種付け数に上限を設ける・・・という話題、面白いものなので、私もここで参加しようかと。
私は介護業界に属しておりまして、そこから話をいたします。
ケアマネの持てる顧客数、正確には単位なんですが、詳しい説明を省くために顧客数として、その顧客数には上限があるのです。(更に正確に言えば上限もないんですけれどね。報酬に減算がかかるだけで。)
これは予定調和的に、ケアマネの属する事業所へほとんどの客が回されていました。所属するケアマネの持ってきた仕事を、所属先の事業所が行なう。これはとても自然に見えます。
しかしケアマネというのも相当にフリーランスなお仕事でして、こうなると特定事業所との癒着だとかの問題があります。客からすればサービスを選択する余地がなくなります。
良くないよね、ということでルールが改められました。特定事業所集中減算ってやつなんですが、まぁ、評判はあんまり・・・ですね。
種付け数に上限をってのは、これに似たことが起こるんじゃないかと思います。
上限を設けるということは独占をしやすい状況にもなりやすい。故に、それを封じるルールもセットであるわけですよ。
顕著な例ではあるんですが、ディープインパクトですよね。ディープの種付け数が150上限となれば、ほとんどが社台グループで消費されることになるはずです。グループ外で20%を消費するようにしてね、という話になるかと思います。
色々端折ると、最終的に競馬の規模が小さくなるのではないかと思います。
- グループ外20%確保のために種付け料が下げられる
- 種牡馬のブランド化が難しくなる
- 種牡馬ビジネスの崩壊=セールの売上減
- 社台グループの規模が縮小する
- 育成や調教の質が落ちる
- 競走馬の質が落ちる
- 日本競馬の格が落ちる
- 広報の材料が失われる
- 新規の競馬ファンが入らなくなる
- 馬券の売り上げが落ちる
段階があるのでテコ入れをする余地があるとは言え、方向性としてはマイナスかと。血統の面で利点があるかもしれませんが、お金の面で美味しいことはなんにもないんじゃないかと思います。
適切な評価と適切な料金ってのは理想的なことです。しかし種牡馬という運ゲーに運ゲーを重ねるものに「適切」がありえるのかどうか・・・。
そう考えたらセールなり種付け料なりの「お祝儀価格」ってのは正しいと思います。引っ張れるところから引っ張るのがお金というもんで、そう考えると、一部のホースマンがやった不祥事にも見方があります。
機敏に利益を追えるのは競馬関係者として優秀なのかもしれません。まぁ、色々出てきた情報からしたら要領の良いことはしていなかったみたいなんですが。
ああいうのってユーモアがないと総スカン食らうもんです。頭が良い人が悪いことしても、なんかこう、微妙に許せるラインがあったりしますよねぇ。
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