砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

アイドリームドアドリームのスタミナ~ドゥラメンテ感

直仔には最弱の2冠馬と噂されるエアシャカールがあり、これを筆頭にエアデジャヴーエアメサイアエアスピネル3代、シャカール全妹エアラグーンの仔にエアソミュールエアメサイアの全兄エアシェイディラッキーフィールドの化け物たちが並ぶ名血統。

今週の神戸新聞杯にはエアスピネルが出走予定で、これがダービーで4着まで頑張ったことに驚かされた。アイドリームドアドリームらしい小回り巧者がまさかの好走である。

これは武豊アイドリームドアドリーム牝系馬に乗り慣れていることも大きな理由。小脚きかせて好位に取り付き、そこからコーナーワークで先行集団に取り付いて、そこからじっくりと追い出しを待つという嫌味な騎乗だ。これを東京でやってくるから武豊賛美は止まらない。

エアシャカールも好位で折り合いがついていればどれほど面白い馬になったか分からない。Bold Rulerの牡馬は好位からズンドバッしてなんぼである。それが出来なかったらBold Rulerである甲斐がない。マカヒキもそう。

RibotBold Rulerのスタミナを引き出す手があるのはエアシャカールが示した通り。マンハッタンカフェと配合は似ているからねぇ・・・。

ただノーザンテーストとキンカメが入ったエアスピネルではちょっと距離が保たないかなぁ・・・と。菊花賞はまず厳しいだろうし、神戸新聞杯もなかなか。

神戸新聞杯ではナスキロ柔さが求められることがほとんどで、例外はドリジャニ=オルフェとゴルシというステマ配合くらい。大抵はナスキロ血脈から外回りの切れを受け継いでいて、例外と言えばリアファルくらいなもの。これはルメールの逃げでドスロー瞬発。

エアスピネルが馬券になるとしたらそのくらいの大技が必要であり、武豊が本番を見据えてそんなアホなことをするとも思えない。神戸新聞杯はナスキロ柔くてなんぼであるが、菊花賞にそんな絶対条件は存在しないのだ。むしろそのたぐいの靭やかさで突っ込んできた馬ほど信用ならない。

マジェスティハーツが顕著。柔いからこそ二千四でも距離が保った。でも実際は千八そこそこの馬だから本番じゃ不発だったんだ。むしろBold Rulerの惜敗馬の方が距離的なスタミナや競走馬としての底力に期待できる。ビッグウィークなんでその典型。

セントライト記念にもおんなじことが言える。ディーマジェスティのあの反応は中距離馬のそれであり、中長距離馬~長距離馬であったならあの位置からじゃ差しきれない。キタサンブラックなんかはジリ脚でジリ脚で前々から展開しなきゃどうしても終いに劣るって馬なのに、菊花賞においてはリアルスティールをも上回る一番上がりで差し切り勝ちよ。これが菊花賞馬様のあるべき姿。

それにしても昨年の三冠は良かったなぁ。

念願のリアルスティール先行で「あ、これ福永やらかしたやつだ。福永がG1を勝たす奴だ」と大興奮に皐月賞は始まった。しかし唯一の懸念材料「ドゥラメンテノーリーズン」に皐月賞は終わったのだ。3角過ぎの最内で躍動し始めるドゥラメンテを見て俺は大興奮。「ここでスラッと外に出して・・・えぇドリフトっ!?」

ダービーは「こんなにムチを打ってるノリは見たことない。これは俺の知らないノリ」という戸惑いから始まり、58秒8というノリラップに戸惑いをまた覚え、カメラが追うドゥラメンテの楽な追走っぷりにうろたえた。最後まで楽に走ってレコード勝ちを収めた二冠馬に対して「あ、こいつは器が違う馬だったんだ・・・」と呆然。

菊花賞は・・・まぁしょっぱかったかな。でもキタサンブラックが突き抜けて来たときには「!?」ってなったよな。俺の「ディープLyphardクロスサクラユタカオー理論」が実証された瞬間だよねぇ・・・。でも有馬記念で買おうと思ってたからさぁ・・・ちょっと菊花賞は読めなかったよねぇ。

今年はなんかこう・・「あ、そう来たんだー」みたいなやつしかなくて。ディーマジェスティはいいけどマカヒキはねぇ・・・。菊花賞でその類の感動が欲しいのだけれど、期待していいのかな。有力馬はディーマジェスティを除いて千八タイプばっかりなんだけど。

その感動を求めてたどり着いたアイドリームドアドリームなんだ。でもキンカメ産駒に菊花賞勝ちを期待していいのだろうか。ドゥラメンテが三冠に挑んだとして、それが実現したかは微妙だと思うんだよなぁ・・・。

ドゥラメンテの引退は本当に残念だわ。ジャパンカップシンハライトマカヒキと争ったらどうなったのか・・・気になる。メジャーエンブレムの逃げる秋天でどんな弾け方をしたのか気になる。安田記念に対応できるのかも気になる。もうウオッカみたいな扱いだな!

本当にねぇ・・・最強の東京馬として素晴らしい物差しになってくれたと思うのに。

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