砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

カレブラさんの取捨 中京記念予想

タバコが美味いから風邪は治った、という判断。


カレブラさんはモチジュン先生が認める「最強のダイワメジャー配合」で、前受けした時はめちゃくちゃ強い。サンデーらしいスローでの溜めの効き方もさることながら、ノーザンテースト的な加速の鋭さ&持続力があって東京でスローを走らせたら・・・まぁディープの良血には差されてしまうけれども、なかなか強い。

ダイワメジャー由来の道悪の強さもあるし、気性の難しさも相まって重馬場は鬼。だから時計のかかる中京記念はベストの舞台では・・・?

しかし中京は前の馬には厳しい舞台でもあって、3年続けて大外差しが決まっている。この馬場バイアスを考えると差しに構えるかもしれないと思うが・・・果たしてそこはどうなるだろうか。

「黄金配合」の条件である「Halo≒Drone」を持つ上にSir GaylordSecretariatを持つ。この柔らかさがあるからこそ東京で後ろに捕まらせない鋭さがあるのだが、この類の俊敏さは中京においてはあまり必要ない。スロー決着となった安田記念では差しに回りコンマ5秒差の7着であるから、なかなか鋭い差し脚を見せている。

これは「黄金配合」のもう一つの条件である「Pretty Polly弄り」の影響で晩成的に硬質化するという面から考えると良い方向ではあるのだが、中京マイルならばむしろそちらが望ましい。切れてはいけない。つまりカレンブラックヒルは未だに東京的なのである。

であるから強靭さを活かした差しが無難で、外枠にまわってくれた方が狙いやすい。馬場の真ん中を通っていけばおそらく登坂までは先頭に立っているだろう。問題はその先だ。東京ではいっつも登坂後に捕まっていて、秋山はいつもその辺りを計算してマージンを取る逃げをしている。それが出来ない差しでは普段以上に捕まりやすいのではないかな。

中京マイルでは残り600m~400m間が最速ラップを刻むことが多く、だからこそ持続脚での差しが決まる。最速ラップを刻んでから2Fを「粘る」必要があるのだ。これは普段の競馬においては異常とも言える展開で、切れる馬はそこから1Fは普段通りに粘れるが大外を回って最速ラップを100mほど奥に置いた馬たちの方がなかなか粘れてしまう・・・というレースとなる。

奥に置く、というのは切れない馬で追い込むと11.3秒くらいの最速ラップならば「追走」の範囲内に収まるわけで、彼らはそこからもう1ラップ11.3秒を刻んでなんぼなのである。そして終い1Fを11.8秒くらいに収めて差し切る。それが出来なきゃお肉になってしまう世界。1分33秒5で決着した一昨年のフラガラッハは34秒2で上がっているのだ。コーナーを半ばに含んだ3Fでこの上がりは秀逸。

カレンブラックヒルにこの類の競馬を望むにはやはり柔らかさがありすぎる気もして、また登坂後に少し止まってしまうのはSir GaylordSecretariat的な下りニアリーの影響もまたあるのではないかと。小倉大賞典は持続力で勝ち切ったレースだが平坦コースに助けられた面はあると思う。

・・・ん?

そんなことないかな?結構600m-400m間でスパッと切れて2Fをネバネバしてる系?そうだよな、いっつも東京の直線入り口で突き放しているくらいだもん。安田記念も終い1Fで詰めているから持続型の差しも出来るのか。

それでも東京でああやって切れるのはどうなのだろう。いやミッキードリームも前受けならば東京でゴリゴリ走っていたタイプ。フラガラッハも東京で逃げりゃ残るだろう。Something Royalの息子たちで切れるというよりもWild Risk的なナタ切れが表現されているのかもしれん。

するとそれはサダムパテック的な切れ方とも重なるわけで・・・あれ?これって買わなきゃ行けない感じ?外枠で差しに回るなら買うべきじゃねぇか?

でもベタ買いするには一つ足りない気もして、それは古馬になってから東京で勝ち切れないイメージと重なるからか。それとも分かりやすいスタミナ血脈を近親に持たないからか。わりとアメリカンな血統構成であることも終いの弱さに響いている気もして、どこかでGlorous Songみたいな血統があれば最後の一粘りが足りていたのでは・・・。そう、私の大好きなGiant's Causewayな感じですな。

彼にもし4Fスパートの持続力があったならば秋天を勝つことは出来たと思う。あるいは3Fを33秒台で上がる切れがあったならば、それもまた勝つことは可能だっただろう。後続を突き放す競馬も目一杯溜める競馬も出来ないから秋山真一郎は曖昧でありつつも絶妙なスローでカレブラさんを精一杯残してきたわけで、目一杯溜めた≒死んだふりで勝ち切ったダービー卿と3角前から突き放していった小倉大賞典がそれを物語っている。カレブラを知り尽くしたからこその判断だった。

中京記念はどうしても外差しが届いてしまうから距離ロスの問題はないに等しい。だから適性勝負というか能力勝負というか、穴っぽいわりにはガチンコ勝負なんだよね。逃げることで内馬場の有利を得たり早めまくりで後ろに脚を使わせたりと展開利で勝利を得てきたカレンブラックヒルには結構厳しい舞台だと思うんだ。

名コンビが後ろに脚を使わせたり、あるいは逆に使わせなかったりして勝ってきた歴史を思うと・・・難しいなぁ。

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