砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

泣きたくなるよヴェルナッツァ その6

グランアレグリアの勝利に際して「Mahmoud」氏と「taku.O」氏が意見を交わされていました。

 

 

(Mahmoudという名について、以降は全て馬名を指します)

「Mahmoud!そうだ、Unbridled's SongにはMahmoudの緊張がある!」と手を打ち鳴らしました。

逆にフォーティナイナーなんかはMahmoudを引きませんし、Deputy MinisterもMahmoudを祖父Northern Dancerより引くのみ。フォーティナイナーとDeputy Ministerを結ぶ鍵は非Mahmoud的な構成を作り上げることにあるのでしょう!

しかし、大解決というわけでもありません。そもそもの話、Northern Dancer直系というのはあんまりMahmoudのインクロスが図られないのです。そりゃNasrullahやRoyal Chargerの方が美味しいっす。

Northern Dancerやサンデーサイレンスの血統表を腐るほど見ている血統マニアはMahmoudなんて腐るほど引く血統だとしばしば思い込んでしまうのですが、意外と引くラインは少ないわけですね。そのラインにFlower Bowlとかの名血統が入っているのも誤解の元でした。(たまに正気に戻って非Mahmoudを論じることはありました)

 

誤解というのも誤解です。例えばFrankelは4分の3Mahmoud・4分の1Urban Seaの配合で母父Danehillですから。意外と欧州の血統表においてはMahmoudはポピュラーなのかもしれません。だからこそGalileoは王国を築き上げたのではないか。

ないか・・・と言ってしまうと脱線まっしぐらで、例えばMindingはGalileo×Danehill Dancerなんですが、母Lillie Langtryは「4分の3非Mahmoud・4分の1Danehill」なんです。欧州とひとくくりにしたってこういう配合もありますね。(他にケープブランコがあり、彼は母非MahmoudのGalileo産駒)

結局Mahmoudの緊張で語ることはなかなか難しいところがあり、おそらくこれはMahmoudのアウト材料に一貫性がないことも影響しているのではないか、と。やっぱり「ないか」じゃないか・・・。

 

フォーティナイナーがそうであるのに対して、FappianoはMahmoudを引きます。Miswakiだとかは引かない。Kingmamboは母父Nureyevなので当然引きますが、Flower BowlやSanctusからも引きます。

Mr. Prospector直系にしてもこの様な差異があります。なんでかっていうと、Mahmoudの母系が優秀すぎてニアリーの対象となるためでしょう。引かないなら引かないなりに、引くなら引くなりに、まぁ、なんとでもなる血統です。

アウト材料として優秀なのはWild Riskに絡む血統ですが、日本の誇るWild Riskと言えばディクタスです。父がSanctusですから、そりゃMahmoudを引きます。(Sanctusの存在からしてMiesque≒ゴールデンサッシュという見方も出来そうですが、目立った存在はインディチャンプくらい)

例えばサンデーサイレンスは非Nasrullahとして優秀ですが、非Nasrullahを貫いた化け物後継と言えばスペシャルウィークやディープインパクト、ダイワメジャーが挙がるくらいです。Wild RiskやMr. Prospectorもサンデーサイレンスの大先輩となる名血統ですから、そりゃ幅広い後継を輩出して然るべきです。

 

それはMahmoudの側に立っても同じ話。ですので私は「◯◯による△△アウトの継続」という考え方が重要だと思っているのです。特定の血統を保つ4分の1によってMahmoudがアウトとなっているならば一貫性があります。

おおよその見当をつけるならば、それはDonatelloだとかではないかと。非Mahmoudは優秀な他のBlandford血脈によって構成されるのではないか・・・?

これを大きく広げていくと、プリメロ=Harina=AvenaやUmidwar=UdaipurがLa Troienneと結びつく不思議にたどり着くんじゃないか、Nijinskyの異系ぶりに説明がつくんじゃないか、新しいスペシャルウィーク観が生じるんじゃないか、シーザリオの理解が進むんじゃないか・・・

その先にはきっとトーホウジャッカルがあって、そこからヴェルナッツァへ着地できるんじゃないかって、それはもう夢が広がります。

 

チャゲアスの楽曲タイトルで最も汎用性が高いものは「On Your Mark」。位置について、ですね。とりあえず、ようやっとスタート地点かなぁと思います。また振り出しに戻るかもしらんですが、それはそれでよし。

 

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