砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ドゥラメンテが引退

せめて有馬くらいは出るんじゃないかと思っていたけれども・・・。

骨折しなければ、落鉄しなければ、手前替えをしていれば。なんかIFのレベルがどんどん下がっていった上での決着だよね。「いやー、骨折しなかったら凱旋門賞勝てたかもしれないのになぁ~」と言っても「そんなの競走馬の宿命だよ。」と一蹴されてしまうものだが、「いやー、ちゃんと手前替えしていれば勝てたし故障もしなかったのに」というのは「それってどういうことだよ」って話になる。

リアルタイムで見知った分には不思議な感じはしないが、後世の人にはトリビアだろう。手前替えをせずに稍重宝塚を踏破して2着、結果的に故障・・・調教師が責められるんじゃねぇか?

順調であったならば国内では負け知らずのはず。凱旋門賞もドバイも勝ち負けだったろうし、今秋も凱旋門賞を勝ち負けして年末の有馬で1倍台の支持を得ていただろう。皐月賞日本ダービー有馬記念宝塚記念ジャパンカップ凱旋門賞、DSCと4歳一杯走ってG1を7勝するくらいの可能性はあった。全勝なら8勝して日本の芝馬ではトップの数字だな。

オルフェーヴルディープインパクトに肩を並べるサラブレッドだったろう。そんな馬がろくにパフォーマンスを発揮できず引退へ追い込まれたことは非常に惜しいことなのだが、口にも文字もしたくないサイレンススズカの悲劇を思えば。うん、種牡馬になれただけ、生きているだけでも十分だ。

サイレンススズカってのはこの辺りのハードルを一気に落とし込んだ存在だよなぁ。

種牡馬としての価値はそこまで高いとは思えない。しかしルーラーシップをNureyevとし、本馬をSadler's Wellsと見る手は「アリ」だろう。この類のニアリークロスを発生させられるほど発展するのであればかなり面白い血統である。

早くもキンカメ後継は飽和している状態で、ラブリーデイ種牡馬ハードルはかなり高い。リオンディーズもどこかでもう一個勝たなきゃ厳しいだろう。そもそもKingmamboの血が飽和し始めているわけであるし、ビッグアーサーもしばらく悩むことになりそう。

だから・・・凱旋門賞を2連覇して欧州を中心にシンジケートを組んだほうがドゥラメンテのためになっただろう。もちろん、それだけのパフォーマンスを見せたのであれば血統的な不利をよそに国内で活躍馬を出すのだろうが、それでもやはり外国で生活を送ったほうが繁栄度は高い。

優秀な血を流出させることはあまりに勿体無い。だが「これが日本競馬の集大成だ!」と欧州に挑戦してほしい気持ちもある。正しくは社台グループの集大成だ。その社台に「俺らの血統で欧州の奴らを驚かせてやろう」という気持ちはないだろうか。

ディープやキンカメが存命している間はオーストラリアとかフランスとかで生活したらどうだろう。結果を出したらアラブの石油王が買い付けに来そう。

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