砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

前提が崩れた春天。

スローじゃないとキズナは駄目ですよ。


1000mを1分1秒7。こりゃきっちり中距離ペースですね。

ある程度は速くともいいだろう、と考えていたのだがもっともっと速かった。

きっちりした速い展開から一気に緩み、もっかい行くよ!とスパート。

12秒5以上の緩んだペースは初っ端の1Fと道中の4F。

時には11秒台を刻むこともあり、スパートは5Fに及ぶロングロングになった。

馬場としては平均的とも言えるのだが春天らしい展開と言えるのかな。

傾向そのものは昨年に近い、というかほとんど昨年。

時計は1秒ほど遅い。

こうなってしまえばステゴやハーツが強いですよねぇ。

距離に関しちゃディープは幅広く強豪馬を輩出しますがG1級となれば中距離だけでしょう。

中距離からちょっとマイルにお邪魔したりするけどね。

対してステイゴールドなんかは中距離よりもやや長めがお望みでしょう。

ハーツクライは自前のしぶとさで距離延長分を稼ぎ出すし。

ディープは貯金が少ないタイプですから・・・予定調和的に進まなきゃ容易く崩れますよ。

前残りを考えたサトノノブレスラストインパクトはきっちり崩れ去りましたなぁ・・・。

そういう展開を予想してヒットザターゲットを買ったのに・・・

机は駄目だね。分というのをわきまえてない。ヒットザは勝ちに行く馬じゃねぇ。

どうにかして内にぶち込んでひたすら溜めて溜めて・・・ラスト3Fを33秒台で上がりきる!

結果がともなわなくとも・・・自分の分を守らなきゃいかんのよ。

なのにあいつといったら押して押しての3番手4番手。

あほか。

そういう競馬が出来るなら人気背負って重賞勝てるわ。

さて。

「昨年ならウインバリアシオンが勝った」と俺は言っておりました。

キズナを負かすならウインバリアシオンしかいない」とも言いました。

「でもフェノーメノの覚醒も怖い。」とも。

ゴールドシップを買っている奴らの気が知れない」とも。

しかし「ウインバリアシオンの乗り代わりは怖い材料だ」と。

俺は馬券を買うときにびっくらこきました。

幸四郎?なんで?幸四郎?」

シュタルケはどうしたのか、と。

まさかのまさかで「乗り代わりの乗り代わり」。

岩田が乗っていれば、と後悔する準備はしていてもシュタルケで後悔する準備は全くのゼロですよ。

これでまた俺はどうしようもなくなりました。

「バリアシオンをこれでも買えるのか」と。

せめて調教で乗っていて欲しかった。それもなにもないぶっつけの幸四郎は・・・?

「どうしようもないじゃん。買えないよ。」

こうなってしまえば「お願い。ウインバリアシオン。お願い。4着で」と祈るだけ。

結果2着にがんばってきたのだから・・・。

幸四郎はいい騎乗をしたのか、それともこれはG1取りを逃したのか。

難しいよなぁ。この判断。

フェノーメノもまた「仕上がりが怪しい。」と誰もが思っていたことです。

「故障明けの一叩きでG1級に仕上がるものか」 なーんて。

調教師のコメントを見ても当人らですら「ピークには足りないね」というお言葉。

それでキズナが負けちゃうの? と僕らは春天ではディープを買えなくなるのかもしれない。

1着は仕上がり不十分。2着は乗り代わりの乗り代わり。

それらに負けたキズナ

キズナが勝てないならディープは春天馬を出せないのでは?」

まぁ、今年のペースでは勝てないのでしょうね・・・。

面白いくらいに日経賞組が独占したし。

しかし・・・ラスト1Fもきっちり伸びきったよなぁ。フェノーメノ

きっちり仕上げたら秋天も勝てるんじゃないか?

去年みたいなペースにならなきゃジャスタウェイ破りも可能かと。

また・・・ウインバリアシオンはここで勝たなきゃならなかったね。

乗り代わりの乗り代わり、という憂き目にあったとしても勝たなきゃならなかった。

しかし中距離G1じゃまだまだチャンスのある馬である。

今年いっぱいは最前線で買うべき馬ですね。

それでも条件が揃うことは少なく、アタマから買えることは少ないかも。

宝塚記念 馬場悪でタフな展開。距離が2200mと短くゴールドシップに劣る可能性も。

秋天 これもまた距離が短い。だが限界点からひねり出す様な展開はぴったりで一変もあるか?

JC 単調なペースから終いを使うレースで展開に物足りない面が。逃げ馬次第では台頭。

有馬 2500m。ロングスパート。現時点ではもっとも適したレース。

中長距離できっちりハイペースをきざめる逃げ馬が出てくればジャパンカップが面白いのだけども。

あるいは雨。ゴールドシップが喜ぶような馬場にまで不良化してくれれば・・・。

だけど今回の春天みたいに本職の逃げ馬じゃないほうがえげつないペースをきざめることもあるしな。

柏木のオヤジさんのコラムで書かれていたけど、今年の春天は13秒台をラップしてないんだと。

そういえばそうか、って。昨年は2Fくらい13秒きざんでたし。

緩みないペースからなだれ込む春天ならウインバリアシオンが勝たなきゃなりませんよ。

ゴールドシップがあの出遅れから7着する展開。かなりタフと言えるでしょう。

ゴールドシップは便利な馬ですよね。春天では絶対に馬券に絡まないけど展開の参考になる。

そこよ。ゴールドシップが京都の高速馬場でどうこう出来るレースってことを考えてなかった。

つまり馬場のわりに厳しいということ。有馬でどうこう、という馬が掲示板に絡めるレースさ。

でも馬場は高速京都外回りでなだれ込み差しが利く。ディープが台頭できる馬場。

いやはや。当代の競馬ではいっっっっちばん面白いレースかもしれませんよ。春天って。

何が飛んでくるか分からんぞ!とりあえるステゴとハーツか!あれ?マベサン飛んで来た!?

ホッコーブレーヴにゃ驚かされました。

こいつの競馬はまさに俺がヒットザターゲットに望んでいたことでして・・・

あ、いや、負け惜しみじゃないですよ。


大穴筆頭、とヒットザターゲット
この馬を推す理由。それは一重に「京都大章典でトーセンラーに先着していること」だ。
前残り馬場で差し馬が人気している。この状況でまず期待するのは前での波乱になるでしょう。
それを通り越すと一週回って差し馬に期待が戻る。つまり「ロンスパすぎて力尽きたところを差す馬」だ。
それが京都大章典の展開。春天2着馬を差し切ったこの馬を推せない意味はなんにもありません。
ただフェノーメノのところで書いたとおり傾向が違っている面がある。
のだが・・・京都大章典の馬場でゴールドシップアドマイヤラクティを破っているのもまた面白い材料。
やはり京都で脚を使えばトーセンラーは随一であるしね。マイルに作っていた時期かもしれないが・・・。
とりあえず血統的にも3000mクラスで大変化があってもおかしくないしな。面白い。


と書きました。

しかしよくよく考えてみると内で溜めなきゃ終いを使えるわけがないのです。

ヒットザは大外のピンク棒17番ですから内で溜めることはまずありません。

俺の要求は「スタート直後になんとかして中団最内につけろ!」という馬鹿なことです。

可能性としては最後方からジリジリ最内を進む、という若干リアリティの増量された考えになりますが

そうすると溜められていないし、そもそも進出先が頭打ちになって外に出せなくなる。

枠のことをさっぱり考えていない予想だったのですね。

キズナにしても14番という外枠です。

道中はある程度下げて距離ロスを防ぎたかったのでしょうね。後方2番手。

下げたとこから進出しての大まくり。展開的に厳しい上に前がさっぱり止まらない。

武豊はすばらしい、という考えの下にまた考えますと・・・

キズナには厳しいペースできざまれていることを承知してきっちり下げているのではないか、と。

溜めないと伸びない馬だし。

そう考えると今年の春天で4着というのはキズナという馬を最大限に走らせた結果ではないか、と。

ウインバリアシオンも枠と距離ロスを考えたらすさまじい競馬をしているわけですね。

常に外を追走。そして下りからの4角ではもっと外からまくりをかましている。

1着のフェノーメノ、3着のホッコーブレーヴは内溜めからの抜け出しですから展開的に得をしている。

2着のウインバリアシオンだけが精一杯えげつない展開から伸びている。

よくよく考えたらこんな展開で勝ち負けできる馬って少なくないかね?

キズナはウイバリのさらに外からまくりかけているわけで、随分と厳しい展開だった。

・・・。

やっぱり今年の春天は見ごたえあるわ。

外からぶちかましてくる馬はいるし内からしれっと抜けてくる馬はいるし・・・

そしてラスト1Fで一気にぶっ差してくる馬もいる。

この脚があって・・・なしてこいつはアル共を5着、ジャパンカップで惨敗したのかね。

・・・脚の性質をしっかり全馬見ているれば買えたかもしれねぇな。

こいつは34秒前後が1番上がりになるような展開、馬場で勝ち負けし続けていた。

ジャパンカップは2400mの中長距離なのに33秒台の上がりをひねり出す変態レース。

上がりタイムゆえに「スロー&瞬発」と言うのだが・・・ペースはスローというほどスローじゃない。

限界に挑み切らず、さりとて力は振り絞る。ディープ中のディープが競う予定調和式瞬発力競争なんですね。

ホッコーブレーヴはウイバリやオルフェ、ジャスタなどにみられる「上がり固定式限界追走型」と言えます。

「どんなペースでもこのタイムで上がってみせる!」という変な奴らです。

それだけに瞬発力をひたすらに要求される展開では勝ちきれません。

往々にして「勝ちきれない晩成型」というのはこのパターンですね。

下位条件ではスロー瞬発になりやすく、追走で負荷がかからないのです。

なんとかして上に行くと思いのほか好走する。そのままG1でも好走する。

そしてどっかかしらで勝ち癖が付くと一変したりするんですね。

アル共はアスカクリチャンが勝つほどの・・・あれ?

それならお前、ホッコーブレーヴが勝ってもおかしくないじゃん。

しかしこれも・・・東京2500mの大外枠で差し馬、と考えりゃ上出来か?

なによりも三浦だし・・・。

こういう限界の高い素質馬ってのは名ジョッキーが乗ってこそ。アスカクリチャンもそうでしょ。

限界が高いということはある程度の無理はきくし、その無理で進路を確保すりゃいい。

上がりにリミットのかかる馬場は直線に向くまでが勝負。限界の高い馬は道中で無理をさせる。

アル共なんかはその傾向の強いレースの一つでしょ。ラスト2F切っても進路確保に手間取ってるんじゃ話にならない。

本当に三浦は愛すべき駄ジョッキーだぜ。

追い差しを本当にしないよねぇ。前は開ける、勝つ可能性は絶やさない。

「でもお前。そこから33秒台で上がらないと勝ち負けは無理ですよ」

「大丈夫。馬を信じてる」

意味の分からないところで馬を信じてそうなイメージ。

たまーにわけの分からない伸び脚を使う奴がいて、それが勝つこともあるよねぇ。

ある日突然三浦の戦術と展開がピッタリと合うんでしょう。G1でもいつか勝てる日が来るよ。

四位のオヤジもそういうタイプ。「とにかく外に出せ」と。

ただこっちは外に出すことは常に考えているのか、その動作がひどくスムーズ。

スムーズすぎて「おいおい今のは内から抜けられたんじゃねぇの?」と思うこともしばしば。

「前が開くとか内が開きそうとかじゃない。外出しだ」。選択肢は全部「外に出す」という人。

たまーに四位の後ろにいる馬が得をする。

巧み、という言葉から程遠い人たちです。

でもこういう一直線な騎乗が好きです。

好きでいないと穴をあけるタイミングが分からないし。

蛯名や岩田あたりが内で溜めて内で差す、といういぶし銀なジョッキーですね。

蛯名は戦術眼などが非常に長けた人でして毎回ベストな戦術を選んでくれます。

ところが思考の瞬発力がないために「あれ?それでいいの?」ということも。

思い通りに行けば糞強い競馬をするのに一つ二つずれるとその微調整で失敗するのです。

フォーエバーモア桜花賞ホウライアキコと併せるチャンスを逃して馬場悪の内に行ってしまった。

ダイワマッジョーレマイルCSもコパノの内を差そうとして1馬身近くのロス。

上手くいくとイスラボニータ皐月賞のように「すわっ!こりゃ名ジョッキー!」と最高の騎乗を見せるのだけど・・・。

岩田の場合は強引さで微調整を克服するという間抜けな豪腕さを発揮します。

強い馬に乗るとその強引豪腕が強調されて「雑把が過ぎるんじゃないの」と大味なイメージを受けますが

実際の騎乗は緻密とは言わなくとも非常に戦術的に処理されたものです。

内外をちゃんと使い分けるのはもちろん、逃げ差し自在に馬を活かそうとしている。

つまり馬に対する理解力が高い。限界の高い馬なんかはきっちり限界まで使い切っている。

だからゴールドシップウインバリアシオンアスカクリチャンなんかを上手く走らせられるのだと。

田辺ってのもいったいどういう人なんだろう。

やることなすこと・・・意外と普通なんだよねぇ・・・。

それだけに小賢しい騎乗がなく、今回もしっかり内で溜めて抜け出してきた。

基本に忠実というか・・・いたずらしないよね。騎乗的に。

「こうしたほうがいいだろう」という曖昧な部分に突っ込んでいかないんだ。

「最終的には基本に立ち直る」と馬をきっちり走らせてくる。

枠や展開が合うときは忠実に馬を持ってくる人だ。馬券的に信頼性が高い。

[fin]