砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

嵐猫の強さってなんだそりゃ

Storm Catは「Northern Dancer×Bold Ruler×Princequillo×First Rose」の組み合わせを持つ、いわゆる「NDボルキロニアリーTom Fool」血統。そして北米で圧倒的なパフォーマンスを誇った名種牡馬である。

大阪杯ではショウナンマイティキズナラキシスらの勝ち馬を輩出した特注血統。特に2015年の産経大阪杯は「ディープインパクト×Storm Cat」がワンツーを決めている。

このレースのラキシスは実に意外な強さを見せた。こりゃキズナ強いわ~、と思ったらラキシスがグイグイ伸び返して突き抜けてしまった。ラキシス強いわ~と手のひら返し。

武豊ルメールの関係からすれば当然の結末であるが、ディープインパクトのフィリーサイアーっぷりを証明したレースでもあった。ディープ牝馬はBurghclereの優秀を自然と受け継ぐので、母系から優秀な北米血脈を取り入れやすい。


だがBurghclereを受け継ぐのであれば牝馬であっても長距離馬が一頭くらいいてもいい。しかし非Burghclere弄りディープ牝馬は1800m周辺に距離適性が集中している。スローや3歳戦であれば2400mをこなすのだが、長距離での実績が非常に乏しいのである。

例外と言えば例外、デニムアンドルビー阪神大賞典の2着をとっている。ココらへんのデータを掘り下げる・・・例えばNorthern Dancerの本数とか、Nureyevとの関係とか、Fair Trialの本数とか、Foxlaw=Aloeとの関係とか、色々あるけれど、放置する。

千八適性を自然と伝える。よってBurgheclereはNorthern Dancerと強く紐付けられており、ウインドインハーヘアの性質とも言うべきだろう。


すると嵐猫の強さはサンデー×ND+Hyperionの典型的な強さとも言える。このタイプは瞬発力を発揮する期間が短く、連覇を逃した名馬の多さからもそれが伺える。

最も連覇に近い、あるいは等しい馬がショウナンマイティ。ローキンなどを破った12年から13年に連覇を狙ったが・・・完全な本格化を遂げた三冠馬に敗れた。スロー瞬発戦の2分の1馬身差は完敗に等しいが、相手が悪すぎる。


阪神内を中山っぽくペロリとまくってしまう馬はオルフェーヴルしかいない。中山はホームストレートが短いから勢い重視で良いけれど、阪神内は長いから膨れるくらいに脚を伸ばすと終いまでもたない。

距離ロスも最低限にまくってしまう鬼の機動力よ。ディープインパクトの方が卓越した競馬を見せているけれども、オルフェーヴルは物理的にねじ伏せる鬼の競馬が魅力。

内回り戦ならばどんな名馬が相手であっても負けない・・・そう思わせるラストランだった。


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