砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ラジオNIKKEI賞を少し

春競馬も終わったのでのんびりとNureyev血統掘り掘りしようと思うが、例によってラジオNIKKEI賞のメンツが面白い。ロードホースはなぜブレイクランアウトの好配合をここへ持ってくるのか?

ロードリベラル再び?

ロードアクシスブレイクランアウト産駒で、馬主も父も昨年の3着馬ロードリベラルと同じ。

ブレイクランアウトは産駒を20頭しか中央へ出走させておらず、そのうち8頭が勝ち上がって、2勝以上はロードアクシスとロードリベラルの2頭だけ。当たりはロードホースの持ち馬のみで、ロードホース所有はこの2頭だけでもある。

生産はブレイクランアウト業界の大御所オリオンファームであるが、そのうちからロードアクシスだけを引っ張ってきた。大手クラブの相馬観半端ない。(ロードリベラルはスマイルファーム生産)

ロードアクシス

配合は実にベターで、父母キューのNorthern Dancer4×4へ1本だけ配給する形。そんでもって本馬の代はMr. Prospector3×4かつ「4分の3Nashua&Raise a Native、4分の1キュー」。3代母はKelley's Dayで、2代母ゴールドデイはHasty Road4×3。

母系の奥にEight Thirtyがあるのもワンポイントで、またDanzigを持つ血統としてBuckpasserGraustarkを抱えるのも良い。欠点の少ない血統であるのでG1やG2へ挑戦するのも高望みとは言えないだろう。配合の良さだけで378万円はバック出来る。

スーパー異系

ただロードリベラル級の一発を期待できるかは怪しい。Blue Larkspurを4分の1アウトしていないと微妙に褒めづらい累代なのよねぇ。トニービン×ノーザンテーストというエアグルーヴ配合によるBlue Larkspurアウトってすごいのだわ。

何がすごいって、トニービンノーザンテーストもBlue Larkspurを相棒にして一流馬を輩出した血統であることよ。そしてエアグルーヴという名牝かつ名繁殖を輩出するだけの組み合わせでもある。

この組み合わせを4分の1で抱えて、残りの4分の3をシンプルに整備する。どんだけ遠い血統であっても4分の1アウトを継続することは重要だろう。ましてブレイクランアウトにとってHyperion尽くしのアウトを持ってくることはベターなことでもある。

ててなしご

メイショウテッコンはKingmambo持ちのマンカフェ産駒で、典型的な突進配合。古豪種牡馬の産駒だけあって配合が実に研ぎ澄まされている。このクドさがマンハッタンカフェ

母が栄進の平井オーナーらしい北米血統スプリンター。本格化とともにこちらの影響が大きくなって1400mを走るかもしれないが、メイショウの冠名を思えば逆に中長距離馬だったりも?実際に2勝目は2400mで、エタリオウを相手に逃げ切った。

松本好雄オーナーの持ち馬は表現の合間を縫うような難しいところからステイヤーを引っ張ることがある。メイショウカドマツが典型で、メイショウサムソンメイショウドトウにしても兄弟にはスプリンターが多い。

配合ばかりを見るとここはドンピシャの条件かと思うが、母父Lemon Drop Kidというのは障害チャンピオンだったアポロマーベリックの父父でもあり、ステイヤーとして本格化したスノードンの母父でもある。この血はA.P. Indyと同じ一家であるからカレンミロティックの様な長距離適性も、一つの面として持ち合わせているだろう。

連勝街道

フィエールマンは2戦2勝の馬。ノーザンファーム生産のディープインパクト産駒だ。

ゼーヴィントやアンビシャスの例がある。決して侮ることは出来ないのだが、なーんか白ける配合である。

ディープインパクトというのは非常に良い意味で正統派の化物種牡馬。だからあんまり好きな種牡馬ではない。だって配合の上下をつけても種牡馬のパフォーマンスでG1勝っちゃうんだもん。あまつさえ化物を出す。

ジェンティルドンナサトノダイヤモンドの配合をあんまり褒めたことはない。むしろ信用をしないことの方が多くあって、そのせいで馬券を外しっぱなしだ。血統というものの奥深さに敗北を続けているわけでもあるが、あまりにもディープインパクトは規格外にすぎる。

ということで本件のフィエールマンに関しても配合に褒めるところがない。表現に関しては褒めるところが多く、ここも得意な条件だろう

ただ勝ち切るには距離が200m足りないかもしれない。石橋脩の手腕が大きく試されるかも。

来たれディープキラー

ということで憎きディープを打ち破るを任せるはキューグレーダー。「4分の3Intentionaly、4分の1シャンソネット」というアホの配合で、平坦小回りを差すためにあるかのような、ダノンシャンティの好配合。

ロードアクシスについては非Blue Larkspur血脈についてうるさく書いているが、本馬の様に薄く薄くで構成して父のHalo3×3に集約させるとアウトの必要がない。キューグレーダーの母バグダットカフェはNorthern DancerとBlue Larkspurの引き方に長けている。

また3×3のHaloに対してバグダットカフェは非Hail to Reasonである。4×4や4×3に対する継続は珍しくないし、一部の例外を以って好配合の枠へ入れることが出来る。しかし3×3以上の濃度は駄目だ。その血統の父や母を継続するだけでも重賞クラスと認めたくはない。

Almahmoudの継続が起こっているのはギリギリセーフのラインであるが、奥深い配合とはなりづらい。Danehill持ちに晩成の大物がいないのと同じ理屈である。Natalmaの完全アウトなんて難題をこなす配合馬は希少で、大小の継続が起こってしまう。

よってダノンシャンティからキタサンブラックのような奥深い表現をはじき出すならば、母ちゃんが完全なAlmahmoudであるべきだ。(スマートオーディンも今更活躍しだすってことはないだろう)

Intentionalyに夢乗せて

すんばらしいのはHaloの「親Native Dancer」に頼ったDiscovery祭りだ。Discoveryの存在こそがDanzigNative Dancerクロスを支えるわけであるから、IntentionalyやBold Rulerといった血統の祭りを催すことは正しい。

Northern Dancerをクロスすることは避けられない。ならばその母父Native Dancerの、母父のDiscoveryに焦点を合わせることは正しい。

一言でまとめると「この配合はDanzigとして正しい」のである。それだけで今年のラジオNIKKEI賞に本命を打ちたく思う。

予想印

◎キューグレーダー
◯フィエールマン
△メイショウテッコン


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