砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

第二のディープインパクト✕ブライアンズタイム ゼーヴィント論

第一の方は筋骨隆々のマッチョディープ。胴体はまるで歴戦のダート王を思わせる作りだが脚は不思議なほどにスラッとしている。サドラー、BT、ディープと中距離血統を重ねているのだから中距離馬に出るのは当然と言えるが、この不思議なほどに足回りが軽快なのはなぜなのだろう。

そして第二の方、ゼーヴィントもまたスラリとして格好いい芝脚。ただ身体は薄く牝馬と見間違えるばかりである。晩成型ディープ牡馬らしい貧弱とも思う体つきで、これは全く「異色」と形容する馬ではない。ザ・ディープである。

おおよそニューダイナスティあたりがこんなイメージであり、もう少し言えば、ミッキーアイルと似た機能を持っているのかもしれない。ミッキーアイルも胴回りがすっきりとして体つきも決してムチムチとはしていないが、その快速っぷりはスプリント戦で通用している。

2000mではなく1600mに寄った千八馬だろう。ただキズナファレノプシスも体形からは考えづらい距離適性を持っていたことは確かで、この牝系は身体の靭やかさで距離を克服するところがある。靭やかなスピードを持続させる仕組みがPacific Princessの特徴だろう。

すると2000mくらいは走れそうであるが、Dayjurの超短距離Danzig直仔という血統要素がどこまで本格化に影響するかが鍵だろう。それこそディーマジェスティはSadler's Wellsのスタミナを濃厚に伝えるシンコウエルメスの影響が大きい馬で、ゼーヴィントもそれと同様にシーヴィーナスの強いスピード能力を受け継ぐだろう。

こればかりは本格化してみなければ分からない。ディープ✕Pacific Princess的に中距離を主戦場とするのか、シーヴィーナスの孫らしく短距離へシフトしていくのか。ディープは短距離配合を食物として千八馬を出す天才である、という材料もあるかな。

またBe My GuestというTudor Minstrelの使者があり、それがDanzigMr. Prospectorと影響しあっている。この点からPacific Princessの仕組みは作り変えられていると考えられ、その中距離力を遺伝させる力は失われているのではないか。

また単純なNashuaクロスよりもNashua≒Nantallahクロスの方が効能も格好良さも上である。単純な競争能力を比較すればディーマジェスティが圧倒的に上で、ゼーヴィントがG1級ではない証左ともなるのではないか。

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