、キセキは母の父ディープインパクト。
切れ馬を相手にする質だと思うが、ノーザンの切れ馬に勝てる保証はゼロ。滑る馬場はともかく重い馬場は得意だろうから、それで賞金を加算してほしい。内回りはそこそここなすだろうが、勝ち切るまであるかどうか。
外回りでバキューンが出来るなら上級の素質。桜花賞まで駒を進められたならば大成功だ。後躯は非力だが、Solario的にもSir Gaylord的にもこれで正解。競馬は後方から。
終わりに
今年はロマンチック要素多めで、低価格帯の馬も多め。これはアドマイヤラヴィとディーンズリスターの反動も大きくあります。かといって、故障しづらい馬とか選ぶ力はないので、あんまり関係ありません。
今年は全て違う種牡馬から選ぶことになってしまいましたが、たまたまです。万が一の指名被りがあったときの楽は出来る、とは思いました。それだけ。
また、今年はインブリードの度合いを考えていません。アウトブリードの方が格好良く見えますので、インブリードに納得が出来る配合を選んではいます。
緊張と緩和の観点で、追いたい、絶対に指名したい、と思う馬はいました。なんかこう、そうじゃないんだよなぁ、と馬体で切りましたが。好きな配合ほどシビアに考えてしまいます。(穴党気質というか、天邪鬼というか)
ツルマルワンピースが、1位指名馬が今年の指名におけるコンセプトです。Lady Juror的な粘着力に長けた配合馬がほとんどで、ハーツクライ産駒の活躍が目される世代というのを意識しています。
早くに活躍してもA級ハーツ産駒に食われちゃいますから、そこは静かに過ごして、3歳時に賞金を重ねていける様なタイプを狙う、という。指名馬の半数は2歳時にデビューもしていないかもしれません。
来年のオークスとダービーは指名馬の出走が見たいものです。まぁ、馬券的には出走していない方が良いのかもしれませんが。いや、アスクビクターモアを指名できなかったのは痛恨でした。本当に良い配合なのですよ。
あと、近親に活躍馬を持つというのも結構意識しています。ブラストワンピースの全弟が1位で、2位はヘヴンリーロマンスにアムールブリエ。3位はダイワメ≒ダスカで、4位はヴァンドギャルド、5位はヒカルアマランサス≒カレンミロティック、6位はハクサンムーン、7位はレッドジェノヴァもそうですがアプリコットフィズ=ダービーフィズにクレスコグランド、そもそものマンハッタンカフェ。8位は4代母がテスコガビーの全妹。
ヘラルドスクエアは社台ファーム生産で、アナンジュパスはノーザンファーム生産。こういう要素も考慮しています。
[fin]