逃げを打ちそうな馬は少なくないがマイルではスロー志望のタイプばかり。間違いなく中距離の切れで差せるレースになるだろう。
だが穴を狙うならスノードラゴンから入る一手。これが勝ちきる展開は間違いなく存在するはずで、この馬が勝つパターンならサトノルパンも狙える。あとはヤングマンパワーかロードクエストかガリバルディかサトノアラジンかイスラボニータか・・・人気どころが突っ込んでくるだろうな。
イスラボニータは昨年の本命馬。今年は臨戦過程が異なるし、ここ2戦に見られるパフォーマンスの低下がどうも気になる。元が気性の厳しさありきのパフォーマンスであったし、加齢に伴って落ち着きが出てしまったのではないかと。
逆にサトノアラジンは今が全盛期。母ちゃんが強いスピードを抱えているディープ牡馬は千四タイプに出やすく、それで大成するにはウインドインハーヘアからスタミナを得ていることが絶対条件。本馬の場合は母父嵐猫なのでしなやかさ≒瞬発力≒スタミナ≒持続力に秀でた配合と言えて、末脚を基調として緩やかな流れから展開するのが好み。東京マイルより京都マイルのほうが得意であろうし、安田記念からの上積みはあるだろう。ただ、過去の外差し勝ち馬は内回りの機動力も伺わせる馬ばかりである。届かない外差しの典型例じゃないかと。
・外差し馬券データ
モーリス~ダービー卿CTですさまじい勝ち方をしている
トーセンラー~七夕賞、小倉記念、セントライト記念、それぞれ2着
サプレザ~香港マイル3着(でも小回りというほど小回りじゃない)
2010年はジョーカプチーノが速い流れで逃げて外から切れないタイプの追い込みが届いたレース。持続切れをぶん回して突っ込ませた外差し勢を、ロスなく運んだエーシンフォワード(NZT2着、阪急杯1着、旧高松宮記念3着)がギリギリ残した。当然、内差しは小回りタイプがよく飛んでくる。
小回りの欠片もないダノンヨーヨーみたいなのが突っ込んでくることは珍しい。これはドスロースプリンターズで東京重賞勝ち馬が上位独占したり、ゴールドシップが宝塚記念で他馬を競り落としたのと同じ理屈だろう。
馬にとってレース中における最も大きな負担とは急激なスピードの変動である。サンデーサイレンスの血はHaloの機動力とオンオフに優れた気性によってそれをこなす(Sadler's Wellsも似たようなもんだと思う)のだが、理想的な展開とは全くの同ラップで踏破することに違いない。
日本競馬はコースの起伏に乏しい。ジャパンカップとは外国産馬がその乏しい起伏を楽々と駆け抜けていくレースであったが、サンデーサイレンスの血が普及するとともに展開が変わって行った。馬場は速くなったはずなのに、時計は着実に遅くなっていったのである。ペースのアップダウンが激しくなり、馬への非時計的負担が増えたのだ。
だから厳しいペースになったときにこそ中山、京都外、阪神内の4角が鬼門になりがち。残り2Fやそこらの距離でペースを落としすぎると直線で脚を繰り出すのに負担がかかりすぎる。精神的にも体力的にも厳しい。
スプリント戦でスローを刻むってのは割りと難しく、あのドスロースプリンターズは悪いスローの典型例。前の空間が開きすぎて展開が乖離しており、そうなると一定の流れで差し込んだほうが届きやすい。しかも中山外回りはストライドでスピードを乗せられるコースだ。
一気のドスローは前が詰まって全体がストライドロスを起こしてこそ意味がある。やっていることは急ブレーキの追突事故を狙うようなもんであり、それをやり続けた日本競馬だからこそ「折り合い」の4文字が大きい意味を持つ。Haloクロスがスローで強いのはストライドロスを起こしづらい仕組みを伝えるからだろう。
横ノリのポツンは不器用な馬のこういったストライドロスを防ぐ意味もあるし、ピッチ走法の追い込み馬で直線に賭ける意味もあるし、あと走る気力を失った馬のカウンセリングという意味もある。なにより大きな意味を持つのは馬とのコミュニケーションに専念できることだろう。
「こいつはこのくらいの流れでなら末脚を使えるんだな」
「前に喰らいつく様な気持ちが出来上がってきたな」
「仕掛けるタイミングはここらへんだな」
そうして理解したところで「これならお前耐えられるでしょ」とポジションを取りに行く。ストライドロスに敏感な馬なら外追走したり逃げたりする。追い込みから差しにシフトしたと思ったら実際には追走ラップが変わっていない、ということもある。
なんか調子が出てきたぞ。OS再インストールが終わって、まだGoogle日本語入力がインストールできないからやる気イマイチだったんだけど。(Google日本語入力はOS導入から3日くらい経たないとインストールできない謎仕様。)
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