TARGETでチェックしてみると武士沢騎手が小倉で騎乗するのは11年4月16日以来。芝に至ってはアルコセニョーラで臨んだ小倉記念の一鞍に留まり、これが初めての小倉で最後の小倉芝だった。10年8月1日から6年と半年ぶりの小倉芝となる。
しかし小倉と福島に大きな違いがあることに違いはないが、東京中山と阪神京都ほど違った舞台ではない。またサイレントハンターの大阪杯がそうであるように、関東の逃げを応用して関西で逃げ切ることもある。マルターズアポジーとのコンビが決まっているのであるから、大きな不安を抱く必要はなさそう。
して、その逃げがどういったものになるのか。おそらく速いペースになると思う。
マイネルハニーは同型であっても小倉千八で強硬な姿勢を取ることはない。ただマイラータイプの馬が多いからゲートはきっちり出して、追って、位置を主張するだろう。それはブッシーも同じだ。
行き脚をつける。ブッシーはその行き脚を止めてまでスローへ誘導する類の騎手ではないからそのまま1角へ流れ込むに違いない。けれど、それは唯一の機会だろう。1角をすぎればスローへ落とすタイミングがなく、後方の馬も2角以降に距離を詰めに来る。それに呼応してペースを維持しなければ。
小倉は京都外に近いコースであると言える。残り4Fで突き放す様な競馬をする馬や、持続戦をぶった斬る馬は京都の上級条件でも勝負になる。ラストインパクトがそうであるし、ヒットザターゲットもそうである。アルバートドックもそうだと言いたいところだが。
ブッシーが逃げるなら印を打つのは楽なのだが、ダノンメジャーがきつい。やわっこいくせに逃げを主張するもんで、これがハナを切るには2角まで争いを続けなければならない。小牧のとっつぁんが小倉でそこまでやるかが分からない。だが、そうなればペースが乱れて何が飛んでくるのかも分からなくなる。
オーダーが出ていないなら無理なことをするはずがない。しかし秋風Sではマルターズアポジーに譲って負けているのだから、これを潰すことから戦術を組み立てることは正しい。しかし相手は千八においては現役最強の出脚を持つ馬であるから、噛み付くまでが長いだろう。
かといってレース選択からすると出脚の弱さを承知している様子もある。小倉千八の選択は積極的なものであはなく消極的なものだと考えられるから、同様に戦術も消極的になるかもしれない。「今時期の千八と言えば小倉しかないし、久しぶりに差して勝負してみようか」ということが考えられる。元々切れる脚があるし、外差しバイアスが発生しているならDarshaan任せにぶん回してもいい。
ただ、長い目で見て狂犬としての逃げ馬を演出するのも一つだ。そういった目的があるのであれば戦術もそのレース選択も積極的だと言える。
ブッシーは終い12秒で脚を使い切る逃げを打つ騎手であるが、前傾ペースへ誘導することは少ない。しかしダノンメジャーが突っ込んでくるのであれば前傾ペースになるから、後傾ペースの達者よりもイーブンペースの達者が台頭しやすい。
ベルーフにとっては試金石となる。イーブンの差しで勝ち切ったならば京都でも勝負になることを証明出来るわけだが、それが届かなかったなら小倉二千というニッチ条件マイスターである証明になってしまう。小倉千八を強く勝ち切った馬に将来はあっても、小倉二千ベストの馬に将来はないからねぇ・・・。
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