砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

外回りをまくる

まくり競馬って面白いんですわ。


今のマイブームがこれで、中山外回りと京都外回りをまくる戦法が面白いんですね。

まくるというのはつまりロングスパートでありまして、

それをやったのがAJCCクリールカイザー田辺と京都牝馬ケイアイエレガント内田です。

共通点は「坂下り」と「急カーブな4角」。

中山ってのは急坂ですから「登坂巧者」が良いと思いがちですが、外回りだと坂下りメインなんです。

柔らかく下ってグーンっと加速。その勢いのままにまくって大外一気・・・。

それがオールカマーAJCCを勝利したヴェルデグリーンの競馬でありましたorz

上手に坂を下ってストライドを伸ばし、そのストライドを粘り強く維持するわけですな。

同じ論法でゴールドシップを一度は本命にしましたが・・・今年の中山は馬場が良いので。

重い馬場なんだけど荒れてない。だから中山4角でストライド馬は遅れてしまう。

それは有馬記念で内枠を得たワンアンドオンリーを見ての通り。

そこら辺に関しては京都外回りと中山外回りは同じ傾向だと思います。

だからデスペラード京都記念を逃げ切ったわけですし・・・。

4角の時点で脚色は確実に逃げ先行<差し追い込みであるのは間違いがありません。

そして同時に余力も逃げ先行<差し追い込みなので踏ん張りの効きで差し馬たちは唸りを上げて突っ込んでくる。

ところが京都牝馬Sだと

脚色:逃げ先行<<<差し追い込み 余力:逃げ先行=差し追い込み 

だったわけです。

これはなぜかと言うとペースがスローであったのに先行馬がちょいと遅れ気味で、

反応の遅れた差し追い込み勢が一挙に突っ込んできて脚を消耗させた。

そのすごい勢いのままに4角へ突っ込んだけど余力はそんなにないから膨れた、と。

ゴールデンナンバーだけが無欲の追走をしていて、余力もあったし勢いもそこそこだった。

だけどこの馬はスタンダードな外回り巧者ですから。長い直線を使った追い込みで届かせられるわけですよ。

中山との大きな違いはここです。よほどの上級条件でなければ外回り巧者の直線一気を届かせられる。

中山はやはりコーナーワーク込みの差し脚なのでねぇ。

中山は中山でヴェルデとかゴルシみたいな大外まくりの大外一気が決まる時期があります。

この適性と京都外回り適性がイコールで繋がりづらいのはトップスピードの違いですな。

スピードを上手に載せられる。持続力もある。けれど一瞬の速さがないんです。

だからレース自体がロンスパ(≒後傾ペース≒スローペース)になれば届きやしません。

その一瞬の速さを3F近くに渡って使い続けるバケモノがいるんですよ。スピルバーグトーセンラー兄弟とか。

東京マイルは直線一気で決められるときはあるんですが(一昨年の安田記念とか)

やっぱり中団以前にしかチャンスはありませんよねぇ。中だるみしやすいので。

東京新聞杯は賞金別定なので別定戦というよりハンデ戦に近い。

だから「あわよくば」の方向がハイペースではなくスローペースへ振れるので・・・。

条件戦みたいな展開になることはよくあることです。上がり勝負ですね。

だから今回の話とは無縁なんです。

ダノンシャークでさえ富士ステークスで差されてしまったのだから・・・。

二千四くらいの距離ならオルフェVSジェンティとかワンアンドVSイスラみたいなこともありますが。

やはり東京マイルは「溜めてズガンッ!」ですね。エキストラエンドですね。

でも本当に強いのはダメージ判定を見極めながらチクチクと小バスターで削るやり方なんですよ。

ロックバスターを溜めるなんて素人のやり口です。ハイペース&イーブンペースこそ短距離の在り方です。

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