砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

先生の仰る「他の締め方」を考える

ロードカナロアの母レディブラッサムはSecretariat=Syrian Sea3×4で、ロードカナロア種牡馬としてこの靭やかさを伝えがちなのだ・・・という話であった。

この靭やかさは「4分の4Princequillo」を形成するものであるので微かな接触にも敏感に反応する。Mill Reefは「Nasrullah×Hyperion」とも脈絡するからスタミナ的な全身運動を容易く得られるのである。あるいは、得てしまうのである。

ロードカナロアは短距離馬として名を馳せた短胴短脚の高速馬である。多くは嵐猫由来であるが、その靭やかさも受け継いで靭やかに馬体を躍動させ、真四角に近いシルエットはトップスピードの段には剛直な長方形を描きだす。マジモンのスプリンターは真四角のまんまに高速移動するもんで、首は前に差し出すけれども胴体と四肢は真四角のまま。ロードカナロアは前脚を前へ放り出してストライドを伸ばす。(スティール・ボール・ランといいJojoといい、荒木先生は若い頃からのガチンコ競馬ファンだと思う)

「短距離体型だけどストライドが伸びる」というのは千四と千八の適性を持つ変な馬がやっていることであるし、ロードカナロア産駒がそれをやってのける可能性は高いだろう。ただその場合はRibot絡みの処理も完全とすべきであり、願わくばRibotの特性である靭やかな後躯も得たいところだがIn Reality持ちのスプリンター血統には反する要素である。Ribotから硬結な前駆を、In Realityから狭角の後躯を、これがロードカナロア。そんでもって前駆のRibotPrincequilloを組み込み、Lady Angelaへ脈絡させたのが秀逸だったわけだな。だからあの前駆はPrincequillo的というよりもLady Angela的と言うべきかもしれない。

だからレインボーラインとかオレハマッテルゼに近い前駆の手繰りをしているわけよね。Lady AngelaBold Rulerな感じ。こういうパターンだと面白いことにDanzigを持っている方が綺麗に前脚がヒュッと伸びる!ジェンティルドンナとかストレイトガールとかワンアンドオンリーとか、Lady AngelaのTraceryへ触れずPharamondを抱えた結果なんだろうな。

このことからロードカナロアは「Princequillo4バックのLady Angela前駆」でレインボーライン&オレハマッテルゼとジェンティルドンナストレイトガールワンアンドオンリーの中間ややレインボーオレハ寄りの前脚をしていることが分かる。ちなみに俺はよく分かっていない。

とりあえず綺麗な4分の4ってのはあんまり主張しない。

それを踏まえ、Princequilloの利用を考えた場合の候補は二つ。

・相似配合を取った上でPrincequilloガン無視

・直仔であるSomethingroyalやMilian Millへ視点を移す

G1クラスの馬を輩出するのであれば相似配合だろう。

Nureyev~放置

Mill Reef~放置

Secretariat=Syrian Sea~放置

His Majesty=Graustark~放置

Buckpasser~相似

In Reality~相似

NijinskyStorm Bird~ニアリー継続

Crimson Satan~相似

Cherokee Rose(嵐猫の方)~相似

Tudor Minstrel~放置

Mr. Prospector~相似

Turn-to~相似

Special~どちらでも

俺の勘を頼りにすればこんな風な相似配合がベストかと思う。アルデバランを使ってCrimson Saintクロスってのも面白そうだし、ジェイドロバリーも断然ありだろう。

ただ難しいところがあって、「ミスプロ相似で父His Majesty=Graustarkクロス」の場合は母がDonatello×Hyperionの緊張を持っていた方が良い。ハイハットとかAlycidon=AcropolisとかAureoleとか。Wild Riskを組み込んだLe Fabuleux≒Wordenも悪くないかな。この場合はジェイドロバリーなんかを使いづらいな。

だからLyphardを絡ませなきゃならない可能性は高いわけで、その観点からディープインパクトってのは使いやすいだろうけれどPrincequilloの靭やかさがついて回る。母方でPrincequilloを靭やかさから離脱させた状態にしておかなきゃならないわけであり、その類のディープってのはそうそうない。これはまた別の話としよう。

最もやりたくて最も難しいのがIn Realityだろう。フジキセキUnbridledなどを見ても現代日本競馬によく見られるIn RealityとはPrincequilloを共に伝える。トキオリアリティーもその類である。そしてやはりリアルシャダイも相似を目指す上ではPrincequilloの導入が有りえてしまう。

RobertoにBuckpasserを組み込もうとするのであればNijinskyを利用する方法しかない。だがこの場合はマルゼンスキーを代表としてPrincequilloが入るのが当然である。Tom Foolにしてもダンシングキイなどに見られる様な風であるから、まず実現は難しいだろう。

Crafty Prospectorを使う手ももちろんあるのだが、クラフティワイフアグネスデジタルを見ての通りだ。あとサトノラーゼンやFoundの母父であるIntikhabもボールドラッドを抱える。

であれば。ロードカナロアのIn Realityは4分の4Princequilloを封じた血統と読むしかない。これをクロスすれば同じ様に封じられたPrincequilloもついてまわる。宿命であろう。

なんか思わぬ形でIn Realityのスタミナを証明したぞ!

多分・・・きちんとしたIn Realityを持ち込んでクロスする分にはPrincequilloの靭やかさは極端な表現がされない。Arrogateイスラボニータの様なストライドが表現されるはずである。

ただ・・・Arrogate自身は「4分の4Princequillo」でイスラボニータは「8分の1Princequilloクロスへ対する父母間Princequilloクロス」である。予想ではあるが、これらよりもよっぽど強い靭やかさが表現されるはずだ。

とすれば相似配合の利により別方向からのアプローチをかけるべきか。遠さから考えても8分の8Princequilloが競争能力を害することはないはずだ。ガン無視ではなくむしろ相似配合の肝とすべきか。

したらば「8分の8」ではなく「4分の4」か「4分の3」へ視点を移す。容易いのは「Ribot×Princequillo」の形でTom Rolfeなどを組み込むパターン(Pasadoble×サラトガデューで4分の2とする)であるが・・・その場合は独自の父母クロスとして何を見るかが問題となる。Tudor MinstrelSpy Songにそれを見る手はあるのだが・・・遠いし小粒だし。重賞ならいいけどG1を勝つならねぇ。

であればよ。里見オーナーの必殺技(サトノダイヤモンドサトノクラウン)でもあるBuckpasser×Princequilloの観点だ。ラストタイクーンマルゼンスキーとかをぶっこんじまえ。UnbridledやIntikhab、Miswakiを使えるし、Ribot×Princequilloに比べりゃ弾は少ないが優良な血統が多い。

ただこれらの血統が綺麗に相似を取ってくれる気がしない。UnbridledはIn Realityをクロスしてしまったパターンが多いし、IntikhabはDonatelloなどのスタミナを得ない。頼みの綱はMiswakiだが、これはIn Realityと絡むことが少ない。

ともなればやっぱりマルゼンスキー一択。一択だが・・・リアルシャダイが絡まなきゃIn Realityを得る可能性が低い。ライスシャワー配合を追い求めなきゃならん。なかなか厳しいんじゃありませんかねぇ。

別にアカンサスとかトーホウアマポーラを相手にしても悪くないと思うんだけどね。相似配合の夢を追い求める分には候補が見つからん・・・。In Realityを使った相似は諦めなきゃならんのかなぁ。

[fin]