砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

出走馬チェックその1 マイルCS予想

4枠8番イスラボニータ ルメール  気性で加速するところが多い馬だったが今はそこに陰りが見える。サンデーサイレンスから受け継いだようなオンオフの傾向が強い気性でもあって、一度落ち着けばスローでも折り合いがつくことも大きな特徴。走らせやすくはなったのだろうが勝負強さは着実に失われている。  ナスキロ柔いけれど瞬間の加速力に優れている、というのが本馬最大の特徴であり、蛯名騎手のギリギリまで壁を退けない差し方の根拠だったはず。逆をいえばそういったロスのない競馬をしなければならない馬ということでもあって、配合を見ても外差しなんかの競馬で届くタイプには見えない。ぶっちゃけ血統だけ見たら1000万下でくすぶっている馬だと言われりゃ信じるよ。  競馬の質は福永祐一タイプと言っていい。好位に構えて追い出しをギリギリまで待つ。そこから一気の加速で前に取り付き、しなやかさを根拠とした瞬発力で差し切る、と。京都だと前が止まらないから昨年みたいにフィエロやモーリスなんかの骨っぽいマイラーには届かないかも。中京で開催しよう! 6枠12番ウインプリメーラ アッゼニ  ナスキロ×ノーザンテースト×Nashua*3で突っ走るしなやかステイゴールド牝馬ロイヤルサッシュ一族の業を受け継ぐが如く前のめりの競馬に執心するかわいい娘っ子。これはこれで配合通りなので実によろしい。  この一芸で食っている馬だからハマれば勝ち味が強い。牝馬路線でナスキロ持続先行馬なんてのがいれば当然の話ではある。だがG1のペースは流石に適応できないらしい。ステイゴールドの娘でG1のペースに適応出来たのはレッドリヴェールだけであるが、これはステイゴールドという種牡馬が大技なしにはG1適応が難しいことが原因ではないかと。骨っぽい配合で走るからなぁ。 8枠17番ガリバルディ 福永祐一  Burghclere=Mixed Mariageは少しジリ脚な配合と言えて、Gone Westから入ると外差しの方がハマりやすい。「サンデーミスプロバックパサ」の配合系でもあるから立ち回りを苦手とするはずはないのだが、どうも走りがゴトゴトしていて馬群に入れるとロスが大きそうである。  中京記念は1分33秒6の勝ち時計で上がりが33秒6だから1分+33秒6の中距離切れで勝った内容。過去の勝ちパターンも上がり競馬なのでストライドロスのない差しの方がハマりやすいのかもしれない。  前走は溜めすぎたことが敗因なのだろうが、そこに至る内容が実に悪い。道中からすで詰んでいる状態で、ロードクエスト池添のやろうとした競馬に引きずられた形。 2枠4番ロードクエスト 池添謙一  Bold Rulerの末脚なので外回りではじっくりと溜めてから弾けさせなければならない。けれど馬群に入ると微妙なところがあって、「(比較的)脚を使わずに進出する」というよくわからない展開でなければ好走出来ない。スローでヤングマンパワーイスラボニータを破る様なじわじわスパート戦では脚の使い所が難しく、池添も少し逸って脚を使ってしまった分だけ失速も早かった。  元より底の深い配合とは言えず、本格化の方向もパワー寄りなのでパフォーマンスは落ちる一方。ダートに活路がある可能性もあって、それならチャンピオンCでの活躍もありかな。  与太話はおいといて、今のところは中山千六がベスト条件。前前走があのくらいの走りならG1級とは言えないし、春の活躍は早熟であったことが大きな理由だろう。春には「秋天メジャーエンブレムと叩き合って欲しい!」と切願したものだが秋にこの体たらくでは話にならない。  配合自体にミスがあるはずはないし、もしかすると距離が長いのかもしれない。阪神カップ阪急杯で見直したい。マツリダゴッホ×Danzigが競争能力の根拠ではあるが、だからこそ京都外では買いづらい。京都内ならジェンティルドンナみたいな差しが決められるとは思う。 7枠14番クラレント 岩田康誠  ダンスインザダークであるからジリ脚。だが二の脚がつくし、テンの速い先行争いで気張ったあとでも直線で脚が残っているのが本馬の強さ。その強さを最も発揮したのがジャスタウェイ破りのエプソムカップだろう。  他馬を引き連れて4角へ流れ込み、そこからキレッキレに突っ込んでくる馬は先行した分のマージンで封じる。切れた後に緩む脚色に併せながらダンスインザダーク×Hyperionのジリ脚を伸ばし、リードを守りきって入線・・・ヒノデマキバオーを彷彿とさせる泥臭い勝ち方である。  馬群を嫌うわけではないが沈んでからの脚がない。逃げるくらいの勢いで最序盤に脚を使い、そこからスローに落とし込み、そこからジワジワとスパートをかけて後ろの切れ脚を消耗させる、そんな競馬をしたいわけだから岩田を配したのは理想的。いい具合に人気も落としているから3着で拾う手はある。 [fin]