砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

Ribot雑感4

RibotのツボはおそらくBuchanとPapyrusになるのだろう。なのでPrincequilloともニックスが発生するわけだが、この血統をこんな使い方して大丈夫なのかなぁ。

モチジュン先生用語に「Ribot肩」というものがありRibotは肩が立った姿を伝えるのだわ。前脚の可動域が狭いわけで、それゆえに外回りでは敬遠されがちな要素である。現代にも伝わるだけあってRibotの直系馬は肩が立った姿をしている。Allegedもやはり肩が立ち気味だ。

故にストライドを伸ばすために胴は長くなければならない。この胴長要素はスタミナ血統が良く伝え、最近ではSeattle Slewなんかが有名。当時であればPrincequilloであったのだろう。

Princequilloは「ナスキロ」の配合が有名で「父短距離、母父長距離」の中距離配合が得意技。アメリカ人がこの配合系が大好きであり、Princequillo繁殖にはたくさんの短距離血統が組み込まれてきた。それをピンポイントで喰ったのがRibotであり、輩出された名馬こそTom Rolfeである。

別口ではHyperionも好きだったよねぇ。Gainsborough×ChaucerがEl Glecoと脈絡するし、His Majesty=Graustark兄弟のAlibhaiだとTraceryとGallinuleも入る。GallinuleのIsonomy×HermitはCylleneの母Arcadiaと同配合。

Cyllene産駒の中で最もArcadiaを弄っているのがMinoruで、これは言わずと知れたHyperionの母母父。サラBlood!でもこの馬をネタとした記事が掲載されたね。Tom Rolfeの2代母HowはMinoru5*5にGallinule産駒のWhite Eagleが4*5で組まれている。3代目の母The SquawはSickle×Blandfordだから、Pharos×Swinfordの組み合わせのTurn-toやMy Babu、AmbiorixらのLavendulaに似た組み合わせ。ダービーさんのかまど繁殖Canterbury PilgrimのクロスがChaucerとSwinford間に起こる。

Chaucerというのは19世紀を代表するブルードメアサイアーであるが、Gainsboroughとの間にHyperionPhalarisとの間にFairway=Pharosなどそんなに長い距離適性を見せる種牡馬ではない様子なんだな。だからここを弄ると回転力が出るのかも。

20世紀のアメリカ競馬を代表するブルードメアサイアーPrincequilloであるから面白いもの。短距離系の父系が活躍した20世紀のアメリカ、クラシックディスタンスの父系が活躍した19世紀のイギリスってわけね。

Chaucerに関しては判断材料が乏しくて想像の域を出ないがな。

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