砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

Isonomy×Hermit

Isonomyは名種牡馬にして名長距離馬で、Hermitは名種牡馬のダービー馬。Hermitとその馬主の逸話は面白く、詳しくはWikipediaを参照いただきたい。一言で言えば「ネトラレ男の逆襲ダービー」だな。正しくは寝取られたわけではなく横取りなのだろうが・・・女性が物のように扱われるのは紳士の国であっても同じなのだね。

無駄話を続けるとIsonomyの名前の意味が「法と権利は平等」であり、権利の主張が許されなかったその女性を法は守ってくれなかったのだね・・・。まぁ寝取られ馬主と恋愛結婚だったかも文章からは分からないし、Hermitがダービーを勝ったら嫁さん返せという話でもなかった様子。「俺のものを奪うから全財産失うはめになったんだぞ!」みたいな状況しか思い浮かばない。Wikipediaには「その結果チャップリンは名誉と大金を得て」としか書いておらず、ダービーオーナーの名誉と賞金を得たに過ぎない。(寝とり侯爵とサシの賭けだったとは書いていないので、侯爵はブックメーカーに12万ポンドを投じたのだと考える。)

IsonomyはAlycidonの登場まで唯一の「同一年三大カップレース勝ち馬」であり、Wikipediaの「三冠」の項目では「長距離三冠」とされる。これはアスコットゴールドカップ、グッドウッドカップドンカスターカップの3競争を指し、それぞれ20F24F18Fと長丁場のレースであった。(グッドウッドカップは何度かの距離変更が行われ1911年に今の16Fとなった。らしい。)

して、Isonomy×Hermitの配合で産まれたのが快速名種牡馬Gallinuleである。長距離三冠馬×ダービー馬がスプリンターであり、その代表産駒が超快速名牝Pretty Pollyなのだ。そしてそのPretty Pollyを弄らなきゃディープ産駒はダービーを勝ち負け出来ないなんてことを仰るモチジュン先生がおられるのだ。なんなんだろうねぇ。

しかもこの組み合わせはニックスであるらしく、Gallinuleだけでなく他にもこの配合を持った名馬が非常に多い。少し間をおいてIsonomy系×Hermit系にはSwinfordがあり、その代表産駒Blandfordの母父父がGallinuleである。Blandford×Pretty Pollyのニックスにはきちんと理由があるのだねぇ・・・。

そして前に書いた記憶があるがCylleneの母もIsonomy×Hermit。このニックスを緊張し続けたのがWild RiskLe Fabuleuxで、血統表を掘り下げて掘り下げて掘り下げてようやっと見つかる一本のPretty PollyやLa Troienneが今もなお強い影響を持つのは相応の配合ありき。良配合はいつまでたっても継続されるものであり、「Pretty Pollyらしさ」がサラブレッドに好影響を与え続ける限りPretty PollyはGallinuleはIsonomy×Hermitは不滅なのだろう。

あとHermitはダービー馬であるが他のG1勝ちはマイル戦となる。ダービー以降は不調であったとされるので、おそらく「若きゆえの靭やかさ」に由来した2400m勝ちなのだろう。そのマイル戦はセントジェームズパレスSで日本におけるNHKマイルC。つまりHermitはマツクニローテの体現者なのだっ!

だからHermitってキンカメみたいな奴だったのかもしれない。(ディープスカイかもしれないが)

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