砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

奇跡を重ねる勝利へ 皐月賞予想

ある程度血統が凝り固まりますと「4分の1非Almahmoud」だとかで馬券を決められるわけですが、今年の皐月賞はこれからの競馬を象徴するかのような様相。これからの血統予想ってこんな奴の連続なのでしょうね。

過渡期にある今が一番難しいでしょう。何をすればアルアインやディーマジェスティのような表現を抜き出せるかが分かりません。「Almahmoudって何?」から始まりますし、「Haloって何?Northern Dancerって何?」と続きます。

1週間足らずでは理解へ及びやしません。ですから、予想するばかりです。

 

Almahmoudクロス×皐月賞

Haloを父に持つサンデーサイレンスが、Northern Dancerを引き連れた形で成功したのが20世紀末のこと。インブリードによって、その柔さをオンとしやすい環境を整えました。

皐月賞においては初年度産駒ジェニュインが「サンデーサイレンス×Northern Dancer」の大ニックスにより初制覇を為しています。翌年もイシノサンデーが制しており、サンデー直仔は2連覇。しかしイシノサンデーはAlmahmoudのクロスを持ちません。

その後もエアシャカールやアグネスタキオン、ネオユニヴァースなどが出ましたが、いずれも非Almahmoudクロス。結局はディープインパクトとダイワメジャーを含むサンデー直仔の皐月賞馬は過半数がAlmahmoudのクロスを持ちませんでした。

というよりも、サニーブライアンやセイウンスカイ、テイエムオペラオーなどの勝ち馬もAlmahmoudをクロスしていませんから、皐月賞という舞台においてAlmahmoudクロスは成功していなかったのです。

 

「4分の1サンデー」×皐月賞

ディープインパクトが勝った翌年にはメイショウサムソンが勝ち、Almahmoudクロス(Northern Dancerクロス)は3連覇。翌年にヴィクトリーが勝ち、更にその翌年、2008年より「4分の1サンデー」の快進撃が始まりました。

17年まで4分の1サンデーが勝利し、11年からは「4分の3Almahmoud」が台頭。14年のイスラボニータのみが「4分の2Almahmoud」です。この快進撃を支えたのは「ステマ配合」という大ニックスとディープインパクト、そして母父サンデーです。それぞれから2頭ずつ勝ち馬が出ています。

4分の1サンデーは皐月賞において大成功を収め、またAlmahmoudの複数クロスが勝ち馬の圧倒的多数を占めるようになりました。別の見方をすると、Flambette血脈のインブリードによる皐月賞適性の維持が図られたとも言えましょう。

勝ち馬の引いたAlmahmoudの血は「サンデーサイレンス・Nijinsky・Lyphard・ノーザンテースト・The Mistrel・Machiavellian・Sadler's Wells・Nureyev・Far North・トライマイベスト」です。キングカメハメハから引くトライマイベスト、ディープインパクトから引くLyphardばかりがFlambetteを引かないNorthern Dancer血脈としてあります。

Flambetteの血によってAlmahmoudの皐月賞不適性に逆らった、と推測されます。

 

「8分の1サンデー」×皐月賞

13年・・・4分の1サンデーの黄金期が始まった5年後に早々と「8分の1サンデー」の牙は皐月賞を捉えました。サンデー直仔時代の終焉を迎えてからドリームパスポートがメイショウサムソンの2着でしたから、これを前例とすればかなり早い。

とは言いましても13年の2着馬エピファネイアは名馬の類。大々的なサンデークロスが図られた初の種牡馬でもありますから、血統の進歩としてはダントツの速さを誇ります。

この5年後にエポカドーロが皐月賞を制しましたが、それまで8分の1サンデーは掲示板を捉えるのがやっとの状態。種牡馬オルフェーヴルの価値を示すと共に、新時代の幕開けを担う大仕事をやってのけました。

大仕事をやってのけるだけの配合ですが、それは今年の皐月賞予想へ大きな影を落とします。彼は「4分の3Almahmoud・4分の1フォーティナイナー」かつ「4分の3Flambette・4分の1サンルージュ」の配合形を取る俊英。緩和材料はアルアインやディーマジェスティと同じなわけですよ。ウインドインハーヘアが非Flambetteですから。メジロマックイーンやカーリングにも言えることですね。

つまり、Mill ReefやWild Riskといった血統でFlambetteをアウトにすると、なんだかよく分からんが、皐月賞向きの表現をゲットできるらしい!仏血統でFlambetteをアウトにしよう!

 

2019年×皐月賞

「4分の1非Almahmoud」と「4分の1非Flambette」。この二つにはある程度の規則性が見られます。だから結構簡単に本命が決まると思っていたんですよ。

けれどサトノルークスとダノンキングリーとメイショウテンゲンは「4分の2非Flambette」だし、ダノンとメイショウは「4分の4Almahmoud」だし。ディープ勢はイマイチ当てにならない。

サートゥルナーリアは「Flambette的に柔い」のレベルで、やっぱりこいつは当てにならん。

あとはドイツ。Monsunによる「4分の1非Almahmoud・4分の1非Flambette」。・・・ありか!?うーん、1800mに実績を持つような配合でもないのよねぇ。2000m以上で上昇しそうな感じすごくする。Blue LarkspurもLa TroienneもNative Dancerもアウトだもの。

大変わかりやすく、頓挫しました。

 

反転の皐月賞

アウトブリードに成功するということは、インブリードの観点でかなりの突き詰めがおこなわれているということです。完全アウトにしてなおそれが伝わる様に、行われていると。

ぱっ、と見るだけで分かる「4分の1非Almahmoud」も、そこへ至るまでにAlmhamoudへすんごい突き詰めが行われています。逆を言えば今年の出走馬たちの多くは正しく正しくAlmahmoudを綺麗に折り目よく配置した配合と言えましょう。無理をしていない、突き詰めていない。Flambetteについても同様です。

過去の2着3着馬に着目しますと・・・むちゃくちゃした配合が突っ込んできているのですよね。これはマカヒキやサトノダイヤモンドも含まれます。折り目正しいなんてことがない、一時ばかり整う旋律でG1を駆け抜けるような。

ただ、Almahmoudを多く引くだけに、Flambetteの本数がマカヒキとサトノダイヤモンドは少ないのですよね。サトノダイヤモンドに至ってはサンデーから1本引くばかりです。マカヒキは母系にNijinskyを引くので合計2本ですね。

Flambetteの回転力≒速さを引かないだけにディープインパクト産駒らしい靭やかさを存分に発揮しました。これはジェンティルドンナにも同じことで、有馬記念を勝ったディープインパクト産駒2頭はともに「母非Flambette」です。

 

予想印

◎ヴェロックス

◯サートゥルナーリア

△ブレイキングドーン

 

予想本文

ヴェロックスはサンデーとNijinskyからしかFlambetteを引かない配合で、思い切りよく乗ったときの強さは秀逸。母系のSomethingroyalクロスの効いた表現で京都内や阪神内の平坦コースで一気に上昇しました。

ハーツクライの美点を受け継ぎながらも、本格化過程がかなり早めである様子。前走では登坂区間の後に後続を大きく引き離して見せました。ジャスタウェイの秋天を彷彿とさせる勝ち方です。

速い動作を見せない弱さはありますが、今の中山芝は外馬場有利の後傾ペース展開。皐月賞ならば3角前からレースは動くでしょうし、瞬間の動作は要求されないはず。

 

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