砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

エリ女予想 Aureoleのゆくえ

◎モズカッチャン

◯ディアドラ

トーセンビクトリー

福永が好位から馬群を割るならトーセンビクトリーに印を打たねばならない。

馬場状態を鑑みてのハービンジャー重視であるが、実際問題としてこの2頭は京都二千二適性が高い。しかしその根本が異なるのが非常に面白いところである。

ハービンジャー×Aureoleの妙味はメジロフォーナ大喜利ハービンジャー版で解説するとして、モズカッチャンはそれに該当せずディアドラは該当する。この点から二頭の脚質が違うことが説明できるわけだが、それ以外にもNorthern Dancerサンデーサイレンスの関係も問題としてある。

モズカッチャンのND本数はちょいと飛び抜けている。そのあたりの問題でリスグラシューに本命を打ってこなかったわけだが、サンデーを持たないからこそ容認されることもあるのだ。リスグラシューの場合は「4分の1サンデー」であるから問題視されるわけで、サンデーという超血統を持たないモズカッチャンはむしろ多く抱えなければ日本競馬に順応できない。

この理屈を支えるのはDanzigの存在で、これはNDクロスによって靭やかさを補完し続ける血統である。これ自身はND系において超がつくほどのスピード&パワーの血統として成功したし、日本にもDanzigスプリンターは多くあった。だが速くてパワフルであるからこそ強烈な柔軟とスタミナを抱えられるわけであり、それは菊花賞2着馬の配合からも確かだ。だからキタサンブラック×サクラバクシンオー菊花賞馬が出ても全く驚けない。(それがG1級配合として成立することには驚く)

細かいことを言い続けると夜が明けるので割愛するが、モズカッチャンはサンデーを抱えないからこそ素晴らしいし、サンデーを抱えないからこそ日本の芝に順応しているのである。つまりHail to ReasonクロスでRobertoがオンになってしまうわけよね。HtRによって成功し続けたキンカメが母父にあるのもやはり偶然ではないわけだ。

ディアドラの場合はサンデー有りなのでRoberto頑強を更に靭やかにする仕組みを要する。Haloクロスからの派生がそれにあたるわけだが、最も大きな要因としてあるのがAureoleだろう。ここからスタミナ≒靭やかを持ってきて、Aureoleを糧にスピードを取り込む。そのスピードこそがマルゼンスキーであるし、Blushing Groomであるし、Shareef Dancerなわけだな。

この点からして同じハービンジャーで同じ京都二千二適性でも違うのよね。ディアドラは二千四からの寄せで、モズカッチャンは二千からの寄せなのだ。

流石に時間が時間なので大きく省く。エリ女とは中長距離の適性で立ち回るレースではないと思うのだわ。モズカッチャンはもうちょい厳密に言えば千八よりの二千であり、サンデーを含むディアドラの方がジリ脚で距離適性が長めなのだ。

それでもディアドラは母父スペである分だけ持続力に優れるし、スペの好配合らしく持続力からの俊足を繰り出せる。それが届く展開となるかが、まず一つ見たいところだ。

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