砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ディープインパクトは異系好き

ディープインパクトNorthern Dancerとその直仔の強いクロスで成功している。

ジェンティルドンナ~Lyphard4×4かつNorthern Dancer5×4*5

サトノダイヤモンド~Northern Dancer5×5*5

ショウナンパンドラ~Northern Dancer5×5*5

ミッキーアイル~Northern Dancer5×5*5*4

ミッキークイーン~Northern Dancer5×5

ハーツクライの賞金上位5頭は以下の通りだ。

シュヴァルグラン~ND5×4

ジャスタウェイ~母非ND

ウインバリアシオン~ND5×3*5

スワーヴリチャード~ND5×6

ヌーヴォレコルト~ND5×4*5

またステイゴールド

ゴールドシップ~ND5×5

オルフェーヴルドリームジャーニーノーザンテースト4×3

フェノーメノ~Northern Daner5×4

オジュウチョウサン~母非ND

レインボーラインノーザンテースト4×5かつND5×5*6

適切な比較対象がないので分かりやすい差は求められない。というよりも、時代がこういう傾向にあると言うべきか。強いNorthern Dancerクロスを許容する種牡馬がトップサイアーとして君臨しているのである。

Lyphardノーザンテーストまじすげぇ、という。ハーツ・ディープ・ステゴ・ダイワメが君臨するこの時代は、血統の傾向としてわかりやすさが際立つ。ディープインパクトはその傾向における王者とも言えるのだ。

その理由は、当たり前というか、なんというか。ディープって異系の取り込みに対して「何でもあり」なのよね。ドイツとも一定の効果を見せるし、トニービンみたいな英愛の塊でも良いし、ブロードアピールみたいな北米も大丈夫。

Northern Dancerの強い緊張を許容するのは、異系血統の選り好みをしないためだ。異系に頼んだ強い緊張を、形にすることに長けている。異系を選ばない、ということは、繁殖牝馬を選ばない、とも言えよう。

けれどそれはアベレージを支えるに留まる。結局は北米のシンプルな血を求めるのがディープインパクトの特徴だ。彼の後継に度肝を抜かれるほどの好配合・好表現・好異系は見られない。

異系を持つことイコール大種牡馬の条件、って話はない。そりゃNorthern DancerもSt. Simonもサンデーサイレンスも・・・そういう種牡馬は大なり小なり異系として働いた。お国柄としての異系ではなく、その時々の流行血統をアウトにする異系として、働いた。

だがSadler's WellsやMr. ProspectorDanzigBold RulerSeattle Slewは流行血統の継続によって発展した。ディープインパクトの後継種牡馬に求められるのはこの類の偉大さで、特別の遺伝を持つべきではないのだろう。

上記に挙げたディープインパクト産駒のほとんどは血統の歴史において重要とされない。POG対策として「歴史に残るであろうディープインパクト肌」なんてのを探すのも面白いか。

種牡馬としては、キズナディーマジェスティトーセンホマレボシ・サングレーザーあたりが楽しみなところで、既存勢力であるディープブリランテも見逃せない。

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