砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

レガレイラは異質のハーツ直系馬となりえるか

レガレイラは祖母ランズエッジが「サンデー+Nijinsky×Lyphard+Crepello」の組み合わせとも言えて、ハービンジャーは「Northern Dancer+Crepello」の組み合わせを持つ父母から誕生しています。

ハービンジャー自身は「Nijinsky+Lyphard+Crepello2本」となりまして、その仔であるロカは「4分の3Crepello・4分の1ダンスインザダーク(Fox Cub)」ということとなります。

 

Crepelloという血統はBurghclereから引くだけあって英愛系のスタミナ的なものなのですが、Kris=Diesisなんかにも見られたり、ドイツにも含まれるという側面もあります。いずれにしても仏や北米ではないんですよね。

なので仏や北米と好相性を示したハーツクライという種牡馬からしますと、ロカという繁殖牝馬は守備範囲外というべきでしょう。ハーツ×ドイツのサリオスはともかく、ウインドインハーヘアかぁ、みたいな。

 

レイデオロに関しても言えることですが、ウインドインハーヘアの基本はディープじゃありません。ディープインパクトというのは、ちょっと異次元です。

そのため「直系曾祖母ウインドインハーヘアで直系祖父ハーツクライ」というレガレイラは基本的に英愛的スタミナ自慢であると言えます。この背景からして「函館中距離で牡馬を撃破」という新馬戦の内容は「とりあえずボーダーを超えてきたな」という感じなんですよね。

次走はアイビーSということで、ここのスローでしっかり脚を使って上がってきますと、スワーヴリチャードにダービーで本命を打った甲斐はあったのかなぁ、って思わなくもありません。

 

血統として貴重なのは間違いなくレイデオロなのですが、貴重であることと優秀であることは全くの別問題ですから。

短距離3勝のレイデオロ肌はいくらでも評価出来ますが、現状においては母系の優秀を引き継ぐことが前提となってしまいます。スピードの供給は母系に頼らざるを得ないにしても、スピードを下支えする部分、優れた緩慢をレイデオロが伝えられるのかっていうところですね。

Mr. Prospectorの緩慢は意外と需要がありそうなところですが・・・それはダーレーが強い分野です。ダーレーがレイデオロを使うかどうかにも注目ですかね~。

 

レガレイラに話を戻しますと、結局Crepelloというのは重厚であるというか、重厚な血統に含まれていることが多いわけですよね。

「CrepelloといってもDonatelloの直仔でしょ」「BurghclereはハイハットとかAcropolisとかAureoleとかに近いものでしょ」という話もまた頷ける部分で、こういう考えをしますとハーツクライの得意分野ではあったりもします。

重厚云々を言いますとVaguely Nobleとかがそうであるわけで、リスグラシューはそれで宝塚と有馬をバキューンしていますよね。

 

その上でタイトルのことに注目したいのはCrepelloの母系がFox Cubと同じものであり、Fox Cubを含む血統として最も著名であるのがサンデーサイレンスであり、サンデーサイレンスのインブリードがされているのがレガレイラである、ということなのです。

これは「ハービンジャーをサンデーサイレンスでサンドイッチすることは素晴らしい」という論調を助ける部分でもあります。というのも、ハービンジャーは英愛の皮を被った仏米の血統であり、その上でCrepelloを2本引くわけですよ。

Crepelloを引いて成功したハーツ直系馬は決して多くありません。レガレイラの配合が大成功となったとき、この観点から稀なものであると称賛しても良いでしょうね。ただ、そのときはハービンジャーという血統の異質さもいささか頭の片隅においても良いでしょう。

 

確かにハービンジャーは重厚です。しかし日本競馬で一定の成功を収める程度には軽薄を引き出せる血統でもありますよね。

それは仏と北米の血統でほとんどが構成されているからだよ、それをオンにしたらハーツクライの大好物なんだよ、だからレガレイラの成功は「配合の妙」「表現の妙」というべきで、決して変態的なものではないんだよ、そう言いたいところです。

成功、大成功へ届くかはまだ分かりませんが。

 

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