砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

クイーンSの出走馬を見る

Chage&Askaファンが血統マニアだった場合 アルバム「NEVER END」を間違って「NEVER BEND」と打ってしまう next doorが流れて嬉しくなった車の中、アルバム名が間違っていることに気づいて不気味な笑みを浮かべたよ!

アグレアーブル

Quiet Americanを問う、マンハッタンカフェアウト Dr. FagerとCequilloをクロスしたQuiet Americanという血統は簡単にほぼ全クロス状態(Correlationクロスは困難)へ持ち込める血統で、3代母父という遠い関係でも主張が強い。 英愛の異系を持たないパワースタミナの馬で函館中距離における踏破力は抜群。洋芝は間違いなく得意だし、平坦も得意。Seeking the Goldだからド平坦も得意だろう。けれどBuckpasserBold Rulerだから登った方が美味しいキャラではある。 また5歳じゃ齢を食い過ぎだ。函館や中山を走る分にはベストだけれども、平坦を制するならば4歳でありたい。英国や愛国の血を引くと、また少し違うのだけれども。

アンドリエッテ

ノーザンファームばりの北米ディープ好配合牝馬 母は「Mr. Prospector3×4」。あまり血統構成が似ていない間でのクロスであり、共通項としての意味合いが強い。その上で「4分の3Native Dancer、4分の1Bold Ruler4×3」というのが素晴らしいし、Dr. Fagerを含めて「緊張と緩和のリズム」に間違いがない。 Deputy MinisterMr. Prospectorの組み合わせが基本としてあり、ディープインパクト×Northern Dancer直系繁殖のイメージそのままだ。馬場の負荷は強い方が得意で、重馬場は鬼。けれど不思議と雨渋りのない中で走り続けた。Wild Riskクロスを加味しても重馬場の鉄板である。 配合だけならソウルスターリングやディアドラと同格の存在。前崩れの好位が特等席だ。

テルナミノル

Tiznowな骨子のRobertoまくらー スローの先行まくりが得意技で、前走はスローの番手から四位まくりんぐで3着。本田優師も騎手時代は先行まくりの達者。起用する騎手も和田竜と四位。徹底している。 2000mでの実績が目立つが本質は1800mだろう。今レースでは今までよりペースに惑わされずに走られるが、スローであるに越したことはない。 Robertoであるから揉まれたくはないが、Lyphardの分だけ外を回される展開が嫌いだ。矛盾を覆す好走っぷりに四位ファンは大喜び。 後方のまくりを突き放す様に先行まくりをかますのが理想。ローカルで侮れないタイプのLyphardだ。

ソウルスターリング

罪づくりのドイツ血統はTom FoolRibotを引き連れて ドイツ血統はインブリードの対象とし辛いのが難点。5代以降の遠いところで細々とクロスを入れる形がアウトブリードの理想である。 MonsunAureoleを持つのでPretty PollyとHyperionへ触れられる。しかしMonsunMonsunなりにAureoleを糧として表現したものがある。それをオンと出来ないのがドイツ血統として持つ大きな弱みだ。 本馬はGalileoを父父に持つのでドイツの名繁殖Allegrettaを引く。ここでドイツ同士の脈絡があるのだが、ニアリークロスと呼べるほどのものはない。表現として関わるならばAllegretta≒Mosella4×3と呼べるものであるべきだ。 そうでないために、このオークス馬は難しい怠さを弱点として持つ。良質なFrankel産駒として他馬を圧する時期は終わった。これからは弱点と付き合いながら適舞台を探すしかない。

ツヅミモン

Nijinskyの千四馬は馬群嫌い RobertoとMr. ProspectorNijinskyなのでダート基調の構成。しかしストロングリターン×ダンスインザダーク×Caerleonなので芝の柔さもある。 この3血統はHail to ReasonNijinskyを持つことで共通しているが、他にAloe=Foxlawも共通する。Son-in-Lawの直仔としては著名なもので、大概は芝向きのスタミナを演出する。また3代母父のFabulous DancerもAloeの直牝系で、4代母父Free RoundはRound Table直仔だ。徹底した累代である。 父と母はマイラーであるが父父・母父・母母父は中長距離馬だ。こういった配合は千二と千六で通用する千四馬に出やすい。快速ではない短距離馬という具合。 札幌1800mはこういった馬が走る舞台だ。1200mからじわじわと距離延長した馬がそのままクイーンSを勝つこともある。ヴィクトリアマイル上位は鉄板で、昨年はNHKマイルC勝ちのアエロリットが快勝。シンザン記念2着で桜花賞で内容の良かった本馬も良さそうだ。 けれどまだ若い。Hyperion×Son-in-Lawが本格化する来年に本命を打ちたいところ。

ティーエスクラ

内ラチ沿いのSpecialレイナワルツは逃げ残りの実績があり、内枠から先行した時にもよく走った。本馬も逃げ戦術で成功している。 配合自体は先行馬である。なので積極的に逃げるタイプではなく、内ラチを走られるならば番手でも構わない。内馬場が荒れているならば秋天キタサンブラックアタックをかます手はあるだろうが、開幕週の今回でその考えは要らない。 ローカル1800mなので先行争いは激しい。その上テンからきちんと出して行くとボロが出る。無理のない逃げ先行は望むべくもないが、得意な形を持つ馬ではある。 内ラチ沿いを行く限り、可能性は絶えない。曲がりなりにもリライアブルエースを破った馬だ。

ディアドラ

Machiavellianで大まくり ハービンジャー×サンデーはRobertoの馬群嫌いをオンとすることが多い。ハービンジャー自身がまくり気質の種牡馬であるが、それに輪をかける格好だ。まして本馬はAureoleのクロスが入る。 鈍重で持続的な走りが特徴だ。最後にガバッとストライドを開かせる仕組みを持たず、内回りをドンドコするのが理想だろう。 Machiavellianの機動力があるのでコーナーワークは鋭い。それでもHyperion的な本格化を遂げた以上は、11秒5で一杯だろう。それで3Fを踏破すれば34秒5。この上がりで勝負になるレースとなるか。 ルメールなら特たる心配はないのだろうけれど。受け身の姿勢でレースを運ばないからこその「外国人ジョッキー」だ。隙と必要があればレースを壊す男よ。 すると問題は、壊す必要を夏のG3に思うかどうか。

トーセンビクトリー

Swapsな一家はSpecialに機動する Hyperion過多の配合。キンカメ×サンデーは母系にHyperionをあまり求めないのだが、本馬はむしろ母系の方がよほど濃厚に配されている。Hyperionの観点から褒めるところのない配合だ。 かといってドゥラメンテが悪い配合であるかと言えばそんなことはないし、これと同じ理屈から褒められる配合である。つまりトゥザヴィクトリーは「4分の1Blue Larkspurクロス、4分の3非Blue Larkspur」として優秀なのだ。Hyperionの粘着力を活かすのであればBlue Larkspurのアウトは必須条件と言える。(ディープインパクトハービンジャーHyperionとして優秀な種牡馬である) 本馬の代においては「4分の3Blue Larkspur、4分の1フェアリードール」。粘着力を発揮する配合だ。 ただNureyevクロスが入るので先行能力に際立ちが過ぎる。ビュッと動けるので粘着する前に消耗してしまうのだ。Hyperionを活きる厳しい展開の中、壁を作りながらジッと機会を待ち焦がす・・・つまり有馬記念トゥザワールドに見られる競馬がベスト。 Nureyevの競馬はどれだけ追い出しを我慢できるかが勝負なので。キンカメ産駒がアホみたいなロンスパで制することはないし、アーモンドアイやドゥラメンテも追い出し自体は決して早くない。 だから逃げて怖い配合ではない。2000m以上なら逃げ戦術も一つだが、1800mならば構えた方がパフォーマンスが上がる。

ハッピーユニバンス

Nasrullah×Hyperion」のスタミナはFair Trialを仕立てる ジャンポケなのに平坦での溜めに秀でるのはTudor Minstrelの仕事だろう。Hyperionで登る様な馬を平坦でビュッと動かす様にする。 なので新潟や京都で動くタイプの馬で、中団の内で構えたときがベストパフォーマンス。北のローカルならばまくりもオッケーだ。 まくりはオッケーでも強気の仕掛けはNG。同じタイミングで追い出して4角の機動力で上回る形が理想だ。それだけにTVh賞の勝利は真っ向勝負で得た勝利であり、オープン馬としての格に疑いの余地がない。 ハマればG3で勝負になるし、それがここでもおかしくはない。

フロンテアクイーン

Sadler's Wells丸出しのパワー機動 北村宏司田中勝春で結果が出ているというのは本当に分かりやすいSadler's Wellsっぷりで、名伯楽の面目躍如というべき采配。 蛯名×Sadler's Wellsはエルコンドルパサーディーマジェスティといった例があり、これも好采配。あとは展開次第だ。 厳しい流れからの3F瞬発がSadler's Wellsの本領である。イスラボニータの鞍上を分け合ったルメールとは仕掛けの具合が良く、ディアドラが動いてくると一騎打ちの様相となるかも。 メイショウサムソン産駒としての格はないのだが、夏の洋芝への適性にあふれる配合だ。ド平坦も苦手ではないし、実績と実力は上位・・・というのは人気通りかな。

リバティハイツ

キングカメハメハドバウィハイツ1×1はパワー機動の短距離馬 イメージはマンカフェ産駒の1400m馬に近くて、Ribot的なジリ脚で上手いこと差し込むタイプ。Graustark=His MajestyやTom Rolfeを引いているが、素のまんまのRibotを引く馬ってのはマンカフェ産駒っぽい味のある差し方をするものだ。ブラックエンブレムとかドリームドアドリーム一家とかメイショウマンボとか。 加えてTom Fool的な登坂能力がオンとなっているものだからシッチャカメッチャカ。昨今の短距離馬はみんなこんな風であるけれども、中距離馬としての一貫性はないのよねぇ。だからこそキンカメとDubawiはオールマイティなのだけれども、オールマイティ×オールマイティからは説得力のある中距離馬は出ない。 フィリーズレビューでは登坂後に一気の伸び脚を見せた。これが実にTom Fool的であって、ド平坦で際立つパフォーマンスを見せることはない。 [fin]