コントレイルの気性に依るストライドの開放、これはイスラボニータやエピファネイアに似ています。
例えばゴールドシップですが、やる気を出していないときはステイヤーじみた柔らかさでダラダラと走ります。ところがやる気を出せば壊れたバネのような柔い馬体を躍動させるわけですな。
ゴールドシップは流石に軟すぎるし、好位から突き抜ける様な俊敏性がありません。しかしイスラボニータやエピファネイアにはそれがあります。Wordenでは出来ないけれどLe Fabuleuxには出来ることだと。
そう考えるとTiznowやらキタサンブラックやらはWordenなのでしょう。
このようにLe FabuleuxとWordenは生まれ年が12年も違いまして、8分の5を同血とした、同じ父を持つ孫甥と大叔父の関係です。
2頭ともフランスの馬ですがWordenの活躍産駒がフランスに偏っているのに対して、Le Fabuleuxは北米での活躍馬が多く見られます。
Le Fabuleuxは北米においてBold RulerやPrincequillo、その他Man o' War血脈に対する異系として発達していまして、それはフジキセキの母ミルレーサーを見ての通りかと。
対してWordenってのは靭やかさと瞬発力のフランスで熟成された血統です。ゴールデンサッシュ=サッカーボーイのイメージに違わず、スタミナ化しかねないドロドロとした柔らかさとなっています。
ではコントレイルってのは北米的であるのか・・・という話ですが、それならイスラボニータやカレンブラックヒルのような距離適性となります。春まではこの読みです。
これと同じ考え方をしている方はよーく血統表を見てください。
こういうフランス血統の引き方をしている素晴らしき中距離血統にサンデーサイレンスがあります。
北米と仏の融合というのはごちゃついていて明確なものではありません。そりゃ禁酒法だとかの時代から交流していますから、自然なことです。
その精神は今も続いておりまして、「北米血統にフランス血統を入れるとなんか良いぞ」みたいな配合は多々見られます。それこそUnbridled's Songが典型例ですよね。見ての通り。
その中でコントレイルやサンデーサイレンスのように仏米融合の仏が強い中距離馬ってのは誕生するようです。ターニングポイントがあるとすれば、サンデーならFlambetteで、コントレイルならHerbager。
Herbagerを取り込んだ北米繁殖といえばGlorious Songとアイドリームドアドリームが著名。コントレイルはこれらの枝に属する仔らと似たものがある、という見方もできましょう。
突き詰めたことを言えばThe Tetrarchがフランスの父系ですし、Count Fleetってのは母がLe Sancy系×Le Sancy系の配合。北米血統における「The Tetrarch的に柔い」というのは「仏血統的に柔い」とニアリーというべきでしょう。
Mr. Prospectorの柔さは仏血統由来とも言えますし、まぁ、こういうことを言ったら血統ってホントに切りがないんですが、ことコントレイルに関してはそういう表現としか言いようがありません。
先生のゴールドアリュール黄金配合のインパクトが強すぎて「Flambette絡みのニアリークロス≒ダート偏重」という誤解も生じますが、Unbridled's Songの様に仏血統を強く絡ませている場合は別だと。
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