雑に色々考えましょう。
とりあえずサンデーサイレンスのインブリードは基本的に良いものと考えません。そこには一定の妙味・・・配合論として良いと見なすための材料が要求されます。
一方でサンデーサイレンスのインブリードを許容せねば繁殖の質は一段階下がると考えるべきでしょう。一段階で済めば御の字。実際はもっと下がるでしょうね。キズナやスワーヴリチャードも同じ立場ですから、この3頭でチャンスの奪い合いとなります。
サンデーサイレンスの代が1つ遠いからインブリードが許容されやすい・・・という話も実際問題としてないんですが、まぁ、字面の上ではそうですかね。ですからエピファネイアを筆頭とするシーザリオ種牡馬とイクイノックスなどと大きく競合することはないでしょう。
ただしこれは比較したときの話であります。ナダルなど非サンデー種牡馬を含めた大きな枠組みにおいて、そこに大きな差があるとは考えません。結局のところはライバルは多い。戦国時代ですね。本当に。
ですので「如何に非サンデー繁殖牝馬を集められるか」は不毛な話であるかと思います。彼女らはよりどりみどりで、逆を言えば生産者は楽しみと同じくらいの苦しみを味わうのでしょう。
仮に「朝日杯FS勝ち!ダービー馬!秋古馬三冠!」というサンデー3×4の種牡馬がいましたら、非サンデー繁殖牝馬に対してというよりかは、生産者にクリティカルヒットすると思います。他のサンデー種牡馬に対してアドバンテージがあるというよりかは、カテゴリが分かれますのでね~。種付け自体も実績の割に空いているでしょうし、サンデーを持たない繁殖牝馬にとって「安定の2番手」としてありつづけます。
これは社台グループからしても早い段階で輩出したかったカテゴリでしょうね。もちろん非サンデーの国産ダービー馬ほどではないにせよ、とりあえずは菊花賞馬は出ましたのでね。レイデオロの社台スタリオン残留は、アーバンシックの種牡馬入りほぼ内定も関係しているかもしれません。
話はそれてしまいますが、まぁ、キタサンブラックとレイデオロが輩出されたことによって「ウインドインハーヘアのインブリード」がものすごく現実味を帯びたのですよね。
そしてキタサンブラックはものすごく早い段階でイクイノックスという後継種牡馬を出し、種牡馬として非常に有用であることを示したのです。これはブラックタイドの血統が日本競馬へ深く浸透することを意味します。
ですので、レイデオロという種牡馬の価値が、種牡馬実績とは異なる場所で延々と上がり続けています。しかし生産者人気はものすごく低い。一発の高さかアベレージで営業を図らなくてはならないというのに、牝馬が一切走りません。中長距離適性高めの牡馬でしか勝負できない種牡馬ってなんなんだって話でしてね。
更に言えばキングカメハメハとシンボリクリスエスですから、エピファネイア×キングカメハメハのニックスに真っ向から反発します。牝馬が走るエピファネイア産駒において、血統の構成が似通うという一面は致命的と評するべきでしょう。
それでも、ブラックタイド=ディープインパクトに次ぐ素晴らしきウインドインハーヘアの血を継ぐものとして立場を与えなくてはなりません。非サンデーというのがそもそも素晴らしいし、ダービー馬というステータスが大変素晴らしい。活かさなくてはならない血統です。
このレイデオロに対を成す存在がアーバンシックであるわけですから、超長期的に見て、日本競馬は、ウインドインハーヘアのインブリードが散見されるようになるでしょう。そして多くの場合においてサンデーサイレンスのインブリードが伴います。そして、キングカメハメハの血も多くの場合で引くでしょう。
ブラックタイドの直孫を破ってダービー馬の栄光を手にしたドウデュースの産駒に求められるのは、まずキングカメハメハの血筋と良い結果を残すこと。そしてウインドインハーヘアを許容すること。
理想は、「4分の3ウインドインハーヘア、4分の1ドウデュース」ですね。そうなるとやはりレイデオロ×ディープ(=ブラックタイド)の組み合わせは成功して欲しいし、ハービンジャーのような存在も重要となります。
とかく理想。理想はね、サンデーサイレンスとウインドインハーヘアの多重インブリードを綺麗に4分の3と4分の3で構成して、レイデオロがサンデーをアウトブリードして、ドウデュースがウインドインハーヘアをアウトブリードするんですよ。方向性としてはこれでしょうね。
まぁ、キンカメとかボリクリとか、ダンスインザダークとか、NureyevなりNijinskyなり、様々の血統の模様がございます。もう少し時代が近づいてこないと分かりません。
ただ、ウインドインハーヘア3×4とかを相手にドウデュースをつけていくってのはありでしょうね。ただそれを狙うのは難しいので、何かしらのニアリークロスをウインドインハーヘアに噛ませて、そのときにどう出るか、と。
まー、記事からホイホイ読みに来た人はここが気になるんでしょうが、そんなもん出たもの次第なので。
ダンシングブレーヴ≒Alzaoを持ってくるパターンは基本的にディープインパクトかブラックタイドを絡めるパターン。サンデーサイレンスのインブリード含みとなりますと、ちょっと評価は難しくなります。しかしイクイノックスと同じ組成ですから、「ライバルの血」の考え方から活路はあるんじゃないですかね。(つまりは出たもの次第)
ウインドインハーヘア牝系出身馬はハーツクライが既に幅を利かせている業界。ドウデュースが絡む余地はあるにしても、ある程度の新規開拓は必要か。しかしウインドインハーヘアほどの名繁殖となりますと間違いなくその血筋は増えていきますので、ハーツクライと同条件かやや落ちるくらいじゃないですかね。スワーヴリチャードはここでも立ちはだかります。
Seattle Slew持ち種牡馬は意外とAloeに絡む部分が敏感ですから、ウインドインハーヘアが絡む場合は要注意かもしれませんね。そういう場合はRobertoを導入した方が高めを狙えそうですが、DanzigよりSadler's WellsとセットのRobertoが良さそう。
しかしそれってトウカイトリックです。イメージ全体のまとまりはありますし、ドウデュースとトウカイトリックの強みにどのような差があるのか、ちょっと言葉に出来ません。回転が速くて、それを維持できて・・・。違うのはスピード域と持続する長さですか。
つまりRobertoやSpecialの導入によってドウデュースの回転を緩めることが期待されると。血統の方向性として大きな違いがない中でそれを実現できると考えますと、悪い話ではないと思えます。どんどんソングオブウインド化が進むなぁ・・・。
Wild Riskというかウインドインハーヘアの場合はヴィミーですよね。ヴィミー自体はMr. Prospectorで制御する類の血統であるという風にレイデオロが解釈しておりますから、ドウデュース×ウインドインハーヘアにおいてはMr. Prospectorの父母間インブリードが基本となりそう。(FlambetteとかAmbassador的に)
それ以外のWild Riskに関しましては、ちょっとお邪魔かも。Le Fabuleux≒Wordenとかはノーザンテーストを引っ張り込んだ方がまとまるんじゃないですかね。そもそもその類はアドマイヤマーズがダイワメジャーの後継種牡馬として立派にやってますので、ドウデュースにまわってこないんでないかな。
Ribotに関しましては、まぁ、Allegedありますので。DanehillでFlower Bowlも全部まとめちゃった方があずましいと思いますが、その仕事はDanehillというよりはかKingmamboっぽい。やはりキンカメか・・・?
Miesque≒Danehillの影響が刺さりそうではあります。それならビンカメサンデーとの組み合わせはあり。トゥルビンサンデーとかリオビンサンデーと地味に競合しませんから、これがハマるなら稼げそうですねぇ。
(ビンカメサンデー=ハービンジャー×キングカメハメハ×サンデーサイレンス)
(トゥルビンサンデー=サートゥルナーリア×ハービンジャー×サンデーサイレンス)
(リオビンサンデー=リオンディーズ×ハービンジャー×サンデーサイレンス)
考慮に値するのは、他に、Krisの導入ですか。ネオユニヴァースとか、ケイティーズファーストとか。逆さまにしてみるとアドマイヤムーンが刺さる感じはします。
アドマイヤムーンがありならば、Seeking the Goldっとかのミスプロバックパサとの組み合わせも考える必要がありますね。それが関わるならクロフネとかもそうなんですが、まぁ、La TroienneとHyperionが高度に融合したタイプの血統群ですね。
Gone Westを抱える以上はKrisのことを考えるのはすごく自然ですし、そこからの発想としてミスプロバックパサもやはり自然。Seattle Slewのことを考えれば、Seeking the Goldそのものはともかくとして、Mr. ProspectorとBuckpasserの導入は至極自然ですか。
つまり北米血統のごった煮を更に受け入れることが出来るって話ですが・・・ハーツクライがそれを許容することが出来るのかなぁと。ジャスタウェイを代表例とした、「4分の1ハーツクライ」の難しさと直面するケースでないか。ハーツクライってやっぱり北米的な血統と表現で、だからこそ4分の1トニービンが刺さってるんですよね。
ドゥラメンテを筆頭とするエアグルーヴ血統もそうですが、「Nasrullah×Hyperion」の組み合わせというのは北米的な強みで走る血統です。トニービンにそれを重ねるというのは、異質なアイリッシュ&ブリティッシュのトニービンを北米サイドへ誘導することと同じでしょう。(Mill Reefを北米血統と言うのは賛否あるでしょうし、私はどっちとでも語ります)(あんまり興味ない)(血統論は一夜限り。宵越しの理論は持たない)
「4分の1ハーツクライ」に対してNasrullah×Hyperionを伴う北米方向への誘導が、どれほどまで有効であるのか。「16分の1トニービン」にどこまでの価値を求めるのか。そういう話ですね。
まー、それならトニービンをインブリードして、北米血統の受け皿を増やせばいいんじゃないかって思わなくも。インブリードに対する暴力的な理屈と言えますが、ジャスタウェイやドウデュースくらいの北米血統ならインブリードしてもいいんじゃないですかねぇ。
ただ、トニービンの経由がすごく限られているということは承知しなくちゃなりませんか。エアグルーヴかジャングルポケットか、ハーツクライかって感じですものね。母数を考えると、ハーツクライのインブリードを考えた方がむしろ建設的まであります。(それは流石にないか)(でも2×4が全然無理じゃないから・・・)
あぁ、でも、ドゥラメンテの娘を相手に出来るんですね。ドゥラメンテが肌に回ってどうなるかは不透明ですが・・・ありですねぇ。方向性が噛み合います。これで父母相似配合を起点に配合を語れるんなら・・・いや、相当強いですな。すごいぞ。
でも、オチに使って悪いんですが、スターズオンアースってめちゃくちゃ使い勝手悪い繁殖ですね。Monsunの影響が強すぎなんですって。ドゥラ×スマストでドイツを感じさせるのすごい。
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