砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

男池添、壮大な伏線を携えてディアドラ殺りへ向かう。

このラップで逃げ切っていたらスワーヴリチャードVSカワキタエンカのタイマンレースが実現していたかなぁ・・・。

秋天を睨んだ逃げなんてことはないが、エリ女へのイメージを固める意味合いは大きそうだ。収穫は大きい。

薄々勘付いてはいたし、陣営にとっては百も承知のことだったかな。この馬は登坂が苦手だわ。福島の登坂でさえも厳しいし、東京は鬼門と言うべき条件だ。むしろ中山とか阪神のように最後の最後に登坂が控えるコースが得意かも。

それと内回りの方がいいね。直線へ向いてなおペースアップをしない・・・ってことが出来ない気性だ。開けたらファイヤーする。フォーティナイナーがそういう性質なのかな。

アドマイヤムーンスイープトウショウなんかが直系としてあるが、やっぱり直線へ向いたら一気に脚を使う。ストライドを伸ばしてジワジワ迫るのではなく、直線半ばで一気に並びかけるような質だ。

エポカドーロやラッキーライラックも直線へ向いた瞬間に牙をむくタイプだ。けれど世界最高峰のまくり馬から受け継いだ粘り腰は伊達じゃない。

オルフェーヴル三冠馬としての強さもあるけれども、有馬記念という舞台での強さが最も優秀だ。現代競馬史における数多の名馬を相手にしたとしても、有馬記念じゃ絶対的な地位を保つことだろう。

極東における一つのG1レースで絶対的であることに大した意味はない。けれど、この遺伝が作用する限り、日本競馬の範疇では絶対的な粘り腰として君臨する。これはディープの切れ味と同等の素質である。

血統的な意味を言えば、フォーティナイナーを扱うにあたってはディープに優秀がないのだわ。Hyperion粘りとしての凝縮を行っていない血統なので、カワキタラブポップの速さを支えきれていない。

だから秋華賞で差しを前提とした本命を打ったわけでね。前受けの粘りに優れた配合ではない。

それでも、「先頭から差す」形ならばBurghclereで足りると考えて本命を打ったが。クロフネフォーティナイナーにそこまでの操縦性は求められないかなぁ。


ここまでが伏線。

1,登坂は苦手

2,内回りの方が良い

3,直線向いてファイヤー気質

4,粘りは不得手

したらエリ女を逃げたらどうなるの?って話でね。

登坂が苦手ってことは、3角前の登坂でペースダウンを図ることが出来るってのと裏返しだ。折り合いの中でスローダウンが可能。東京の3角前にある登坂では失速しそこなっている。

直線でビュッと脚を使ってしまうってのは、それだけ機動力が高いってことだ。実際に小回り内回りで結果を残しているし、これなら京都の1角2角もスムーズに攻略出来る。

3角前の失速を旨味とするには1角2角の攻略は不可欠だ。向正面の時点でペースが落ちていたら、次のペースアップは3角過ぎの下りにしか機会がない。これは負けパターン。

1角2角で失速しても問題がないのは3角前にペースアップが可能なタイプだけ。ビートブラックとかゴールドシップとか、そういう馬だ。高出力の名馬にだけ許される無法の踏破である。

問題は距離延長だけだ。2200mは初挑戦となるし、2000mでさえ秋華賞の一度に留まる。競馬ぶりがもう中長距離馬の質なので・・・これがすんごく致命的。

今回の結果はすんごく微妙なところで・・・千六とか千四へ進んだ方が展望は明るいかもしれない。スワンSを踏んでから阪神カップってのも悪くはないと思う。それで来年は阪急杯から始動してね、高松宮記念へ進めばいい。

東京という舞台が悪いだけで、千八の適性は非常に高いとも言える。京都千八なら結果は違ったかも。それならエリ女も適性の内に入る。

けれど逃げ馬ならばドンピシャと見込まなきゃならないわけで。差しなら融通はきくけれど、逃げ馬の距離・展開への適性はシビアだ。

池添がどれほど掴んだか・・・に絞られる。カレンミロティックだって別にステイヤーとして優れていたわけじゃない。適性の一本釣りで春天制覇の夢を掴みかけたのだ。

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